魔王が現れたから、勇者の子孫らしい俺がちょっくら倒してくる

あさぼらけex

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章なしで行きたいんだが~オオミヤからチチブへ

第123話 勇者暴動の前兆を感じる

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 折角第七感に目覚めた俺だったが、ゴールドゴーレムを装着してなければ、その力は使えない。
 もったいないとは思うが、それだと戦い方も根本的に別な物になる。
 この物語も別な物になりそうなんで、きっぱりあきらめよう。


「なるほど、だから回復呪文が効かなかったのか。」
 俺はユミコの説明で理解した。
「そう言う事。さあ、先を急ぎましょう。」
「急ぐって?」

 俺が理解したところで、ユミコがなぜか急かしてくる。
「この街に、長居は無用よ。」
「えと、」
 ユミコの切羽詰まった表情に、俺はうまく反論出来なかった。
 べ、別に、ユミコとまだ同棲気分を味わっていたかったとか、そう言うんじゃ、ないんだからね。

 俺たちは宿屋をチェックアウトする。
 三日分の宿代として、450円も取られた。
 なんか割高な気もするが、今は先を急ぐ。

 街中は、騒然としていた。

「ムサシの連中、気に食わないね。よそ者のくせに、でかい顔しちゃってさ。」
「ここは、チチブの街だ。ムサシの連中に好き勝手させない!」

「くそ、チチブの野郎ども、俺たちムサシ出身の者を差別しやがる。」
「元々陰険だったんだよ、チチブの連中は!」

 なんか知らんが、ムサシから逃げてきた人達と、元からチチブにいる人たちとで、いざこざが起きてるようだ。

「むきー、こうなったらチチブの連中と、戦争だ!」
「この街から、ムサシの連中を追い出せ!」

 なるほど、ユミコが先を急ごうって言ったのは、このためか。

「おい、旅のひと。あんたはどっちの味方につく。」
「へ?どっちって言われても。」
「チチブだよな!」
「はあ?ムサシに決まってんだろ!」

 なぜか俺の処遇をめぐって、争い始めた。
 俺はその場から逃げ出して、物陰に隠れる。

「おいおい、やばいんじゃないか、これ。」
「ええ、近いうちに暴動がおきるわ。」

 なんでこんな事に。
 魔王軍の脅威もあるってのに。
 まあこの事は、王都には知らせないとな。

 俺はローザからもらった盗聴器に呼びかける。
「おいローザ、聞いてただろ。暴動が起きようとしてるぞ。」
「まあ勇者様。話しかけてくださるだなんて、ローザは幸せ者でございます。ぽ。」
「おい、ふざけてる場合か。」
「うるっさいわね、ちょっと待ってて。」
 ローザは小声でつぶやく。そして、走る音がする。

「私にも、都合ってものがあるのよ。気安く話しかけないでよ。」
 今は都合つくらしいローザが、普通に話してきた。
「それより、戦争が起きようとしてるけど、どうするんだよ。」
「そんなの、なるようにしかならないでしょ。」

「はあ?
 普通は鎮圧部隊を繰り出すとか、そう言う場面じゃないの?」
「何言ってんのよ、ユウタ。この国に軍隊なんていないでしょ。
 どこに鎮圧部隊なんているのよ。」
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