戦国の鍛冶師

和蔵(わくら)

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第76話 木材とベルト

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オレークさんとダニエルと別れると、俺は直ぐに暇を持て余している3人娘の
所に赴いていたのだ。講習会もヤーコブとアントンが、一通りの事を教えてる
ので、3人娘は楽をさせて貰っていたのだ。

そんな3人を呼び止めると、俺はオレーク式銃のストックに付いて、3人娘に
話して聞かせたのだった。

「なるほど、そんな改良をダニエルさんは考えたのですか!でも、オレーク式
にも負けない方法を考えたんでしょ好成様!」

芳乃は、やはり俺の事になると、勘が鋭くなる節があるな!俺が考えた事など
芳乃にはお見通しと言わんばかりに、俺の考えている事が解っているな!
俺は来式銃にも、オレーク式銃と同じようにストックを取り付ける事を3人娘
に伝えたのだった。

「そうなると、私がする事は、つまりは大型のストックなる物を作れば良いの
ですか?それも、オレーク式銃のストックより、狙い易くて、持ち運びをして
も邪魔にならない程に、機能性を持たせねばならぬと!」

静が言った事は、まさに来式銃の未来の形を言い当てていた。俺が話して聞か
せただけで、此処まで正確に作りたい物を言い当てた静も、段々と俺の性格が
解ってきており、俺の物作りへの拘りが解ってきているかも知れないな!

「あのですね!火縄銃を持ち運びしてる時に、紐があると便利だったんですよ!
背に紐で火縄銃を吊るしてから、持ち運ぶと邪魔にならずに済みました。だから、
紐も付けましょうよ!」

なるほど、確かに火縄銃を持ち運ぶ時などには、背中で斜めにして、持ち運んで
いる雑賀衆などを城で見た覚えがある。雑賀衆もそうだが、根来衆も1人1人が
自分専用の銃を持っている。そう考えると、自分が使いやすい工夫をしていても
良いのかも知れないな!

早速、ストックの試作を作る為に、材料を道具雑貨屋・匠に4人で遣ってきてい
たのだ。木材は硬くて軽い物を探す事にしたのだが、この注文に匠の店主さんは
頭を悩ませる結果となったのだ。

「お前さんの持ってくる注文は、殆どが無理難題ばっかりだな!少しは簡単な
注文をしてくれると助かるんだがな!」

そんな文句を言いながらでも、匠の店主さんは店の奥に行くと、何やら木材を
何種類か持って戻ってきたのだった。

「これなんか良いんじゃないか?白樺の木とカバの木なんだが、軽くて丈夫
だが、数年も使うと木材が傷んでしまうのが特徴だな!」

国友、堺などの火縄には赤樫が使われているのだが、樫も強いが以外と割れに
弱い材料なのだ。それと同じでは困るのだが、それ以上の物が無いのであれば、
それにするしかないだろう!

「むっ!困るだと!?うちの店で、直ぐに割れる様な粗悪品は取り扱ってねぞ!それ
ならば少しまっとれ!」

そう言うと店主さんは、また店の奥へと消えていったのだった。

「待たせたな!文句ばっか言うお前さんには、これでどうだ!これはな
イングリッシュウオルナットって木材なんだ!これを使えば5年以上は
確実に割れずに使える事を保障しようじゃねか!」

イングリッシュウオルナットって木材は、元になっている木は何か聞いてみた。

「この木材の元になってる木は、確かなクルミの木だったぞ!」

イングリッシュウオルナットの木材を手に持ってみると、確かに軽く、手で強く
握ってもブヨブヨしておらず、店主さんが言う通りの木材そうだ。俺は静にも木
を持たせると、加工が出来るかを訊いてみた。

「少し難そうですが、原型を作れさえすれば、職人に頼んで大量生産してもらい
私が加工しなくても済みそうですね!女の私が加工するには、硬すぎますが頑張
って原型を完成させますね」

静は、そう言うとイングリッシュウオルナットを買う事に決めたのだった。

「好成サマ、このベルトを来式銃に使ってみるのはどうですか?」

秋を見ると、秋の手には滑らかで丈夫そうなベルトが、手に持っていたのだ。
値札を見てみると、何と1本の値段が150ベルクもするベルトだったのだ。
此れには流石の俺も、秋にあった場所に戻す様にと言うしか出来なかった。

「これが駄目ならば、1本の値段が50ベルクのベルトは、駄目でしょうか?」

50ベルクの安いベルトを見てみると、150ベルクもする高いベルトよりかは、
見た目的にも劣るベルトで、ベルトの色合いも斑模様になっているが、丈夫
そうなのは、どちらも変わらなかった。そうすると値段が安い分、見た目が
少し悪いベルトを選ぶであろう!

このベルトを付ける金具は、あるのかと店主さんに訊くと、少し考えた後に
カウンターの近くに置いてある、金物置き場で金具を探し出していたのだ。

「此れなんかはどうだ?木材にネジ込むタイプなんだが、木材に穴を開けく
なければ、こっちのコレ何かをお奨めするぞ!フック式になっていてな!
引っ掛ける場所さえあれば、何処にでも引っかかる仕組みなんだよ!便利だ
ぞ!」

秋に、どちらの金具が良いかと訊いたら、秋はフック式の金具を手に持つと
持ってきていた来式銃に、カチャカチャと音を立てながらフックを引っ掛け
る場所を探していた。

だが、来式銃には引っ掛ける場所などは最初から無いのだ。諦めるように秋
に諭すと、秋は金物が置いてある場所に行くと、自分で来式銃に合いそうな
金物を片っ端から来式銃に取り付けだしていた。

そして、秋が見つけたのは、の文字みたいな金物だった。
それを銃身付近の木材と銃底付近の木材に、釘で打ち込み固定する物だ
ったのだ。
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