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武器の街編
殺人罪
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殺人 刑法199条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。
次の日の朝俺達は駅を出てウエポンタウンへ向かう。あと二日である。長距離の旅は中々にきつい。社会人時代もう少し運動をすべきだったか。思えば本格的に運動をしたのは高校生のテニス部の活動が最後だろう。あーテニスしたい。そういえば、この世界にはテニスとかあるのだろうか。この世界には魔法もあるしリアルテニスの○子様できるんじゃないだろうか。因みに俺は全国決勝の相手の部長が相手の不思議なテニスの技を論理的に?否定しまくるのには笑ったよ。そのキャラクターを通して作者が不可思議テニスを否定してるように見えたんだよね。最後だから自分の気持ち全面に出したのかな?とか思った。
と思ったら、2でより馬鹿げたキャラ出してきて余計笑ったけど。
おっと話がずれてしまった。ともかく俺達は順調に進んで行ったんだ。途中までは。
「くっそ!何て数だ!」
「皆さん逃げてください!」
「旦那、俺達はこれでも一応プロを自称してるんでね。旦那を置いては逃げませんよ」
俺達の行く先でどうやら馬車が襲われたようだ。昨日の屋根側で夜営していた人達だ。
「スラさんどうする?」
「助けよう」
「ですよね~。スラミ呼ぶ?」
「いや、あいつはあちらで修行中だ。それに彼らは昨日こちらを観察していた。今スラミがいたら変に勘ぐられるかもしれない」
「おっけー。スラゴンもよろしくな」
プルン
俺達は馬車へ駆け寄った。
「大丈夫ですか?助け要りますか?」
「!君たちは昨日駅でいた人達か。すまないが手助けして欲しい!」
「了解」
そのまま俺達は馬車の護衛に付く。ところでその相手だが、サブタイトルを見て大体予想がついていると思う。そう盗賊だ。ここで遂に俺は正面から人と戦うことになった。相手の数は12こちらは護衛の冒険者5人と俺達の二人の一匹数にして4人分の差があった。
「結構やばいかな」
魔物はある程種族で強さがわかる実際にゴブリンだったら10匹いても俺達だけでなんとかできる。しかし、人は見た目で強さが判断できない。仮にスラさん12人なら絶対に勝てない━━もっとも杞憂だったが。
俺は侵蝕を人にはじめて使った。盗賊にも魔法使いがいたのでそいつの動きを止めるためだ。黒い霧が相手を包む。すると俺のなかで魔力が回復するのが伝わる。魔法使いは霧を払おうと杖を振るが何の意味も持っていない。霧が魔法使いを包む間俺はどんどん魔力を回復していく。すると魔法使いは杖を振るのに疲れたか魔力を絞られ過ぎたのか肩で息をぜえぜえとしていた。
スラさんはファイヤーピラーを連発していた。馬車を囲むように放たれた火柱は盗賊の接近を、矢による攻撃をすべて妨げていた。こんな時でもスラさんはマトレを欠かさない。しかも有効手を使い護衛を怠っていない。
スラゴンはウォーターショットで冒険者の援護をしている。こちらも邪魔しないように敵の足元も的確に狙い盗賊の動きを奪いつつ冒険者をうまく援護していた。
そして、何人かの盗賊が倒れたころ、他もはや勝てないと察したのか盗賊達は馬に乗って逃走し始めた。
「追いますか?」
「いや、ここにいたのがすべてとは限らない。深追いはやめておこう」
「わかりました」
こうして俺の初対人はあっけなんク終わった。
「いやあ今回は助かったよ、ありがとう。俺の名前はロック、Cランクチーム一枚岩のリーダーをしている」
「私はスズキです、私たちもパーティーで旅をしています。チーム名はありませんが、冒険者ランクはC級です」
そう実は俺達Cランクにランクが上がっていた。シータウンでの一件が評価されたのだ。
「ところでこの盗賊達はどうしますか?」
そう、俺の目の前では盗賊が5人倒れていた。もちろんその中に魔法使いもいる。
「もちろんここで」
そういうとロックは口でベロでコッと音たてると同時に親指をたてた手で首を横に切る動作をした。そうか、殺すのか。ここで俺は色々と覚悟をすると気が来たと感じた。
「兵に引き渡すのは無しなんですね?」
「ああ、さすがにこの人数を連れてあと二日はきつい。他に仲間が来ても困るしな。旅の安全、物資の節約、これらを考慮すれば引き連れるというのは厳しいな」
「そうですよね......」
「もしかして、殺人童貞かな?」
「ははっ、恥ずかしながらその通りです」
「何も恥ずかしがることじゃあないだろう。人命は救うべきものではあれ奪うものではないのだから」
「そういってもらえると助かります」
「では今回はこちらのチームで処理を行おうか」
「いえ、魔法使いは俺がやります。やはり責任はとりたいので」
「━━そうか。君がそういうのであればこちらからはもう何も言わない。無粋だしな」
ロックは優しく微笑み俺を見ていた。
「スズキ、いいのか?」
「スラサン......。ああ、大丈夫だ」
「わかった。これ以上は何も言わん」
はは、俺は人に恵まれてるぜ。さあ覚悟を決めよう━━人殺しになる覚悟を
ロック達と共に盗賊達のもとへ向かう。そして、魔法使いの名に立つ。
「へへ、さっきの話聞いてたぜ。人を殺すのは俺が初めてなんだってなぁ?言っとくが俺はお前を許さないぜ。地獄でもお前を一生恨み続ける覚悟しな」
「おい!黙れ!!」
スラさんが一喝する。
「黙らんさ、盗賊だろうと人殺しには変わらねぇ。お前らも所詮俺達と同じなんだよ。自分のために他者から奪う糞みたいな奴らなんだよ」
「大丈夫だよスラさん。わかってる。俺があんたを殺した罪は一生背負うさ。最後にあんたの名前を教えてくれないか?」
「嫌だね、俺はただの盗賊魔法使いだ。お前に名前なんて教えねえよ」
「そうか、わかったよ、名無しの盗賊魔法使いさん」
そういうと俺は剣を振りかぶる。
「待った。最後に一つ聞かせてくれ。お前の使った魔法はなんだ?」
「侵蝕だよ」
「侵食?あれが?」
「なんだよ」
「なるほど、名前を教えない俺に真実は教えられないってことか。もういい、殺せ」
「おい、何言ってんだよ」
それ以降男は何も発っさなかった。
「スズキ、そろそろ」
スラさに促されて周りを見てみると一枚岩の面々はすでに仕事を終えていた。
そして、俺は剣を大きく振りかぶる、勝手に俺の体は震えていた。しかし、俺は勢いそのまま男の心臓にそれを突き立てた。男は"ギュビ"という音を発すると口からツツーっと血を流し息を絶った。
こうして俺は殺人鬼になった。日本でも今回の場合は正当防衛が成立し不可罰になるだろう。しかし、殺人の事実は変わらない。俺はこうして一つの十字かを背負うことになった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
作者です。今回は重い内容になりまして申し訳ありません。次はいつもの感じに戻ります。
胸くそ悪いと感じた人もいるかも知れません。しかし、太郎は召喚の際の契約を履行すれば日本に帰るわけです。その太郎が人を殺すということを簡単に割り切ってはいけないと考えて今回の話を書きました。
多くの異世界者ではチートな主人公が仲間のために、盗賊だから等の理由で人を殺します。そして、その理由が合理的に解釈されています。たしかに、その手の話では多くの主人公は帰還できないのでその世界の風習的にありなのかな?とも思います。しかし、中途半端に地球の文化文明をチートという名目で取り入れるのに文明社会の最たるものと言える人権に関してはその世界に簡単に合わせるというのはどうもご都合主義が過ぎるとも思いました。奴隷しかりハーレムしかり(まあ主人公は未成年が多いのでそこまで憲法刑法詳しくないとは思いますが)。そういう想いも今回の話には入っています。
因みに多くのチート物による主人公による虐殺ですが、正当防衛は成立しません。過剰防衛になります。というか下手したら過剰防衛すら成立しません。なので皆さんが仮にチート能力を持ち不良にカツアゲされそうになっても虐殺はやめてくださいね笑
読んでいただきありがとうございます。よろしければお気に入り、感想お待ちしております。
次の日の朝俺達は駅を出てウエポンタウンへ向かう。あと二日である。長距離の旅は中々にきつい。社会人時代もう少し運動をすべきだったか。思えば本格的に運動をしたのは高校生のテニス部の活動が最後だろう。あーテニスしたい。そういえば、この世界にはテニスとかあるのだろうか。この世界には魔法もあるしリアルテニスの○子様できるんじゃないだろうか。因みに俺は全国決勝の相手の部長が相手の不思議なテニスの技を論理的に?否定しまくるのには笑ったよ。そのキャラクターを通して作者が不可思議テニスを否定してるように見えたんだよね。最後だから自分の気持ち全面に出したのかな?とか思った。
と思ったら、2でより馬鹿げたキャラ出してきて余計笑ったけど。
おっと話がずれてしまった。ともかく俺達は順調に進んで行ったんだ。途中までは。
「くっそ!何て数だ!」
「皆さん逃げてください!」
「旦那、俺達はこれでも一応プロを自称してるんでね。旦那を置いては逃げませんよ」
俺達の行く先でどうやら馬車が襲われたようだ。昨日の屋根側で夜営していた人達だ。
「スラさんどうする?」
「助けよう」
「ですよね~。スラミ呼ぶ?」
「いや、あいつはあちらで修行中だ。それに彼らは昨日こちらを観察していた。今スラミがいたら変に勘ぐられるかもしれない」
「おっけー。スラゴンもよろしくな」
プルン
俺達は馬車へ駆け寄った。
「大丈夫ですか?助け要りますか?」
「!君たちは昨日駅でいた人達か。すまないが手助けして欲しい!」
「了解」
そのまま俺達は馬車の護衛に付く。ところでその相手だが、サブタイトルを見て大体予想がついていると思う。そう盗賊だ。ここで遂に俺は正面から人と戦うことになった。相手の数は12こちらは護衛の冒険者5人と俺達の二人の一匹数にして4人分の差があった。
「結構やばいかな」
魔物はある程種族で強さがわかる実際にゴブリンだったら10匹いても俺達だけでなんとかできる。しかし、人は見た目で強さが判断できない。仮にスラさん12人なら絶対に勝てない━━もっとも杞憂だったが。
俺は侵蝕を人にはじめて使った。盗賊にも魔法使いがいたのでそいつの動きを止めるためだ。黒い霧が相手を包む。すると俺のなかで魔力が回復するのが伝わる。魔法使いは霧を払おうと杖を振るが何の意味も持っていない。霧が魔法使いを包む間俺はどんどん魔力を回復していく。すると魔法使いは杖を振るのに疲れたか魔力を絞られ過ぎたのか肩で息をぜえぜえとしていた。
スラさんはファイヤーピラーを連発していた。馬車を囲むように放たれた火柱は盗賊の接近を、矢による攻撃をすべて妨げていた。こんな時でもスラさんはマトレを欠かさない。しかも有効手を使い護衛を怠っていない。
スラゴンはウォーターショットで冒険者の援護をしている。こちらも邪魔しないように敵の足元も的確に狙い盗賊の動きを奪いつつ冒険者をうまく援護していた。
そして、何人かの盗賊が倒れたころ、他もはや勝てないと察したのか盗賊達は馬に乗って逃走し始めた。
「追いますか?」
「いや、ここにいたのがすべてとは限らない。深追いはやめておこう」
「わかりました」
こうして俺の初対人はあっけなんク終わった。
「いやあ今回は助かったよ、ありがとう。俺の名前はロック、Cランクチーム一枚岩のリーダーをしている」
「私はスズキです、私たちもパーティーで旅をしています。チーム名はありませんが、冒険者ランクはC級です」
そう実は俺達Cランクにランクが上がっていた。シータウンでの一件が評価されたのだ。
「ところでこの盗賊達はどうしますか?」
そう、俺の目の前では盗賊が5人倒れていた。もちろんその中に魔法使いもいる。
「もちろんここで」
そういうとロックは口でベロでコッと音たてると同時に親指をたてた手で首を横に切る動作をした。そうか、殺すのか。ここで俺は色々と覚悟をすると気が来たと感じた。
「兵に引き渡すのは無しなんですね?」
「ああ、さすがにこの人数を連れてあと二日はきつい。他に仲間が来ても困るしな。旅の安全、物資の節約、これらを考慮すれば引き連れるというのは厳しいな」
「そうですよね......」
「もしかして、殺人童貞かな?」
「ははっ、恥ずかしながらその通りです」
「何も恥ずかしがることじゃあないだろう。人命は救うべきものではあれ奪うものではないのだから」
「そういってもらえると助かります」
「では今回はこちらのチームで処理を行おうか」
「いえ、魔法使いは俺がやります。やはり責任はとりたいので」
「━━そうか。君がそういうのであればこちらからはもう何も言わない。無粋だしな」
ロックは優しく微笑み俺を見ていた。
「スズキ、いいのか?」
「スラサン......。ああ、大丈夫だ」
「わかった。これ以上は何も言わん」
はは、俺は人に恵まれてるぜ。さあ覚悟を決めよう━━人殺しになる覚悟を
ロック達と共に盗賊達のもとへ向かう。そして、魔法使いの名に立つ。
「へへ、さっきの話聞いてたぜ。人を殺すのは俺が初めてなんだってなぁ?言っとくが俺はお前を許さないぜ。地獄でもお前を一生恨み続ける覚悟しな」
「おい!黙れ!!」
スラさんが一喝する。
「黙らんさ、盗賊だろうと人殺しには変わらねぇ。お前らも所詮俺達と同じなんだよ。自分のために他者から奪う糞みたいな奴らなんだよ」
「大丈夫だよスラさん。わかってる。俺があんたを殺した罪は一生背負うさ。最後にあんたの名前を教えてくれないか?」
「嫌だね、俺はただの盗賊魔法使いだ。お前に名前なんて教えねえよ」
「そうか、わかったよ、名無しの盗賊魔法使いさん」
そういうと俺は剣を振りかぶる。
「待った。最後に一つ聞かせてくれ。お前の使った魔法はなんだ?」
「侵蝕だよ」
「侵食?あれが?」
「なんだよ」
「なるほど、名前を教えない俺に真実は教えられないってことか。もういい、殺せ」
「おい、何言ってんだよ」
それ以降男は何も発っさなかった。
「スズキ、そろそろ」
スラさに促されて周りを見てみると一枚岩の面々はすでに仕事を終えていた。
そして、俺は剣を大きく振りかぶる、勝手に俺の体は震えていた。しかし、俺は勢いそのまま男の心臓にそれを突き立てた。男は"ギュビ"という音を発すると口からツツーっと血を流し息を絶った。
こうして俺は殺人鬼になった。日本でも今回の場合は正当防衛が成立し不可罰になるだろう。しかし、殺人の事実は変わらない。俺はこうして一つの十字かを背負うことになった。
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作者です。今回は重い内容になりまして申し訳ありません。次はいつもの感じに戻ります。
胸くそ悪いと感じた人もいるかも知れません。しかし、太郎は召喚の際の契約を履行すれば日本に帰るわけです。その太郎が人を殺すということを簡単に割り切ってはいけないと考えて今回の話を書きました。
多くの異世界者ではチートな主人公が仲間のために、盗賊だから等の理由で人を殺します。そして、その理由が合理的に解釈されています。たしかに、その手の話では多くの主人公は帰還できないのでその世界の風習的にありなのかな?とも思います。しかし、中途半端に地球の文化文明をチートという名目で取り入れるのに文明社会の最たるものと言える人権に関してはその世界に簡単に合わせるというのはどうもご都合主義が過ぎるとも思いました。奴隷しかりハーレムしかり(まあ主人公は未成年が多いのでそこまで憲法刑法詳しくないとは思いますが)。そういう想いも今回の話には入っています。
因みに多くのチート物による主人公による虐殺ですが、正当防衛は成立しません。過剰防衛になります。というか下手したら過剰防衛すら成立しません。なので皆さんが仮にチート能力を持ち不良にカツアゲされそうになっても虐殺はやめてくださいね笑
読んでいただきありがとうございます。よろしければお気に入り、感想お待ちしております。
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ヘドラーの上位種の設定にワクワクしました。
ビック、メガ……その上にも何かいたら、と思うと今後に期待が膨らみます。
敵キャラクターの種類も重要ですよね!
更新、応援してます!
導入部のコーヒーネタが面白かったです。
また、召喚者がさらに異世界の勇者を召喚するというのも、メタ的な内容でハマりました!
お気に入り登録したので、更新楽しみに待ってます!
また、私も小説書いてます。
お暇があれば読んでくださると嬉しいです。
ありがとうございます
小説読ませていただきました。ライフハックとは新しいですね!
お互い頑張りましょー!