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2.野崎 颯 居酒屋ランチタイム
2.野崎 颯 居酒屋ランチタイム②
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お母さんは並んでいる人がいる列の一番後ろに並んだ。
もちろん僕達もお母さんの後ろに並ぶ。
列が進んでいくとトレイが積んであるのが見えた。
お母さんはトレイをボクらに渡すと
「落とさないようにね」
と、笑う。
こんな小さなトレイ落とす訳ないじゃん。
赤ちゃんじゃないんだから!
ボクは渡されたトレイを見る。
端っこに穴が空いている変なトレイだった。
ボクは頭の上にトレイを持ち上げ、下からトレイを見上げてみる。
「変なの」
「穴空いてる」
トレイの穴から天井が見えた。
お母さんがスタスタ歩いていくのでボクらも置いていかれないように付いていく。
少し歩いたところでグラスに入った冷たいお茶をお母さんから渡された。
「トレイの穴のところにセットするのよ」
え? この穴ってグラスを入れる為に空いてたんだ!
なんだかスゴい発見をした気分!
ボクはグラスをトレイにセットしてウキウキとお母さんの後に続いた。
「さて、何食べる?」
お母さんがボクらに訊ねる。
「何が有るの?」
優香が楽しそうに聞いた。
「お肉料理がメインの『山の幸弁当』とお魚料理がメインの「海の幸弁当」…後はお蕎麦とかおうどんも有るみたい」
お母さんはキョロキョロしながら答えてくれた。
「じゃあボクうどん!」
ボクが真っ先に言う。
「あたしお肉!」
次に優香が叫ぶように宣言した。
「はいはい…じゃあお母さんはお魚食べようかな…」
独り言のようにお母さんは答え、ホームのあちこちに置かれていたワゴンへ足を向ける。
個々のワゴンにはワゴン毎に違う料理が準備されていた。
何処のワゴンが何を売っているのかの案内イラストが入った看板があったから、ボク達はそれを見ながらホームのあちこちへ行って料理を手に入れる。
もちろんワゴンにも何を売っているかの看板があった。
そうやって看板を確認しながらボク達は無事料理を手に入れた。
でも何処で食べれば良いのかな?
だって駅のホームには食べる場所…ないよ?
ベンチじゃ食べにくいし、当然だぁれも食べてない……
お母さんはドアが開けっ放しの電車の中に入って行った。
ボクらも自分の分の料理を落とさないよう注意しながらお母さんの後を歩く。
電車に乗り込んで直ぐ横に閉まったドアが有るのにボクは気がついた。
お母さんがドアの前に立つと"シュッ”と小さな音がしてドアが開く。
つまり自動ドアだったんだ。
スタスタとお母さんは中へ入っていく。
「あ…暖かい……」
中に入ったボクは思わずつぶやいた。
周りは大きな椅子だらけ。
ぼくはお母さんに置いていかれないように必死に追いかける。
もちろんせっかくゲットしたうどんはトレイにセットしたままだ。
転んだらお終い……
怖いよう……
「どこで食べようかな…」
お母さんが呑気につぶやいた。
「あ、ここにしましょ」
お母さんはそう言ってボクらを呼んで座席に座らせる。
そして肘掛けを操作してテーブルを出した。
「え? どうやったの? お母さん!」
肘掛けからテーブルが出てくるなんて魔法みたいだ!
お母さんはちょっと困った顔になって
「特急の椅子の肘掛けにはテーブルが隠して有る事が多いのよ。さあ、トレイをテーブルに置いて。まずご飯食べちゃいましょう。ご飯食べ終わったらトレイを除けてテーブルをよく見てご覧。セットの仕方書いて有るから…」
と、答える。
確かにテーブルにトレイを置いたら、どんなふうにテーブルが肘掛けに隠してあったかなんてわからないよね。
よし! まずは食べよう!
手袋を外してコートを脱がなきゃ。
お母さんはボク達が座った席の前の席を何やら動かしたかと思うとクルッと回転させボクらの席と向かい合わせにした。
「え? お母さんどうやったの? 手品?」
こんな大きな椅子が回るなんて…信じられない。
ボクが目をパチクリさせて聞くと
「特急の座席ってこうやって回せるのが普通なの。やり方も説明が椅子に書いてあるのよ」
そう言ってお母さんは通路側にあるビニール製のカーテンを引く。
これだけでボク達専用の部屋みたくなった。
「ねぇねぇ、本物も? 本物の電車の席の椅子も回せるの?」
ボクはコートをお母さんに渡しながら聞いた。
「特急電車なら多分ね。」
お母さんが空いている席にボクや優香や自分のコートやら荷物ならを置いて座りながら答える。
「さ、食べましょ。早く食べないと冷めちゃうわ」
お母さんも肘掛けからテーブルを引っ張り出してトレイをセットした。
ボクも自分のうどんを食べ始めようと箸を手に取る。
もちろん僕達もお母さんの後ろに並ぶ。
列が進んでいくとトレイが積んであるのが見えた。
お母さんはトレイをボクらに渡すと
「落とさないようにね」
と、笑う。
こんな小さなトレイ落とす訳ないじゃん。
赤ちゃんじゃないんだから!
ボクは渡されたトレイを見る。
端っこに穴が空いている変なトレイだった。
ボクは頭の上にトレイを持ち上げ、下からトレイを見上げてみる。
「変なの」
「穴空いてる」
トレイの穴から天井が見えた。
お母さんがスタスタ歩いていくのでボクらも置いていかれないように付いていく。
少し歩いたところでグラスに入った冷たいお茶をお母さんから渡された。
「トレイの穴のところにセットするのよ」
え? この穴ってグラスを入れる為に空いてたんだ!
なんだかスゴい発見をした気分!
ボクはグラスをトレイにセットしてウキウキとお母さんの後に続いた。
「さて、何食べる?」
お母さんがボクらに訊ねる。
「何が有るの?」
優香が楽しそうに聞いた。
「お肉料理がメインの『山の幸弁当』とお魚料理がメインの「海の幸弁当」…後はお蕎麦とかおうどんも有るみたい」
お母さんはキョロキョロしながら答えてくれた。
「じゃあボクうどん!」
ボクが真っ先に言う。
「あたしお肉!」
次に優香が叫ぶように宣言した。
「はいはい…じゃあお母さんはお魚食べようかな…」
独り言のようにお母さんは答え、ホームのあちこちに置かれていたワゴンへ足を向ける。
個々のワゴンにはワゴン毎に違う料理が準備されていた。
何処のワゴンが何を売っているのかの案内イラストが入った看板があったから、ボク達はそれを見ながらホームのあちこちへ行って料理を手に入れる。
もちろんワゴンにも何を売っているかの看板があった。
そうやって看板を確認しながらボク達は無事料理を手に入れた。
でも何処で食べれば良いのかな?
だって駅のホームには食べる場所…ないよ?
ベンチじゃ食べにくいし、当然だぁれも食べてない……
お母さんはドアが開けっ放しの電車の中に入って行った。
ボクらも自分の分の料理を落とさないよう注意しながらお母さんの後を歩く。
電車に乗り込んで直ぐ横に閉まったドアが有るのにボクは気がついた。
お母さんがドアの前に立つと"シュッ”と小さな音がしてドアが開く。
つまり自動ドアだったんだ。
スタスタとお母さんは中へ入っていく。
「あ…暖かい……」
中に入ったボクは思わずつぶやいた。
周りは大きな椅子だらけ。
ぼくはお母さんに置いていかれないように必死に追いかける。
もちろんせっかくゲットしたうどんはトレイにセットしたままだ。
転んだらお終い……
怖いよう……
「どこで食べようかな…」
お母さんが呑気につぶやいた。
「あ、ここにしましょ」
お母さんはそう言ってボクらを呼んで座席に座らせる。
そして肘掛けを操作してテーブルを出した。
「え? どうやったの? お母さん!」
肘掛けからテーブルが出てくるなんて魔法みたいだ!
お母さんはちょっと困った顔になって
「特急の椅子の肘掛けにはテーブルが隠して有る事が多いのよ。さあ、トレイをテーブルに置いて。まずご飯食べちゃいましょう。ご飯食べ終わったらトレイを除けてテーブルをよく見てご覧。セットの仕方書いて有るから…」
と、答える。
確かにテーブルにトレイを置いたら、どんなふうにテーブルが肘掛けに隠してあったかなんてわからないよね。
よし! まずは食べよう!
手袋を外してコートを脱がなきゃ。
お母さんはボク達が座った席の前の席を何やら動かしたかと思うとクルッと回転させボクらの席と向かい合わせにした。
「え? お母さんどうやったの? 手品?」
こんな大きな椅子が回るなんて…信じられない。
ボクが目をパチクリさせて聞くと
「特急の座席ってこうやって回せるのが普通なの。やり方も説明が椅子に書いてあるのよ」
そう言ってお母さんは通路側にあるビニール製のカーテンを引く。
これだけでボク達専用の部屋みたくなった。
「ねぇねぇ、本物も? 本物の電車の席の椅子も回せるの?」
ボクはコートをお母さんに渡しながら聞いた。
「特急電車なら多分ね。」
お母さんが空いている席にボクや優香や自分のコートやら荷物ならを置いて座りながら答える。
「さ、食べましょ。早く食べないと冷めちゃうわ」
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ボクも自分のうどんを食べ始めようと箸を手に取る。
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