アステリズム

結月みゆ

文字の大きさ
8 / 9

後日談~1

しおりを挟む
「いつまで泣いてるんだ」
「だって……」
「いい加減泣き止まないとこのままここで襲うぞ」

ほんの数分前まではドン底な気分で歩いたはずの道をルベウスに手を引かれ引き返す。

正式な魔王になり妃を迎え入れるはずだった成人の義は、思わぬ結末を迎え、僕とルベウスは離れ離れにならずにすんだ。

だけど、やっぱりまだ信じられない。

僕がこの御方に愛されているだなんて……

「ルベウス様……どこに行くんですか?」
「おまえとゆっくり話が出来るとこだ」

ルベウスの自室を通り過ぎると更に奥へと連れていかれた。

「……さあ、入れ」

そして、着いた場所は……

「ここ……」

僕達が毎晩隠れて身体を重ねていたあの部屋だ。

「でもここは……」
「いいから中に入れ」

この部屋に来る時は必ず深夜。
だから、こんな昼間からなんて初めてだ。

ルベウスの言う通り中に入ると昨夜と何も変わらない室内。
違うのは窓から射し込む陽の光が室内を明るく照らし、目の前のベッドをも照らしていること。

ここで昨夜も時間ギリギリまで身体を重ねていたんだ……

ふとそれが蘇り、少しだけ胸が苦しくなった。

「……いつまでそこに突っ立ってるんだ、ここに来い」
「ルベウス様……何をするおつもりですか」

ベッドに座るルベウスに手を引かれ、無理矢理横に座らせられると顔を僕に近付け、囁くように答えを口にする。

「やっとおまえが俺だけのものになったんだ、抱かないわけがないだろ」
「……だ、抱くっ!?話をするんじゃ……」
「抱いた後に話をする。まずはおまえと一つになりたい……わかるだろ?」

そう囁きながら、戸惑う僕の髪を優しく撫でるとルビー色の瞳が僕を映す。

「で、でも……まだ……昼間ですし……」
「だからだ……」
「え?」
「理由はそのうち分かる」

そしてベッドにゆっくりと押し倒され見上げると、綺麗なその瞳に吸い込まれそうになった。





口付けながら脱がされた服がベッドの下に散らばり、僕達は数時間前と同じように繋がる。

ただ一つ違うこと、それはお互いの気持ちが通じていること。
だからかなのか、同じことをしているのに感度が全く違う。

触れられた場所が熱くて、熱くて……どうしようもないくらい気持ちがいい……

「……ッ……い……ッ」
「もうイきそうなのか?」
「も……ッ……だ……だめッ……」

頷きながら背中に回した腕に力を込めると、更に中を突き上げ律動が激しさを増し、

「わかった……ッ……もうイけよッ……」

確かめるように言葉で攻めながらも、ルベウスのそれはどこか甘さを帯びていた。


もう……溶けそうだ……
この声も身体も吐息までもが気持ちいい……


頭の中はふわふわとただ快感だけが支配していて、感じる場所を集中的に突かれともう限界で、そんな気配を知ってか、イく間際にキスで口を塞がれ二人分のくぐもった吐息が漏れた。

「……んんッ……んんッ」
「…………ッ」

そして吐息と共に下半身に広がる熱はじんわりと胸を汚し、同時に僕の中にいるルベウスのそれが波打つとドクドクと体内に注がれていく。
それを感じながら深く息を吐き出すと、僕の中から出ていったルベウスに再び抱きしめられた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

博愛主義の成れの果て

135
BL
子宮持ちで子供が産める侯爵家嫡男の俺の婚約者は、博愛主義者だ。 俺と同じように子宮持ちの令息にだって優しくしてしまう男。 そんな婚約を白紙にしたところ、元婚約者がおかしくなりはじめた……。

氷の檻に閉じ込められた月~兄上のすべては、私のもの~

春野ふぶき
BL
『兄上は私のものだ。魂も、肉体も。永遠に―—』 アーヴェント侯爵家の長男ライカは、妾腹として正妻に虐げられ続けてきた。 唯一の救いは、次期当主を目される異母弟カイエンの存在。 美しく聡明で、氷の騎士と呼ばれる彼だけは、常にライカの味方だった。 だが、その愛情は兄を守るものではなく、深く歪んだ執着だった。 母を排除し、兄を囲い込み、逃げれば鎖で捕らえる。 そしてついに、ライカの心身は限界に追い詰められていく。 ——カイエンが下す「最後の選択」とは。 ふたりが辿る結末は、幸福か、それとも狂気の果てか。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

処理中です...