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第3話 美人教師の尋問
しおりを挟む「まったく……適当なんだから」
新任教員を丸投げされたサクラは、ぶつぶつ文句を言いながら職員室を出た。古い建物なので、勢いよく閉めた扉が壊れそうな悲鳴を上げる。
いや、悲鳴をあげたのはその扉に挟まれた篠宮であった。
「イタタタ……」
顔を押さえながら這い出てくる篠宮を上から見下ろすと、サクラはフンッと鼻を鳴らして足音高く去って行く。
そのハイヒールの足音に釣られるように、篠宮はすぐにサクラの側へ這い寄った。
「き、気持ち悪いことをするなッ!」
「いやだなぁ、校長が『あとはサクラさんに任す』って言ったじゃないですか」
いかにも嬉しそうに後をついてくる篠宮の顔面を、サクラは本気で殴りたくなった。
ここまで平穏にやって来て、今更邪魔が入るとは……!
サクラにはそんな思いがある。
なんとか追い出すか、はたまた利用するか——いや、もしかしたら『篠宮』と名乗るだけで政府の諜報員かも知れない。
サクラは突然立ち止まった。
勢い余った篠宮はつんのめってサクラの背中へ向かって倒れ込む——が、勘の良いサクラはサッと右に身体をさばいて避けた。
盛大に転ぶ篠宮の背中をハイヒールで踏み付けると、低い声で言う。
「お前、なんだって今頃赴任して来た?」
「へ?」
サクラはギリッと踏みつけている脚に力を入れる。「うひっ!」と篠宮は小さな悲鳴をもらす。
「……いやぁ、親父を説得するのに時間がかかっちゃって。家から離れたかったんで、半ば無理に出てきたんですけど、Shinomiyaの傘下にあるとこでセキュリティのしっかりしたここなら構わないと……」
「それなりに大事な身体というわけか」
しかし、それではShinomiyaの目がこちらに向けられる可能性が出て来た。せっかく今まで見捨てられて来たのに。
サクラは踏み付けていた脚を外した。何故か少し残念そうな表情で篠宮は立ち上がる。形の良い顎に白いしなやかな指をあてながら、サクラは少し思考した。
顎から手を離して、彼女は勢いよく歩き出す。少しだけ振り返りながら篠宮を呼ぶ。
「ついて来い、校内を案内する」
つづく
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