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第24話 お花見したい
しおりを挟む「ゴメン、俺が使い方わからなくて、壊しちゃったんだ」
「はぁ? ふざけてんの? アレはあたしたちにとって、唯一の娯楽なんだよ!?」
憤るレディも、篠宮の暖かい手の感触に矛先が鈍る。口撃しながら、手の感覚の方に意識が引きずられていく。
サクラも自分を庇う篠宮の言動に動揺した。根が真面目な彼女は、そのような嘘で庇われるのは堪らなかったのだ。
「違……」
「違うんだ、私が壊したんだ」と声を上げようとした時、その可憐な唇は鬼丸の手によって塞がれた。
驚いて目を丸くするサクラに、鬼丸は低い声で言う。
「いいから、黙っとけよ。女のプライドを守ろうとしてる奴の努力を無駄にすんじゃねぇよ」
サクラがうなずくと、鬼丸は手を離した。
「どうせお前の馬鹿力でこわしたんだろ? それを知ったらレディがキレるだろうが」
声をひそめる鬼丸に、サクラは同じく小声で返事した。
「すまない。出来るだけ早く修理する」
「俺は少しだけあの人間を見直したぜ」
そう言って、鬼丸は顎で篠宮のことを指し示した。
「あたしたちの娯楽をダメにしたんだから、それなりにあたしたちを楽しませてくれるんだろうね?」
先ほどよりはよほど落ち着いたレディが篠宮に要求する。篠宮はデレッとまなじりを下げる。
た、楽しませちゃっていいのー?
すかさず篠宮が何を想像しているのか察したサクラが、彼の後頭部にスパーンとツッコミを入れる。
「何を考えている!」
「えー、つまりみんなが楽しめる行事を考えればいいんですね?」
後頭部をさすりながら、篠宮はサクラと鬼丸、それにレディの前で急遽プレゼンすることにした。
生徒数は多くない。αとβの両クラスを合わせても十六名だ。サクラと篠宮を足しても二十人にも満たない。
そして春——。
「お花見なんてどうすか?」
つづく
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