&・MEN ~ARM & LEG〜

石ころマン

文字の大きさ
8 / 10

アーム & ソード ②

しおりを挟む
   朝日は刀を取り上げる機会を探っている。そして、そのチャンスは来るのである。それは、
 
 「ここだァ!」
  
 朝日は浜西の腕をガシッと掴む。ラッシュはとめられたのだ。

 「な、何!止められただと!」

 「お前のラッシュはな…上、下、右、左、斜め、色んな角度から切りかかるが、お前は左斜めという角度から切り掛る時だけ、お前が左手で剣を持っている都合上そこだけ遅い!そして圧倒的にその角度だけ回数が少ないのだ。もう俺は見切ったぞ!」

 しかし浜西は笑う。笑いながら剣をくるりと逆手に持つ。

 「くくくっ。まぁそこまで突き止めれたのは褒めてやる。だがここから何も出来ない訳では無い!蜂ノ道ワスプ・ロード!!」

  浜西は、逆手に持ったまま朝日の右肩に剣を突き刺した。刃は肩を刺し貫通した。
  すると、朝日の右肩が爆発し、2人とも巻き込まれて吹っ飛んだ。きっと肩の中の特殊な爆薬に引火して爆発を起こしたのだろう。

 朝日の右腕は後ろに吹き飛び、朝日は腕が左腕しか無い状態となってしまった。朝日は少し憤怒した。

 「なんだとクソッタレ!腕を吹き飛ばされるなんて…!」

 「クッハッハ!俺の強さがわかっただろ…じゃあ最後の仕上げといこうか!」

 そしてそれを見た浜西は、ニヤリと微笑み、剣を両手で持ち、上段構えをする。

「喰らえ!鷹ノ道ホーク・ロード!!」

 浜西が剣を振り下ろすと、朝日に向かって斬撃が飛んで行く。しかし、これは短なるケンセイ技に過ぎなかった。

  「本番はこっちだ!虎ノ道タイガー・ロード!!」 

 浜西は全力で朝日の方へ走っていく。浜西は刀を逆手に持ち、まるで虎の爪の如く、素早く朝日の腹部に剣を突き刺した。

 「ぐはぁっかぁ!!」朝日は血を吐き、浜西にもたれかかる。日暮は自身の目を隠した。朝日から貫通した剣を見たくはなかった。
 日暮も阿治も、ただの手合わせのはずだったのが殺し合いに発展してしまったことに驚きを隠せなかった。

 しばらくの沈黙の後、朝日は浜西の耳元で囁く。

 「剣…抜くんじゃねぇぞ…!」

 浜西は何を言ってるのかさっぱりだった。普通ならみんな抜けと言うはずなのに、こいつは抜くなの言ったのだ。普通ではないと悟った。

 そして浜西は腹部に何かが当たる感触を感じる。金属の何か。謎の感触の場所に目をやると、正体はなんと朝日の左拳だった。拳はだんだんと青く光ってゆく。

 そして朝日はニヤリと笑った。

 「お返しさ…!三ツ星トリニティ爆破ブラスト!!!」

 ドッガン…!

 浜西は上空へと吹っ飛んだ。浜西は、ギリギリのところで左腕で爆発をガードしたので、何とか生き延びが、怖いのはここからである。

 なんと、浜西の腕がまた爆発したのだ。浜西はさらに吹き飛ばされる。そしてまた爆発、さらに爆発、計3回爆発した。

 浜西の左腕はボロボロになり、剣は、吹き飛ばされる途中で試合場に突き刺さった。


  ーーー浜西と朝日はこの後、治療室へと運ばれた。そしてその後、病室で謎の友情が芽生え、第2の親友のようになった。

 「…お前やるじゃん…浜西…。」

 「お前もな…朝日…。何か困ったことがあったらうちらバディが手伝ってやらないとこもねぇぜ…。」

 2人は、何故か清々しく笑い、眠りにつくのであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

処理中です...