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エアー & ガム ①
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朝日と浜西の試合が終わり、数分もしないうちに日暮と阿治の試合が始まった。今頃浜西らは病室で笑いあって、腕の整備をしてる頃である。
日暮と阿治は両者バトルゾーンへと足を踏み入れた。お互いまだ能力を明かしていない。
先程とは違う、冷たい何かを感じる雰囲気だった。
両者屈伸などの準備運動をした後、すぐにゴングはなった。
両者見合ったままだ。まだどちらも手を出さない。構えもしない。睨み合ったまま、動かない。
睨み合いは、数十分と続いた。最初にしびれを切らし手を出したのは、意外にも日暮だった。
日暮は素早く阿治の目の前に迫る。そして阿治の顔目掛けて強いハイキックを放つ。しかし、当たらなかった。阿治は見切り避けた。
日暮は次々と蹴り技を繰り出すが、まるで次にくる蹴りがわかるかのように阿治は避けて行った。
「空気圧噴射で加速してるのに当たらないだと…!何者だこの阿治っていう男は…!」
阿治は次々と、たんたんと避けていく。日暮は無言で避けていく阿治にいらだちを覚えていった。
そして日暮は蹴るうちに、あることに気づく。阿治はいくらたっても攻撃をしてこないということに気づいた。避けてばかりで、攻撃を仕掛けてこない。
その事を疑問に思い、日暮は問いかけてみることにする。
「なぜ攻撃をしてこないんだ!避けてばかりで何もしないなんて!」
そういう日暮に対し、阿治はすぐに答えを返した。
「攻撃?してないって?してるよ。もう既に。試しに大きくジャンプしてみればいい。」
日暮は言われるがままに、いつも通りの空気圧噴射でのジャンプを試みる。しかし、ジャンプした直後、日暮は背中から地面に落下した。
日暮は地面から起き上がろうとするが、起き上がることが出来ない。背中を触ってみると、スライムのようなものが付着しているるのがわかった。
「飛べない。起き上がれない。なぜなら君の背中に「#強粘着スライム____ガム・ガム・ガム#」が着いているから。このスライムは、引っ張ったり、叩いたりの衝撃を与えると急激に縮小する。それに僕の機械の目は高性能なカメラとコンピューターを合わせ持つ。君の攻撃を避けるのも、瞬時にガムをつけることも容易だよ。」
そういうと阿治はマジックのように手からガムボールのような玉を出現させた。
それを聞いた日暮は突然バタ足をし始めた。そしてしたかと思うと今度は膝をまげ、地面にガシンと足をつける。
「高圧縮空気圧…」
「大地震!」
すると強烈な空気圧が放出され、日暮の背中のガムが消滅した。
それと同時に、地面は大きく揺れ始めた。
「とてつもない空気圧を放出し、地面を揺るがす技…特大のお祭り技だよ!」
日暮は阿治に近ずいてゆく。次第に阿治の足はすくみ、最後は地面に倒れてしまった。
「言い残すことはあるかい、阿治くん。」
その言葉に対し、阿治はニヤリと答えた。
「まだ始まったばかりだよ…日暮くん!」
そしてガムボールを投げつけた。
「強粘着爆弾!!」
すると投げたガムボールは空中で中身が弾け、日暮の体にまとわりついた。日暮は身動きが取れなくなってしまった。
「まだ終わってないよ!強粘着伸縮縄!!」
阿治の手には、日暮の胸部と繋がったガムのロープが握られていた。そしてそのロープを引っ張ると、日暮は阿治の後ろへと飛んで行った。
日暮は身動きが取れず、力を貯める暇もなかった。阿治は容赦なくさらにガムボールを投げつける。
「強粘着ハンマー!!」
投げたガムボールはまたしても弾けたが、今度は中にトンカチが入っていた。そのトンカチはガムのロープに引っ張られ、思い切り日暮の右太ももに激突した。
ハンマーの攻撃により日暮の片足は使い物にならなくなった。
日暮はその場に倒れ込み、使えなくなった片足をかばいながら防御耐性に入るのであった。
日暮と阿治は両者バトルゾーンへと足を踏み入れた。お互いまだ能力を明かしていない。
先程とは違う、冷たい何かを感じる雰囲気だった。
両者屈伸などの準備運動をした後、すぐにゴングはなった。
両者見合ったままだ。まだどちらも手を出さない。構えもしない。睨み合ったまま、動かない。
睨み合いは、数十分と続いた。最初にしびれを切らし手を出したのは、意外にも日暮だった。
日暮は素早く阿治の目の前に迫る。そして阿治の顔目掛けて強いハイキックを放つ。しかし、当たらなかった。阿治は見切り避けた。
日暮は次々と蹴り技を繰り出すが、まるで次にくる蹴りがわかるかのように阿治は避けて行った。
「空気圧噴射で加速してるのに当たらないだと…!何者だこの阿治っていう男は…!」
阿治は次々と、たんたんと避けていく。日暮は無言で避けていく阿治にいらだちを覚えていった。
そして日暮は蹴るうちに、あることに気づく。阿治はいくらたっても攻撃をしてこないということに気づいた。避けてばかりで、攻撃を仕掛けてこない。
その事を疑問に思い、日暮は問いかけてみることにする。
「なぜ攻撃をしてこないんだ!避けてばかりで何もしないなんて!」
そういう日暮に対し、阿治はすぐに答えを返した。
「攻撃?してないって?してるよ。もう既に。試しに大きくジャンプしてみればいい。」
日暮は言われるがままに、いつも通りの空気圧噴射でのジャンプを試みる。しかし、ジャンプした直後、日暮は背中から地面に落下した。
日暮は地面から起き上がろうとするが、起き上がることが出来ない。背中を触ってみると、スライムのようなものが付着しているるのがわかった。
「飛べない。起き上がれない。なぜなら君の背中に「#強粘着スライム____ガム・ガム・ガム#」が着いているから。このスライムは、引っ張ったり、叩いたりの衝撃を与えると急激に縮小する。それに僕の機械の目は高性能なカメラとコンピューターを合わせ持つ。君の攻撃を避けるのも、瞬時にガムをつけることも容易だよ。」
そういうと阿治はマジックのように手からガムボールのような玉を出現させた。
それを聞いた日暮は突然バタ足をし始めた。そしてしたかと思うと今度は膝をまげ、地面にガシンと足をつける。
「高圧縮空気圧…」
「大地震!」
すると強烈な空気圧が放出され、日暮の背中のガムが消滅した。
それと同時に、地面は大きく揺れ始めた。
「とてつもない空気圧を放出し、地面を揺るがす技…特大のお祭り技だよ!」
日暮は阿治に近ずいてゆく。次第に阿治の足はすくみ、最後は地面に倒れてしまった。
「言い残すことはあるかい、阿治くん。」
その言葉に対し、阿治はニヤリと答えた。
「まだ始まったばかりだよ…日暮くん!」
そしてガムボールを投げつけた。
「強粘着爆弾!!」
すると投げたガムボールは空中で中身が弾け、日暮の体にまとわりついた。日暮は身動きが取れなくなってしまった。
「まだ終わってないよ!強粘着伸縮縄!!」
阿治の手には、日暮の胸部と繋がったガムのロープが握られていた。そしてそのロープを引っ張ると、日暮は阿治の後ろへと飛んで行った。
日暮は身動きが取れず、力を貯める暇もなかった。阿治は容赦なくさらにガムボールを投げつける。
「強粘着ハンマー!!」
投げたガムボールはまたしても弾けたが、今度は中にトンカチが入っていた。そのトンカチはガムのロープに引っ張られ、思い切り日暮の右太ももに激突した。
ハンマーの攻撃により日暮の片足は使い物にならなくなった。
日暮はその場に倒れ込み、使えなくなった片足をかばいながら防御耐性に入るのであった。
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