65 / 100
65『連休谷間の遠足』
しおりを挟む
泣いてもω(オメガ) 笑ってもΣ(シグマ)
65『連休谷間の遠足』シグマ
連休の谷間ってめんどくさい。
だってさ、この月火が休みだったら9連休なんだよ。むろん水曜からの5連休だってすごいよ。夏休みとかを別にしたら、もう年内に5連休なんてやってこないもんね。
でもね、9連休だったらエロゲ二本はクリアできるよ。
ゲームにもよるけど、一本だいたい二十時間くらい。分岐の多いのだと四十時間くらいかかるのもある。
「へー」とか「なるほどお」とかのシーンはゆっくり見る。
エロゲの中には真面目に人生やら青春やらを語っているものもある。開始一分でエッチ全開ってのもある。
両方あっていいんだ。表現は違っても――人を楽しませる――というコンセプトは同じだ。
出会いがあって、大小いろんな事件があって、あーこれは発展フラグだなーってのがあって、初々しい初エッチに突入! そこまでの流れは、できるだけ切れ目なしに味わいたいんだよね。
それが、ブツ切れの連休だと急ぎ足になってしまう。もしくは、トライするゲームの数を減らさなきゃならない。
で……連休谷間の今日は遠足だよ。
いかにも消化試合だよね。どうせやるなら、いつも通りの六時間授業をやればいいのにね。
ま、六時間やったらやったで文句を言う百地美子だって自覚はある。えと、百地美子ってのは、あたしの名前。日ごろはシグマとしか呼ばれないから忘れてる人もいるかもしれないわね。ま、この際覚えてくださいな。なんたって連休の谷間なんだからさ。
基本的に、連休の谷間というのが面白くなくてプータレてるわけですよ。
で、井の頭公園のベンチに座っている。
高校生の遠足に井の頭公園というのはどーなんだろ?
ま、クラスに8人という欠席の数を考えればいわずもがな。
中には「北○○のミサイルが心配で」というこじつけっ子もいる、無断欠席の方が清々しいと思うよ。
「お、懐かしいゲームやってんだな」
え( ゚Д゚)!?
まさか堂本先生に声を掛けられるとは思っていなかったからドギマギした。
「『陽だまりのキミ』は良くできた恋愛シミレーションだな、人生は、ほんのちょっとしたことで結婚相手まで変わっちまうんだってコンセプトがいいよなあ、メインヒロインのキミなんて、おれ三回もクリアーしたもんだ」
「は、はい……」
あたしは曖昧に頷いて調子を合わせた。
「陽だまりみたいに暖かく、清く正しく、キスするだけで結婚するのがよかった」
「ですね……(^_^;)」
先生は分かっていない。
『陽だまりのキミ』はミレニアムエロゲの金字塔と言われ、後年の萌ゲー大賞があればグランプリ間違いなしと言われた名作。
キミルートは裏を含めて五つあって、いずれも濃厚なエロシーンがある。その展開は、その後のエロゲに絶大な影響を残し、制作会社はエロゲ界のジブリと言われている。あまりの人気なのでエロはキスまでの純愛設定にしてプレスト3に移植されている。あたしは、プレスト3をプレストヴィータにしたのをやっているんだ。
「あれに出てくる恩賜公園は、この井の頭公園がモデルなんですよね」
「え、あ、ああ、そうだったよな、そうだった」
あたしは、連休のゲームモードになっている自分を保つためにコンシューマ版の『陽だまりのキミ』をやってるんだ。
先生は、つまらない遠足の言い訳をするように話しかけてきただけなんだ。八人の欠席も気にかけているんだろうね。
そう思うんだったら、もっとましな行事計画立ててほしい。
「公園の西にジブリの森があるんです。あれがルートに入っていたら、欠席する人はいなかったと思いますよ」
玉川上水の向こうの方を指さした。
「え、あ、そんなのがあるのか?」
「ありますよ……ほら」
スマホの検索画面を見せてあげた。ま、遠足なんかで予約がとれるとこじゃないけどね、勉強してくださいってとこです。
先生の相手が終わるとスマホが鳴った。
あ……?
それは、風信子先輩からのメールだった……。
☆彡 主な登場人物
妻鹿雄一 (オメガ) 高校三年
百地美子 (シグマ) 高校二年
妻鹿小菊 高校一年 オメガの妹
妻鹿幸一 祖父
妻鹿由紀夫 父
鈴木典亮 (ノリスケ) 高校三年 雄一の数少ない友だち
風信子 高校三年 幼なじみの神社(神楽坂鈿女神社)の娘
柊木小松(ひいらぎこまつ) 大学生 オメガの一歳上の従姉 松ねえ
ミリー・ニノミヤ シグマの祖母
ヨッチャン(田島芳子) 雄一の担任
木田さん 二年の時のクラスメート(副委員長)
増田汐(しほ) 小菊のクラスメート
65『連休谷間の遠足』シグマ
連休の谷間ってめんどくさい。
だってさ、この月火が休みだったら9連休なんだよ。むろん水曜からの5連休だってすごいよ。夏休みとかを別にしたら、もう年内に5連休なんてやってこないもんね。
でもね、9連休だったらエロゲ二本はクリアできるよ。
ゲームにもよるけど、一本だいたい二十時間くらい。分岐の多いのだと四十時間くらいかかるのもある。
「へー」とか「なるほどお」とかのシーンはゆっくり見る。
エロゲの中には真面目に人生やら青春やらを語っているものもある。開始一分でエッチ全開ってのもある。
両方あっていいんだ。表現は違っても――人を楽しませる――というコンセプトは同じだ。
出会いがあって、大小いろんな事件があって、あーこれは発展フラグだなーってのがあって、初々しい初エッチに突入! そこまでの流れは、できるだけ切れ目なしに味わいたいんだよね。
それが、ブツ切れの連休だと急ぎ足になってしまう。もしくは、トライするゲームの数を減らさなきゃならない。
で……連休谷間の今日は遠足だよ。
いかにも消化試合だよね。どうせやるなら、いつも通りの六時間授業をやればいいのにね。
ま、六時間やったらやったで文句を言う百地美子だって自覚はある。えと、百地美子ってのは、あたしの名前。日ごろはシグマとしか呼ばれないから忘れてる人もいるかもしれないわね。ま、この際覚えてくださいな。なんたって連休の谷間なんだからさ。
基本的に、連休の谷間というのが面白くなくてプータレてるわけですよ。
で、井の頭公園のベンチに座っている。
高校生の遠足に井の頭公園というのはどーなんだろ?
ま、クラスに8人という欠席の数を考えればいわずもがな。
中には「北○○のミサイルが心配で」というこじつけっ子もいる、無断欠席の方が清々しいと思うよ。
「お、懐かしいゲームやってんだな」
え( ゚Д゚)!?
まさか堂本先生に声を掛けられるとは思っていなかったからドギマギした。
「『陽だまりのキミ』は良くできた恋愛シミレーションだな、人生は、ほんのちょっとしたことで結婚相手まで変わっちまうんだってコンセプトがいいよなあ、メインヒロインのキミなんて、おれ三回もクリアーしたもんだ」
「は、はい……」
あたしは曖昧に頷いて調子を合わせた。
「陽だまりみたいに暖かく、清く正しく、キスするだけで結婚するのがよかった」
「ですね……(^_^;)」
先生は分かっていない。
『陽だまりのキミ』はミレニアムエロゲの金字塔と言われ、後年の萌ゲー大賞があればグランプリ間違いなしと言われた名作。
キミルートは裏を含めて五つあって、いずれも濃厚なエロシーンがある。その展開は、その後のエロゲに絶大な影響を残し、制作会社はエロゲ界のジブリと言われている。あまりの人気なのでエロはキスまでの純愛設定にしてプレスト3に移植されている。あたしは、プレスト3をプレストヴィータにしたのをやっているんだ。
「あれに出てくる恩賜公園は、この井の頭公園がモデルなんですよね」
「え、あ、ああ、そうだったよな、そうだった」
あたしは、連休のゲームモードになっている自分を保つためにコンシューマ版の『陽だまりのキミ』をやってるんだ。
先生は、つまらない遠足の言い訳をするように話しかけてきただけなんだ。八人の欠席も気にかけているんだろうね。
そう思うんだったら、もっとましな行事計画立ててほしい。
「公園の西にジブリの森があるんです。あれがルートに入っていたら、欠席する人はいなかったと思いますよ」
玉川上水の向こうの方を指さした。
「え、あ、そんなのがあるのか?」
「ありますよ……ほら」
スマホの検索画面を見せてあげた。ま、遠足なんかで予約がとれるとこじゃないけどね、勉強してくださいってとこです。
先生の相手が終わるとスマホが鳴った。
あ……?
それは、風信子先輩からのメールだった……。
☆彡 主な登場人物
妻鹿雄一 (オメガ) 高校三年
百地美子 (シグマ) 高校二年
妻鹿小菊 高校一年 オメガの妹
妻鹿幸一 祖父
妻鹿由紀夫 父
鈴木典亮 (ノリスケ) 高校三年 雄一の数少ない友だち
風信子 高校三年 幼なじみの神社(神楽坂鈿女神社)の娘
柊木小松(ひいらぎこまつ) 大学生 オメガの一歳上の従姉 松ねえ
ミリー・ニノミヤ シグマの祖母
ヨッチャン(田島芳子) 雄一の担任
木田さん 二年の時のクラスメート(副委員長)
増田汐(しほ) 小菊のクラスメート
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる