9 / 66
本編1
03.気付かぬ現実03
しおりを挟む
足下から突如地面が崩れるそれに似て、落ち着かなくなる。
だがパーティはまだ続いている。これから仕事を終えた取引先の代表がもっとやってくるはずだ。その一人一人と話をし、最後に挨拶をするまでが耀一郞の役目である。
抱いた不安をそのままに仕事を続けるしかなかった。
耀一郞が会場を出たのは間もなく日付が変わろうという頃。社用車に乗り込み自宅に向かう道はどこもかしこ渋滞を起こし、いつも以上に時間がかかった。
エントランスを通りエレベータが来るのを待つ時間すら落ち着かない。
静寂に包まれた高層マンションは不安を濯いではくれない。むしろ膨れ上がるばかりで感じたこともない恐怖に囚われそうになる。
理由はわからない。
故に恐ろしさが膨張する。
自分はいったいどうしたんだ。なぜこれほどに感情を動かされているのだ。
わからず苛立ちを現すように爪先でエレベータホールの床を叩く。
早く来い、早くと電子表示を睨めつけ、到着の音と共に開いた扉の向こうに飛び込む。半年経っても慣れない階数のボタンを押し、上昇に伴って僅かにかかる重力移動の不快感を浴びた。
いつもと変わらない速度で目的階に到着したというのに、いつも以上に遅く感じる。
気が急いたまま奥の扉を開けた。
いつもであれば些細な音に自室から顔を出す樟が、今日に限っていくら待っても扉を開かない。
(とうとう痺れを切らして遊びに行ったか……)
いつものように奔放なオメガというレッテルを貼って安心しようとするが、ちっとも安寧は訪れない。むしろ不安が増していく。
静かな部屋の中が不気味で、平穏を取り戻すためにリビングへ入りあるはずのものを探してダイニングテーブルを見て、グッと拳を握った。
いつも置かれていた夕食が、そこにない。
キッチンのシンクも乾ききっており、耀一郞が最後に置いた皿がそのままになっている。こんなことはこの半年、一度としてなかった。
「……どういうことだ?」
初めて樟の部屋の前に立った。ノブに手を置き、だが回せずに固まる。
自分は何をしようとしている。
あれほど嫌っているオメガに対して。
ただ菊池社長が自分と同じようにオメガを見下し嫌悪感を抱いていたと知っただけだというのに、なぜこれほどの不安を抱えているのだ。
ノブを握り絞める手に自然と力が入った。
――開けるな、関わるな。オメガにこれ以上深入りするな。
脳の片隅で叫ぶ声があった。
耀一郞は唾を飲み込んで指を一本、また一本と意識して外していった。
その時だった。
扉の向こうで嫌な音がしたのは。
「っ! 開けるぞ!」
力任せにノブを回せば容易に扉は開いて暗い部屋を映し出した。
冷気がふわりと上って耀一郞の頬を撫でる。廊下から差し込む光が何もない部屋の一角を照らす。引っ越しの時に見た光景と変わらなかった。照明のスイッチを指で探り、パチンと押すと、部屋が一気に明るくなった。
「な……」
耀一郞は言葉を失った。
部屋に家具が一つもなかった。積み重なった段ボール箱が隅に置かれ、その傍には薄い布団がフローリングに直に敷かれている。掛け布団が盛り上がっており、そこから嫌な呼吸音と、聞いたこともないような雑音が混じった咳が鳴っている。
足早に近づいて薄っぺらい掛け布団を剥いだ。
小さな身体を丸めて荒い呼吸を繰り返す樟が転がっている。
「なんだ、これは……」
身体の血が引いていく感覚をダイレクトに味わう。
「なぜこんなことになっているんだ!」
怒号は、カランとした部屋の中に響き渡った。
「おい耀一郞、お前は何をやったんだ」
厳しい声を投げたのは旧友の井ノ瀬だ。回転椅子に腰掛け、モニターに映し出されたレントゲン写真をじっと見つめている。電子カルテに情報を打ち込み時折目を眇め文字を追うと、ノンフレームの眼鏡をブリッジを押し上げた。
「…………」
言葉が出ないなど、人生でありはしなかった。だが今、耀一郞は何を言えば良いかが分からない。
その様子を見て、井ノ瀬はくるりと椅子を回し、耀一郞に身体を向ける。
小学校から同じ学び舎で過ごし、第二性の診断結果の後にアルファだけを集めた学舎へと共に移った旧友は、白衣を纏っている。
ここは井ノ瀬が勤務する総合病院だ。
恐ろしいほど熱い身体が激しく咳を繰り返す様に驚き縋った耀一郞に、救急車を呼びこの病院に運ぶよう指示をした井ノ瀬は、到着を待ち受け樟が乗った担架をすぐさま救急センターへと運び込んだ。
耀一郞は誰もいないベンチでただ待つしかなく、ようやく呼ばれて診察室に入ったときには、到着してから二時間も経っていた。
なにも喋ろうとしない旧友に井ノ瀬は嘆息して、また電子カルテに向き直った。
「このままなにも言わないなら、俺は警察にお前を通報しなきゃならない」
通報?
どういうことだと顔を上げれば、叱責するような眼差しを向けられた。
「言え。なにをした」
「……なにも……なにもしていない」
そう、直接は。けれど配偶者をこの半年、邪険にしたのは確かだ。
井ノ瀬は見せつけるように大きく嘆息をした。
「小野樟さんの病状は、極度の栄養失調と風邪からくる肺炎だ。意識はない。肺に水が溜まっている……一日二日でこんなに酷くならない。どんな環境で過ごしどんな生活をしていたんだ、お前の配偶者は」
訊かれても答えられなかった。
初めて見た樟の部屋は、ガランドーだった。
エアコンすら付けず外気と同じ――いや、上層階だからさらに気温が低い部屋の床に、薄っぺらい布団を敷いていた。毛布すらなく、ジムで定期的に鍛えている耀一郞ですら震えたくらいだ。
「いつから風邪を引いていたんだ」
「……わからない……月初に咳をしていたような気がする……」
「話をしなかったのか、同じ家に住んでいるのに」
耀一郞はまた、何も答えられなくなった。
だが確信はなかった。この一ヶ月、樟がどんな生活をしていたのかも知らない。仕事にかまけていたからではない、何をしようと興味がなかったから。
その様子を見て、また井ノ瀬は嘆息した。
旧友で一番信頼している彼に失望されているのを肌で感じる。
当然だ、結婚した相手のことをなに一つ把握していないのだから、医師という立場にあるからこそ、耀一郞に対して苛立つのだろう。
「お前はどういうつもりで結婚したんだ? 俺は見初めたと聞いたが、やはり嘘だったんだな。……まだあのことを引きずっていたのか」
グッと奥歯を噛み締め、蓋をし重石を乗せたはずの古い記憶がいともあっさりと蘇る。
耀一郞がこれほどまでオメガに嫌悪感を抱いたのには、明確な理由があった。井ノ瀬はそれを知る唯一の人物だ。
「でもお前の配偶者はあの人じゃない。毛嫌いしているのになぜ結婚した。取引先との力関係でお前に求婚されたら断れるわけがないだろう。それがわかってなにもしなかったのか?」
だがパーティはまだ続いている。これから仕事を終えた取引先の代表がもっとやってくるはずだ。その一人一人と話をし、最後に挨拶をするまでが耀一郞の役目である。
抱いた不安をそのままに仕事を続けるしかなかった。
耀一郞が会場を出たのは間もなく日付が変わろうという頃。社用車に乗り込み自宅に向かう道はどこもかしこ渋滞を起こし、いつも以上に時間がかかった。
エントランスを通りエレベータが来るのを待つ時間すら落ち着かない。
静寂に包まれた高層マンションは不安を濯いではくれない。むしろ膨れ上がるばかりで感じたこともない恐怖に囚われそうになる。
理由はわからない。
故に恐ろしさが膨張する。
自分はいったいどうしたんだ。なぜこれほどに感情を動かされているのだ。
わからず苛立ちを現すように爪先でエレベータホールの床を叩く。
早く来い、早くと電子表示を睨めつけ、到着の音と共に開いた扉の向こうに飛び込む。半年経っても慣れない階数のボタンを押し、上昇に伴って僅かにかかる重力移動の不快感を浴びた。
いつもと変わらない速度で目的階に到着したというのに、いつも以上に遅く感じる。
気が急いたまま奥の扉を開けた。
いつもであれば些細な音に自室から顔を出す樟が、今日に限っていくら待っても扉を開かない。
(とうとう痺れを切らして遊びに行ったか……)
いつものように奔放なオメガというレッテルを貼って安心しようとするが、ちっとも安寧は訪れない。むしろ不安が増していく。
静かな部屋の中が不気味で、平穏を取り戻すためにリビングへ入りあるはずのものを探してダイニングテーブルを見て、グッと拳を握った。
いつも置かれていた夕食が、そこにない。
キッチンのシンクも乾ききっており、耀一郞が最後に置いた皿がそのままになっている。こんなことはこの半年、一度としてなかった。
「……どういうことだ?」
初めて樟の部屋の前に立った。ノブに手を置き、だが回せずに固まる。
自分は何をしようとしている。
あれほど嫌っているオメガに対して。
ただ菊池社長が自分と同じようにオメガを見下し嫌悪感を抱いていたと知っただけだというのに、なぜこれほどの不安を抱えているのだ。
ノブを握り絞める手に自然と力が入った。
――開けるな、関わるな。オメガにこれ以上深入りするな。
脳の片隅で叫ぶ声があった。
耀一郞は唾を飲み込んで指を一本、また一本と意識して外していった。
その時だった。
扉の向こうで嫌な音がしたのは。
「っ! 開けるぞ!」
力任せにノブを回せば容易に扉は開いて暗い部屋を映し出した。
冷気がふわりと上って耀一郞の頬を撫でる。廊下から差し込む光が何もない部屋の一角を照らす。引っ越しの時に見た光景と変わらなかった。照明のスイッチを指で探り、パチンと押すと、部屋が一気に明るくなった。
「な……」
耀一郞は言葉を失った。
部屋に家具が一つもなかった。積み重なった段ボール箱が隅に置かれ、その傍には薄い布団がフローリングに直に敷かれている。掛け布団が盛り上がっており、そこから嫌な呼吸音と、聞いたこともないような雑音が混じった咳が鳴っている。
足早に近づいて薄っぺらい掛け布団を剥いだ。
小さな身体を丸めて荒い呼吸を繰り返す樟が転がっている。
「なんだ、これは……」
身体の血が引いていく感覚をダイレクトに味わう。
「なぜこんなことになっているんだ!」
怒号は、カランとした部屋の中に響き渡った。
「おい耀一郞、お前は何をやったんだ」
厳しい声を投げたのは旧友の井ノ瀬だ。回転椅子に腰掛け、モニターに映し出されたレントゲン写真をじっと見つめている。電子カルテに情報を打ち込み時折目を眇め文字を追うと、ノンフレームの眼鏡をブリッジを押し上げた。
「…………」
言葉が出ないなど、人生でありはしなかった。だが今、耀一郞は何を言えば良いかが分からない。
その様子を見て、井ノ瀬はくるりと椅子を回し、耀一郞に身体を向ける。
小学校から同じ学び舎で過ごし、第二性の診断結果の後にアルファだけを集めた学舎へと共に移った旧友は、白衣を纏っている。
ここは井ノ瀬が勤務する総合病院だ。
恐ろしいほど熱い身体が激しく咳を繰り返す様に驚き縋った耀一郞に、救急車を呼びこの病院に運ぶよう指示をした井ノ瀬は、到着を待ち受け樟が乗った担架をすぐさま救急センターへと運び込んだ。
耀一郞は誰もいないベンチでただ待つしかなく、ようやく呼ばれて診察室に入ったときには、到着してから二時間も経っていた。
なにも喋ろうとしない旧友に井ノ瀬は嘆息して、また電子カルテに向き直った。
「このままなにも言わないなら、俺は警察にお前を通報しなきゃならない」
通報?
どういうことだと顔を上げれば、叱責するような眼差しを向けられた。
「言え。なにをした」
「……なにも……なにもしていない」
そう、直接は。けれど配偶者をこの半年、邪険にしたのは確かだ。
井ノ瀬は見せつけるように大きく嘆息をした。
「小野樟さんの病状は、極度の栄養失調と風邪からくる肺炎だ。意識はない。肺に水が溜まっている……一日二日でこんなに酷くならない。どんな環境で過ごしどんな生活をしていたんだ、お前の配偶者は」
訊かれても答えられなかった。
初めて見た樟の部屋は、ガランドーだった。
エアコンすら付けず外気と同じ――いや、上層階だからさらに気温が低い部屋の床に、薄っぺらい布団を敷いていた。毛布すらなく、ジムで定期的に鍛えている耀一郞ですら震えたくらいだ。
「いつから風邪を引いていたんだ」
「……わからない……月初に咳をしていたような気がする……」
「話をしなかったのか、同じ家に住んでいるのに」
耀一郞はまた、何も答えられなくなった。
だが確信はなかった。この一ヶ月、樟がどんな生活をしていたのかも知らない。仕事にかまけていたからではない、何をしようと興味がなかったから。
その様子を見て、また井ノ瀬は嘆息した。
旧友で一番信頼している彼に失望されているのを肌で感じる。
当然だ、結婚した相手のことをなに一つ把握していないのだから、医師という立場にあるからこそ、耀一郞に対して苛立つのだろう。
「お前はどういうつもりで結婚したんだ? 俺は見初めたと聞いたが、やはり嘘だったんだな。……まだあのことを引きずっていたのか」
グッと奥歯を噛み締め、蓋をし重石を乗せたはずの古い記憶がいともあっさりと蘇る。
耀一郞がこれほどまでオメガに嫌悪感を抱いたのには、明確な理由があった。井ノ瀬はそれを知る唯一の人物だ。
「でもお前の配偶者はあの人じゃない。毛嫌いしているのになぜ結婚した。取引先との力関係でお前に求婚されたら断れるわけがないだろう。それがわかってなにもしなかったのか?」
982
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
殿下に婚約終了と言われたので城を出ようとしたら、何かおかしいんですが!?
krm
BL
「俺達の婚約は今日で終わりにする」
突然の婚約終了宣言。心がぐしゃぐしゃになった僕は、荷物を抱えて城を出る決意をした。
なのに、何故か殿下が追いかけてきて――いやいやいや、どういうこと!?
全力すれ違いラブコメファンタジーBL!
支部の企画投稿用に書いたショートショートです。前後編二話完結です。
【完結】君のことなんてもう知らない
ぽぽ
BL
早乙女琥珀は幼馴染の佐伯慶也に毎日のように告白しては振られてしまう。
告白をOKする素振りも見せず、軽く琥珀をあしらう慶也に憤りを覚えていた。
だがある日、琥珀は記憶喪失になってしまい、慶也の記憶を失ってしまう。
今まで自分のことをあしらってきた慶也のことを忘れて、新たな恋を始めようとするが…
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
もう一度君に会えたなら、愛してると言わせてくれるだろうか
まんまる
BL
王太子であるテオバルトは、婚約者の公爵家三男のリアンを蔑ろにして、男爵令嬢のミランジュと常に行動を共にしている。
そんな時、ミランジュがリアンの差し金で酷い目にあったと泣きついて来た。
テオバルトはリアンの弁解も聞かず、一方的に責めてしまう。
そしてその日の夜、テオバルトの元に訃報が届く。
大人になりきれない王太子テオバルト×無口で一途な公爵家三男リアン
ハッピーエンドかどうかは読んでからのお楽しみという事で。
テオバルドとリアンの息子の第一王子のお話を《もう一度君に会えたなら~2》として上げました。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる