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本編1
07.予期せぬ発作03
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「第二性に特化した特種な診察ができる医師だ。内科、産科、婦人科、小児科などの知識を網羅した上で、第二性の専門的な研究を行っている。心療内科にも精通しているから菊池さんのカウンセリングをお願いしている」
「あいつにか……」
「菊池さんの担当医の一人だ。なぁ耀一郞、お前はどうしてそんなに怒っているんだ? 時期が来たら離婚するつもりの相手だったんじゃないのか?」
期間限定の配偶者。それが誰といたところで気にしないと考えていたのは他ならぬ耀一郞だ。むしろ浮気してくれた方が好都合と嘯いていたではないか。
なのに、落ち着かない。
今も安井と二人きりでいるのだと考えるだけで頭が沸騰しそうになる。
耀一郞はなにも言えず奥歯を噛み締めた。
旧友のただならぬ様子をじっと観察した井ノ瀬は、また電子カルテに速いスピードでなにかを打ち込んでいく。
「菊池さんから実家の話は聞いたことがあるか? 虐待の跡といい今回の過呼吸といい、嫌な予感がする」
「今、調べさせている……ところで、なぜ樟を旧姓で呼んでいるんだ」
「氏名の確認をしたときに、そう紹介されたからだ。お前が小野を名乗るなと言ったんだろう、どうせ」
「違う! 私はそんな命令をしていない!」
「そうか。まあいい。落ち着いたら帰っても大丈夫だ。抗不安薬を処方しておく。ただ、通院の頻度を上げさせて貰うぞ」
意志の強さが滲み出る語気に、耀一郞は静かに頷いた。
「安井医師、迷惑をかけてごめんなさい」
「謝ることはなにもありませんよ、樟さん。ゆっくりと深く息をしましょう。浅いとまた苦しくなってしまいますからね」
優しい声音はいつもと変わらない。笑うと自然と眦が下がってしまうのも。
樟は意識して深い呼吸を繰り返した。
「……耀一郞さんはきっと呆れたと思います。面倒だと思われたかも知れません」
「…………。今日は出かけていたんですね。どこに行かれたんですか?」
「博物館に……とても大きな首長竜の復元骨格があって……耀一郞さんと出かけるのは初めてだったけど、とても楽しくて……でもそれも今回できっと終わりです」
診察室に入ってきた時の表情を思い出して目を伏せる。
あれは怒っていた。
服まで用意したせっかくの外出を台無しにしたと思っているのかもしれない。申し訳なさが樟の疲れた心を苦しめる。
「楽しかったんですね、それは良かったです。配偶者さんが離れていた間に具合を悪くしたと聞きましたが、なにがあったんですか?」
「なにも……なにもありません」
本当に、なにもない。
ただ記憶の蓋が開きそうになった、それだけだ。
樟はゆっくりと目を閉じ、はぁと詰めた息を吐き出した。先程よりもずっと呼吸が楽だ。なぜあんなにも苦しかったんだろう。原因も理由もわからないが、ずっと背中をさすってくれる大きな手は、とても心地よかった。
「配偶者さん、心配していましたね」
安井の穏やかな声が紡ぐ言葉の意味を理解できなかった。
心配?
誰が、誰を?
罵られてばかりいる自分には向けられない感情なのに、なにを言っているのだろうか、安井は。
「樟さんは配偶者さんが怖いんですか?」
「怖いかどうかは……わかりません。最近の耀一郞さんはとても優しいので……でもさすがにこんなにも立て続けに迷惑をかけてしまったので、きっと呆れてると思います。離婚……されるのかな?」
「離婚は嫌ですか?」
「……父さんと兄さんと暮らすのは……怖いです」
一度心地よい場所を知ってしまったら、もうあそこに帰りたいとは思えない。もし耀一郞に離婚を言い渡されたらと思うと、怖くて身体が竦む。
「帰りたくないんですね」
「あそこは……恐ろしいんです、誰もが……」
「そうですか。僕はそんな心配は無用だと思いますけど、もし不安なら今度の診察でご案内したい資料があるんです。だから必ずいらしてくださいね」
まだこの病院での診察を許されるのか。ホッとして、小さく頷いた。
落ち着いてから自力で歩いて廊下に出ると、待合のソファには恐ろしい形相をしたままの耀一郞が鋭い眼差しでこちらを見つめた。ビクリと肩を跳ねさせると、安心させるように背後の安井が背中を優しく叩いてくれた。
「大丈夫ですよ。でも何かあったらすぐに病院に来てください。約束ですからね」
小さく頷いて、促されるように耀一郞の前に立った。
「…………っ!」
耀一郞はなにも言わず立ち上がり、樟の細い肩を掴むと自分へと引き寄せて歩き出した。慌てて後ろを振り向いて会釈すると、安井は変わらず穏やかな笑みを浮かべて手を振ってくれた。
来たときと同じように助手席に乗せられ、車は高層マンションの地下駐車場へと入っていった。少しだけ強引に連れ出され、上階へと続くエレベータに乗る。運転している間も今も、耀一郞はなにも話し出さないので、樟も口を噤むしかなかった。
近頃、声をかけてくれくれるようになって、少しずつ心を許してくれたのかと思った彼の態度が以前に戻ってしまったようだ。一度として樟を見ようとしない。ただ強く肩を掴まれ、痛みで上がりそうになる呻きを必死に堪えた。
耀一郞の手が離れたのは、リビングのソファに座ってからだった。
「これを飲め。抗不安薬だ、軽めの処方薬だそうだ。具合はどうだ」
小さな錠剤と一緒に水が入ったコップが渡される。言われるままに飲んで、躊躇いながら喉の奥に送り込む。
「苦しいところはないか」
「はい……あの……僕はどうなったんでしょうか」
「過呼吸を起こしたそうだ。博物館で何があったんだ、言え」
命令形なのに、どうしてだろう懇願に聞こえるのは。
表情は怖いまま、いつも通りのぶっきらぼうな喋り方だというのに。
胸の奥がじんわりと熱くなる。
けれど、本当になにもないのだ。
「なにも……安井医師にも言いましたが、本当になにもありません。具合が悪そうだけど平気かって気にかけてもらったのになにも言えなくて……、お詫びもできませんでした」
声をかけてくれたベータの女性のことを思い出そうとするが、すぐに脳が拒否して境界線が曖昧なシルエットになる。声すら思い出せない。
「本当か?」
「はい……せっかく誘ってくれたのに、迷惑をかけてしまってごめんなさい」
「謝るな。辛いならもう着替えて寝ろ」
「はい」
部屋に戻って素直に着替え、布団へと潜り込む。目を閉じて身体を丸めていると、滅多に開かない扉が開いた。マットレスが僅かに沈む。
ゆるりと目を開けば眉間に皺を寄せた耀一郞の姿があった。怒っているのか心配しているのかわからないが、不安がその目に宿っていた。
「しばらくここにいる。辛かったら言え」
初めて耀一郞の大きな手が樟の頭に乗せられた。不器用に、乱雑に、髪をくしゃくしゃに掻き回される。痛いのに、擽ったくて温かい気持ちになった。
(今日の耀一郞さん、優しいな)
面倒と思われたのではと縮こまった心が不安の鎧を剥がしくつろぎ始める。苦しさに疲弊した身体が引きずられるように重くなり、ほんの少しだけ弱音が顔を出す。
うつらうつらとしたまま、小声で願望を紡いでみた。
「背中……さすってください」
病院で安井がしてくれたように背中をさすられながら眠りに入ったら、どれだけ幸せな夢を見られるだろうか。それが耀一郞ならばと夢想した。
「わかった」
丸まった背中を大きな手が布団越しに優しくさすり大きく撫でる。心地よさにうっとりとして、そのまま眠りの海の中に沈み込んでいった。
「あいつにか……」
「菊池さんの担当医の一人だ。なぁ耀一郞、お前はどうしてそんなに怒っているんだ? 時期が来たら離婚するつもりの相手だったんじゃないのか?」
期間限定の配偶者。それが誰といたところで気にしないと考えていたのは他ならぬ耀一郞だ。むしろ浮気してくれた方が好都合と嘯いていたではないか。
なのに、落ち着かない。
今も安井と二人きりでいるのだと考えるだけで頭が沸騰しそうになる。
耀一郞はなにも言えず奥歯を噛み締めた。
旧友のただならぬ様子をじっと観察した井ノ瀬は、また電子カルテに速いスピードでなにかを打ち込んでいく。
「菊池さんから実家の話は聞いたことがあるか? 虐待の跡といい今回の過呼吸といい、嫌な予感がする」
「今、調べさせている……ところで、なぜ樟を旧姓で呼んでいるんだ」
「氏名の確認をしたときに、そう紹介されたからだ。お前が小野を名乗るなと言ったんだろう、どうせ」
「違う! 私はそんな命令をしていない!」
「そうか。まあいい。落ち着いたら帰っても大丈夫だ。抗不安薬を処方しておく。ただ、通院の頻度を上げさせて貰うぞ」
意志の強さが滲み出る語気に、耀一郞は静かに頷いた。
「安井医師、迷惑をかけてごめんなさい」
「謝ることはなにもありませんよ、樟さん。ゆっくりと深く息をしましょう。浅いとまた苦しくなってしまいますからね」
優しい声音はいつもと変わらない。笑うと自然と眦が下がってしまうのも。
樟は意識して深い呼吸を繰り返した。
「……耀一郞さんはきっと呆れたと思います。面倒だと思われたかも知れません」
「…………。今日は出かけていたんですね。どこに行かれたんですか?」
「博物館に……とても大きな首長竜の復元骨格があって……耀一郞さんと出かけるのは初めてだったけど、とても楽しくて……でもそれも今回できっと終わりです」
診察室に入ってきた時の表情を思い出して目を伏せる。
あれは怒っていた。
服まで用意したせっかくの外出を台無しにしたと思っているのかもしれない。申し訳なさが樟の疲れた心を苦しめる。
「楽しかったんですね、それは良かったです。配偶者さんが離れていた間に具合を悪くしたと聞きましたが、なにがあったんですか?」
「なにも……なにもありません」
本当に、なにもない。
ただ記憶の蓋が開きそうになった、それだけだ。
樟はゆっくりと目を閉じ、はぁと詰めた息を吐き出した。先程よりもずっと呼吸が楽だ。なぜあんなにも苦しかったんだろう。原因も理由もわからないが、ずっと背中をさすってくれる大きな手は、とても心地よかった。
「配偶者さん、心配していましたね」
安井の穏やかな声が紡ぐ言葉の意味を理解できなかった。
心配?
誰が、誰を?
罵られてばかりいる自分には向けられない感情なのに、なにを言っているのだろうか、安井は。
「樟さんは配偶者さんが怖いんですか?」
「怖いかどうかは……わかりません。最近の耀一郞さんはとても優しいので……でもさすがにこんなにも立て続けに迷惑をかけてしまったので、きっと呆れてると思います。離婚……されるのかな?」
「離婚は嫌ですか?」
「……父さんと兄さんと暮らすのは……怖いです」
一度心地よい場所を知ってしまったら、もうあそこに帰りたいとは思えない。もし耀一郞に離婚を言い渡されたらと思うと、怖くて身体が竦む。
「帰りたくないんですね」
「あそこは……恐ろしいんです、誰もが……」
「そうですか。僕はそんな心配は無用だと思いますけど、もし不安なら今度の診察でご案内したい資料があるんです。だから必ずいらしてくださいね」
まだこの病院での診察を許されるのか。ホッとして、小さく頷いた。
落ち着いてから自力で歩いて廊下に出ると、待合のソファには恐ろしい形相をしたままの耀一郞が鋭い眼差しでこちらを見つめた。ビクリと肩を跳ねさせると、安心させるように背後の安井が背中を優しく叩いてくれた。
「大丈夫ですよ。でも何かあったらすぐに病院に来てください。約束ですからね」
小さく頷いて、促されるように耀一郞の前に立った。
「…………っ!」
耀一郞はなにも言わず立ち上がり、樟の細い肩を掴むと自分へと引き寄せて歩き出した。慌てて後ろを振り向いて会釈すると、安井は変わらず穏やかな笑みを浮かべて手を振ってくれた。
来たときと同じように助手席に乗せられ、車は高層マンションの地下駐車場へと入っていった。少しだけ強引に連れ出され、上階へと続くエレベータに乗る。運転している間も今も、耀一郞はなにも話し出さないので、樟も口を噤むしかなかった。
近頃、声をかけてくれくれるようになって、少しずつ心を許してくれたのかと思った彼の態度が以前に戻ってしまったようだ。一度として樟を見ようとしない。ただ強く肩を掴まれ、痛みで上がりそうになる呻きを必死に堪えた。
耀一郞の手が離れたのは、リビングのソファに座ってからだった。
「これを飲め。抗不安薬だ、軽めの処方薬だそうだ。具合はどうだ」
小さな錠剤と一緒に水が入ったコップが渡される。言われるままに飲んで、躊躇いながら喉の奥に送り込む。
「苦しいところはないか」
「はい……あの……僕はどうなったんでしょうか」
「過呼吸を起こしたそうだ。博物館で何があったんだ、言え」
命令形なのに、どうしてだろう懇願に聞こえるのは。
表情は怖いまま、いつも通りのぶっきらぼうな喋り方だというのに。
胸の奥がじんわりと熱くなる。
けれど、本当になにもないのだ。
「なにも……安井医師にも言いましたが、本当になにもありません。具合が悪そうだけど平気かって気にかけてもらったのになにも言えなくて……、お詫びもできませんでした」
声をかけてくれたベータの女性のことを思い出そうとするが、すぐに脳が拒否して境界線が曖昧なシルエットになる。声すら思い出せない。
「本当か?」
「はい……せっかく誘ってくれたのに、迷惑をかけてしまってごめんなさい」
「謝るな。辛いならもう着替えて寝ろ」
「はい」
部屋に戻って素直に着替え、布団へと潜り込む。目を閉じて身体を丸めていると、滅多に開かない扉が開いた。マットレスが僅かに沈む。
ゆるりと目を開けば眉間に皺を寄せた耀一郞の姿があった。怒っているのか心配しているのかわからないが、不安がその目に宿っていた。
「しばらくここにいる。辛かったら言え」
初めて耀一郞の大きな手が樟の頭に乗せられた。不器用に、乱雑に、髪をくしゃくしゃに掻き回される。痛いのに、擽ったくて温かい気持ちになった。
(今日の耀一郞さん、優しいな)
面倒と思われたのではと縮こまった心が不安の鎧を剥がしくつろぎ始める。苦しさに疲弊した身体が引きずられるように重くなり、ほんの少しだけ弱音が顔を出す。
うつらうつらとしたまま、小声で願望を紡いでみた。
「背中……さすってください」
病院で安井がしてくれたように背中をさすられながら眠りに入ったら、どれだけ幸せな夢を見られるだろうか。それが耀一郞ならばと夢想した。
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