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本編1
11.伝えられる想い03
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車をマンションの駐車場に停めると、すぐさま樟の細い腕を引っ張ってエレベータに乗る。目的階へと着くと、すぐさま扉を開けリビングへと押し込んだ。
この部屋に樟がいる、それだけで耀一郞は安心するのだと、改めてその存在の大きさを実感する。だが、樟は終始怯えていた。ダイニングテーブルに着き、身体を小さくしている。
そんな態度であれば、嫌な妄想が頭に埋め尽くされる。
本当はここに帰りたくないのでは。
あの施設が紹介するシェルターに駆け込もうとしていたのか。
とっくに耀一郞に愛想を尽かせていたのか。
努めて冷静になろうと耀一郞も樟の正面に腰掛けた。
「…………どうしてすぐに帰ってこなかったんだ」
だが口を出たのは責めるような言葉だった。
違う。本当に言いたいのは別のことだ。なのに、どうしても樟に対して素直になれない。嫌われたくないのに。
「ごめんなさい……」
樟は項垂れてさらに身体を小さくさせる。
「なぜあそこに行ったんだ」
「……帰ろうと思ったら、夜勤明けの安井医師に会って……NPOの見学に行かないかと誘われたんです。帰りは送ってくれると……」
「すぐにタクシーで帰ればいいだろう!」
樟がすぐに帰ってきたらこんなにも気を揉まなかった。無駄な心配をしなくてすんだ。
またしても不安が怒りに変わり、むずがる子供のように彼にぶつけてしまう、無意識に。
「ごめんなさい…………お金がなかったんです」
小さな小さな呟きにハッとした。
樟の財布はクローゼットの中の鞄にあり、彼は身一つで病院に担ぎ込まれたのだ。会計は井ノ瀬の配慮でツケになっているだろうが、カードもなければタクシーに乗るのを躊躇って当然だ。
「なら連絡をすればいいだろう。すぐに迎えに行った」
そうだ、連絡さえくれていたら……。だが樟の口から放たれた言葉に衝撃を受けた。
「電話を持ってなくて……それに、連絡先も知らなくて……」
そうだ、樟の鞄にはスマートフォンすらなく、そして耀一郞は自分の番号を教えた記憶がない。それで連絡を取れというのは無茶な話だ。
僅かに入った肩の力がストンと抜け落ちてしまった。
怒りにまかせて意地悪をした耀一郞がいけなかったんだ。またしても自分の苛立ちに囚われて樟のことを考えられなかった。
「すまなかった……」
「いえっ! あの、こちらこそごめんなさい……兄さんがひどいことを言って……もう離婚は仕方ないですよね……」
「…………なにを言ってるんだ?」
小声の謝罪の次に続いた言葉の意味がわからなかった。なぜここで離婚の話になるのだ。耀一郞を批難するならわかるが、どうして樟が謝って泣きそうな顔をして離婚を言い出すのだろう。
「父の会社がご迷惑を掛けたんですよね。契約を打ち切ったってそういうことですよね。それで兄に悪く言われて……。それに何回も入院するし……」
一度だって迷惑と思ったことはないというのに、なぜこんなにも不幸になろうとするのか。
(いや、違う。不幸であることを義務づけられたんだ、この子は。家族の歪みを隠すために)
それぞれが自分の不幸から逃れるために樟をスケープゴートにした。
贄の羊は自分に罪がないとも知らず、ただその身を差し出すのが当たり前になるだろう。すべては存在することがいけないのだと己を責めながら。
「離婚はしない……するわけがないっ!」
「でも……たくさんご迷惑を掛けてしまって……このマンションでもうるさくしてしまいました」
昨日のことを言っているのか。だがどこに樟の罪があるというのだ。勝手にマンションに入り込んだのは椋で、平和な日々を毀したのも彼だ。母の死を弟一人に背負わせてさらに嬲り続けてきたのだ。一朝一夕で許されるものではない。
そう、安井のように。
己の大切な存在を傷つけられたとき、アルファは相手が死ぬまで攻撃の手を止めない。今、耀一郞は椋を許せず、社会的な死を与えるために半日を費やし、迎えに行けなかったのだ。
「お前は被害者なんだぞっ! なぜそんなに気弱に……怒鳴ってすまない、怖がらせるつもりはなかったんだ」
「いえ……」
声を荒げるとビクリと肩を跳ね上げ、小刻みに身体が震える彼の姿が痛ましくて、昇った血を無理矢理下げた。
怖がらせたくないのに、なぜ上手くいかないのだ。自分への苛立ちがどうしても樟へと向かってしまう。いけないとわかっているのに。こんなだから樟は怯えて、心を開いてくれないのだ。
でも手放す選択肢は、ない。
ならばどうすればいいのか、わからない耀一郞ではなかった。
「お前を、大事にしたいんだ」
「…………え?」
深呼吸をして、なぜ酷く当たったのか、なぜあんなにもオメガを憎んでいたのかを伝えた。
「美濃部さんに捨てられたように思えたんだ。やっとできた家族に裏切られたと感じたんだ。それ以来だ、オメガを憎み始めたのは……。だがお前にとっては迷惑でしかない。私はそれに長らく気付かずに傷つけてしまった、申し訳ない」
「いえ……謝ってもらうことはなにもありません……お辛かったんですね」
この優しさが耀一郞をただの男に変える。計算ではなく苦しみを知っているからこそ寄り添おうとするのだろう。
「許されるならお前と一緒に居させてほしい。頼む」
頭を下げれば樟は目を白黒させた。なぜ耀一郞がこんなことをするのか、本気でわからないといった風情だ。
「好きになったんだ」
「……どうして? 僕はなにもしてません……むしろ迷惑をかけてたくさん怒らせてしまいました。そんな僕が一緒に居ていいんですか?」
「お前だから欲しいんだ。他の誰も代わりになんかならない……愛してるんだ」
ようやく名がわかった感情を伝えれば、ビクリと身体を震わせた。身を守るように細い腕がその身体を抱いた。大きな目は瞼を落とし、長い睫毛が悲壮な影を作る。
「僕は発情しません……発情しなかったら、子供はできません……欠陥品のオメガなんです」
「知っている、発情しないのは。私は子供のためにお前が欲しいんじゃない、ただお前を愛したいんだ」
ギュッと樟が唇を噛み締めた。何かに堪えるように。
「一緒にいてくれるだけでいい。お前が傍にいて笑いかけてくれるだけで私は幸せなんだ。お前の笑顔を守らせてくれ」
必死の訴えに、樟は何度も顔を上げなにか言おうとしては口を噤み俯くのを繰り返す。ギュッと自分の服を握り背中を椅子の背もたれに押しつけた。
不幸の痕跡が刻み込まれた背中。
耀一郞は立ち上がり、樟の隣に跪いた。小刻みに震える手を握り、見てくれと言葉なく希う。
「その傷跡ごと、愛していいか……違う、愛したいんだ。だめか?」
「こんなに汚いのに、子供も産めないのに……どうして……」
「言っただろう、愛したんだ。他の誰にもお前を渡したくないんだ。笑うのも泣くのも全部、私の隣でしてくれ。そして私に愛されてくれ」
「でも……」
愛されることを怖れる樟を抱き締めた。優しく、大切に。
泣くのを堪える我慢強さも、諦めてはすべてを受け入れる寛容さも持ち合わせているのに、自分を粗末にしようとする彼をただ抱き締めた。
「私がしたことを許せないのはわかっている。だからもう一度チャンスをくれ、お前に見合う男だと示させてくれ」
耀一郞の腕の中で樟は静かに抱かれ、遠慮がちにシャツのウエストを握った。
「安井医師に訊かれたんです」
その名を聞いて耀一郞の身体に緊張が走る。
「誰に愛されたいかって……僕はおこがましくも貴方の顔を思い浮かべました。いけないってわかっているのに、愛して欲しいって願ったんです」
「それはいけないことなのか?」
「怖いんです……っ! また恨まれるのが怖いんですっ! なんの役にも立たないって足手まといだって嫌われるのが……怖いんです……」
初めて樟が心の内をぶつけてくれた。きつくシャツを握り離れたくないと伝えながら。
「そうだな、怖いな。だが私は、お前に嫌われる方がもっと怖い。怒りっぽい私に愛想を尽かすんじゃないかと、怖いんだ。それでも、お前を愛するのを止められない」
樟の目元が肩に押しつけられた。じんわりと温かく、濡れていく。奥歯を噛み締めたくぐもった音が聞こえる。
(ああ、この子は声を上げて泣くこともできないんだ)
ならば自分が無邪気に泣けるようにしたい。心のままに笑えるようにしたい。
「愛してる、樟」
初めて、耀一郞は本人に向かってその名を呼んだ。
「僕も……愛してくれるなら……耀一郞さんが、いいです」
彼もまた、初めてその名を耀一郞の鼓膜へと注いだ。
「樟のすべてを愛させてくれ」
耀一郞はきつく抱き締め、痩身を持ち上げ、リビングから一番近い樟の部屋へと運んだ。
その日、二人は初めて身体を重ねた。
結婚してから間もなく一年になろうとしていた。
この部屋に樟がいる、それだけで耀一郞は安心するのだと、改めてその存在の大きさを実感する。だが、樟は終始怯えていた。ダイニングテーブルに着き、身体を小さくしている。
そんな態度であれば、嫌な妄想が頭に埋め尽くされる。
本当はここに帰りたくないのでは。
あの施設が紹介するシェルターに駆け込もうとしていたのか。
とっくに耀一郞に愛想を尽かせていたのか。
努めて冷静になろうと耀一郞も樟の正面に腰掛けた。
「…………どうしてすぐに帰ってこなかったんだ」
だが口を出たのは責めるような言葉だった。
違う。本当に言いたいのは別のことだ。なのに、どうしても樟に対して素直になれない。嫌われたくないのに。
「ごめんなさい……」
樟は項垂れてさらに身体を小さくさせる。
「なぜあそこに行ったんだ」
「……帰ろうと思ったら、夜勤明けの安井医師に会って……NPOの見学に行かないかと誘われたんです。帰りは送ってくれると……」
「すぐにタクシーで帰ればいいだろう!」
樟がすぐに帰ってきたらこんなにも気を揉まなかった。無駄な心配をしなくてすんだ。
またしても不安が怒りに変わり、むずがる子供のように彼にぶつけてしまう、無意識に。
「ごめんなさい…………お金がなかったんです」
小さな小さな呟きにハッとした。
樟の財布はクローゼットの中の鞄にあり、彼は身一つで病院に担ぎ込まれたのだ。会計は井ノ瀬の配慮でツケになっているだろうが、カードもなければタクシーに乗るのを躊躇って当然だ。
「なら連絡をすればいいだろう。すぐに迎えに行った」
そうだ、連絡さえくれていたら……。だが樟の口から放たれた言葉に衝撃を受けた。
「電話を持ってなくて……それに、連絡先も知らなくて……」
そうだ、樟の鞄にはスマートフォンすらなく、そして耀一郞は自分の番号を教えた記憶がない。それで連絡を取れというのは無茶な話だ。
僅かに入った肩の力がストンと抜け落ちてしまった。
怒りにまかせて意地悪をした耀一郞がいけなかったんだ。またしても自分の苛立ちに囚われて樟のことを考えられなかった。
「すまなかった……」
「いえっ! あの、こちらこそごめんなさい……兄さんがひどいことを言って……もう離婚は仕方ないですよね……」
「…………なにを言ってるんだ?」
小声の謝罪の次に続いた言葉の意味がわからなかった。なぜここで離婚の話になるのだ。耀一郞を批難するならわかるが、どうして樟が謝って泣きそうな顔をして離婚を言い出すのだろう。
「父の会社がご迷惑を掛けたんですよね。契約を打ち切ったってそういうことですよね。それで兄に悪く言われて……。それに何回も入院するし……」
一度だって迷惑と思ったことはないというのに、なぜこんなにも不幸になろうとするのか。
(いや、違う。不幸であることを義務づけられたんだ、この子は。家族の歪みを隠すために)
それぞれが自分の不幸から逃れるために樟をスケープゴートにした。
贄の羊は自分に罪がないとも知らず、ただその身を差し出すのが当たり前になるだろう。すべては存在することがいけないのだと己を責めながら。
「離婚はしない……するわけがないっ!」
「でも……たくさんご迷惑を掛けてしまって……このマンションでもうるさくしてしまいました」
昨日のことを言っているのか。だがどこに樟の罪があるというのだ。勝手にマンションに入り込んだのは椋で、平和な日々を毀したのも彼だ。母の死を弟一人に背負わせてさらに嬲り続けてきたのだ。一朝一夕で許されるものではない。
そう、安井のように。
己の大切な存在を傷つけられたとき、アルファは相手が死ぬまで攻撃の手を止めない。今、耀一郞は椋を許せず、社会的な死を与えるために半日を費やし、迎えに行けなかったのだ。
「お前は被害者なんだぞっ! なぜそんなに気弱に……怒鳴ってすまない、怖がらせるつもりはなかったんだ」
「いえ……」
声を荒げるとビクリと肩を跳ね上げ、小刻みに身体が震える彼の姿が痛ましくて、昇った血を無理矢理下げた。
怖がらせたくないのに、なぜ上手くいかないのだ。自分への苛立ちがどうしても樟へと向かってしまう。いけないとわかっているのに。こんなだから樟は怯えて、心を開いてくれないのだ。
でも手放す選択肢は、ない。
ならばどうすればいいのか、わからない耀一郞ではなかった。
「お前を、大事にしたいんだ」
「…………え?」
深呼吸をして、なぜ酷く当たったのか、なぜあんなにもオメガを憎んでいたのかを伝えた。
「美濃部さんに捨てられたように思えたんだ。やっとできた家族に裏切られたと感じたんだ。それ以来だ、オメガを憎み始めたのは……。だがお前にとっては迷惑でしかない。私はそれに長らく気付かずに傷つけてしまった、申し訳ない」
「いえ……謝ってもらうことはなにもありません……お辛かったんですね」
この優しさが耀一郞をただの男に変える。計算ではなく苦しみを知っているからこそ寄り添おうとするのだろう。
「許されるならお前と一緒に居させてほしい。頼む」
頭を下げれば樟は目を白黒させた。なぜ耀一郞がこんなことをするのか、本気でわからないといった風情だ。
「好きになったんだ」
「……どうして? 僕はなにもしてません……むしろ迷惑をかけてたくさん怒らせてしまいました。そんな僕が一緒に居ていいんですか?」
「お前だから欲しいんだ。他の誰も代わりになんかならない……愛してるんだ」
ようやく名がわかった感情を伝えれば、ビクリと身体を震わせた。身を守るように細い腕がその身体を抱いた。大きな目は瞼を落とし、長い睫毛が悲壮な影を作る。
「僕は発情しません……発情しなかったら、子供はできません……欠陥品のオメガなんです」
「知っている、発情しないのは。私は子供のためにお前が欲しいんじゃない、ただお前を愛したいんだ」
ギュッと樟が唇を噛み締めた。何かに堪えるように。
「一緒にいてくれるだけでいい。お前が傍にいて笑いかけてくれるだけで私は幸せなんだ。お前の笑顔を守らせてくれ」
必死の訴えに、樟は何度も顔を上げなにか言おうとしては口を噤み俯くのを繰り返す。ギュッと自分の服を握り背中を椅子の背もたれに押しつけた。
不幸の痕跡が刻み込まれた背中。
耀一郞は立ち上がり、樟の隣に跪いた。小刻みに震える手を握り、見てくれと言葉なく希う。
「その傷跡ごと、愛していいか……違う、愛したいんだ。だめか?」
「こんなに汚いのに、子供も産めないのに……どうして……」
「言っただろう、愛したんだ。他の誰にもお前を渡したくないんだ。笑うのも泣くのも全部、私の隣でしてくれ。そして私に愛されてくれ」
「でも……」
愛されることを怖れる樟を抱き締めた。優しく、大切に。
泣くのを堪える我慢強さも、諦めてはすべてを受け入れる寛容さも持ち合わせているのに、自分を粗末にしようとする彼をただ抱き締めた。
「私がしたことを許せないのはわかっている。だからもう一度チャンスをくれ、お前に見合う男だと示させてくれ」
耀一郞の腕の中で樟は静かに抱かれ、遠慮がちにシャツのウエストを握った。
「安井医師に訊かれたんです」
その名を聞いて耀一郞の身体に緊張が走る。
「誰に愛されたいかって……僕はおこがましくも貴方の顔を思い浮かべました。いけないってわかっているのに、愛して欲しいって願ったんです」
「それはいけないことなのか?」
「怖いんです……っ! また恨まれるのが怖いんですっ! なんの役にも立たないって足手まといだって嫌われるのが……怖いんです……」
初めて樟が心の内をぶつけてくれた。きつくシャツを握り離れたくないと伝えながら。
「そうだな、怖いな。だが私は、お前に嫌われる方がもっと怖い。怒りっぽい私に愛想を尽かすんじゃないかと、怖いんだ。それでも、お前を愛するのを止められない」
樟の目元が肩に押しつけられた。じんわりと温かく、濡れていく。奥歯を噛み締めたくぐもった音が聞こえる。
(ああ、この子は声を上げて泣くこともできないんだ)
ならば自分が無邪気に泣けるようにしたい。心のままに笑えるようにしたい。
「愛してる、樟」
初めて、耀一郞は本人に向かってその名を呼んだ。
「僕も……愛してくれるなら……耀一郞さんが、いいです」
彼もまた、初めてその名を耀一郞の鼓膜へと注いだ。
「樟のすべてを愛させてくれ」
耀一郞はきつく抱き締め、痩身を持ち上げ、リビングから一番近い樟の部屋へと運んだ。
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結婚してから間もなく一年になろうとしていた。
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