【書籍化進行中】不遇オメガと傲慢アルファの強引な結婚

椎名サクラ

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本編1

12.想いを重ねて03*

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12話はRシーンがあります、読む際にはご注意ください!
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 口角を上げ、その表情が雄の本能にある嗜虐性を刺激するのかと納得し、その危うさすら魅力的に感じる。
 オメガというエロティックなイメージが強い第二性バースに見合わない純真さも、臆病さも、ひたむきさも健気さも、すべてが樟の魅力だ。それを損なわせないためにどうすればいいか、これからなにをするべきか、耀一郞は知っている。
 もう二度と誰にも彼を傷つけさせないために、完全に自分の庇護下に置くことだ。

(いや、違うな。私がそうしなければ安心できないんだ)

 アルファの執着心は常軌を逸していると、同じアルファですら感じるほどに強烈で、執念深い。相手がどう思うと手に入れなければすまないそのさがは、耀一郞にも備わっていたのだ。
 厭わしいと思う一方で、父とは同じでないのを耀一郞は認識していた。
 欲しいのは樟だけだ。

 発情期がなくても構わない、ただ彼だけがこの手の中にいてくれれば充分で、それ以上など必要ない。
 そして今、耀一郞がしようとしているのは、樟を雁字搦めにして二度とこの手から抜け出さないようにする第一歩だ。同時に、自分のものだと確かめる作業。
 揺れて耀一郞を誘う樟の分身に口づけをして、躊躇うことなく口に含んだ。

「汚いっ! やめて……やめて耀一郞さんっ」

 驚いて上体を起こし手を伸ばすのを無視して、男なら誰もが敏感なくびれに下を這わせた。ねっとりと舐め上げれば、家事で少しささくれだった指がギュッと握り込まれ、くぐもった啼き声が耳に流れ込んでくる。

(もっと感じろ。何も考えられないくらい私だけを感じろ)

 言葉の代わりに行為で示せば、快楽を堪えようと細い指はシーツを握り込んだ。
 綺麗に整えられた白布に淫らな皺が刻み込まれ、一層樟を扇情的に映す。
 それでいい。
 耀一郞は容赦ない舌技でさらに煽り、溢れる分身の涙を啜った。

「こんなの……あっ! だめっでちゃう!」

 甘い悲鳴をあっさりと無視し、樟を追い立てるように頭を動かす。

「やーーっ!」

 分身を吸ったまま下を這わせての刺激は強烈だったのか、甲高い声と共に呆気なく分身からとろりと白濁が溢れ出た。しょっぱいのに甘露のように感じる白濁を飲み込み、そこから顔を離した。
 弛緩したままベッドにしどけなく倒れる樟の姿を堪能し、手にしたボトルの蓋を開け掌いっぱいに垂らす。さらさらとしていて、僅かな粘度を持つ液体を指に絡める。これだけで終わらないのは樟もわかっているだろう。

 たらりとベッドの端から落ちる細い足にキスをし、割り広げる。
 窄まった蕾が露わになり、その形をしっかりと確かめてから、指を這わせた。
 液体を周囲にまぶし、襞の一つ一つを辿るように触れてから、指の先を潜り込ませた。

「んっ……」

 こちらを弄られるのは重々理解しているというように、樟は薄い唇が僅かに開き、不快感を追い払うようにゆっくりと息を吐き出している。
 スッと耀一郞の目が細まった。

(やはりそういうことか……)

 今まで彼の身体を弄んだ奴らを一人残らず殺してやりたくなる。
 慣らすことなくここを暴き、愉悦を与えることなく「使った」のだろう。
 奥歯を噛み締め、けれど植え付けられた恐怖すら拭い去るためにゆっくりと指を挿れていく。異物に蕾はギュッと窄まり、これ以上進むことを拒むように全身に力が入る。酷いことはしないと指を止め、縮こまり横たわる分身をまた口に含んだ。

「いっ……どうしてまた……ああっ」

 愉悦しか与えるつもりはない。
 発情期でなければ濡れることのない場所をどうすれば乱れるか。しっかりと学んだ耀一郞は無理に指を進めず、分身への愛撫で力が緩んだのを見計らって抜いてから、ぬめりを再び塗布し、また指を挿れた。
 何度も繰り返し蕾に液体がたっぷりと塗されるのを待つ。その間、バタバタと暴れる足を無視して敏感な分身が白濁を飛ばさないよう根元を押さえ、ひたすら愉悦だけを与えていけば、蕾の中が艶めかしい動きを始めた。

「うっ……んん……ぁっ」

 必死に啼き声を堪えようとする樟からも時折甘い声が漏れ聞こえてくる。
 そうなってから耀一郞は指を増やし、意図した動きを持って中を掻き混ぜ始めた。
 内壁を探り、僅かな膨らみを持つ場所を探し当てると、指の腹で軽く叩く。その瞬間、樟の痩身が跳ね上がり、今までにないほど暴れ始めた。

「ひぃっ……やだやだやだ!」
「安心しろ、男なら誰もが弄られればおかしくなる場所だ。ここで感じるようにならなければ挿れられても辛いだけだ」
「でもっ……押さないでっ……出ちゃうから!」

 耀一郞の身体を押しのけようと伸ばした手は、探し当てた快楽のポイントを執拗に刺激されると元来の意図を忘れ、頑健な肩を包むシャツを握り込んだ。肉付きの悪い太腿は耀一郞の身体を挟み込み、遂情を堪えようとしている。
 耀一郞は身体を起こし、指を動かしたまま樟の痴態を眺めた。

 苦痛に耐えるにも似た表情は、上気した頬と潤んだ瞳とで、普段の庇護欲を掻き立てる頼りなさを脱ぎ捨て、扇情的とすら映る。ギッと下唇を噛んで情動を堪えなければ、すぐさまいきり勃った己の欲望をその身につき挿れてしまいそうだ。

 分身の根元を押さえつけられた樟がどれほど苦しんでいるかわかっていても、もっとこの表情を見ていたくなる。
 自分の手で今、樟が身悶えているのだ。
 耀一郞は溜まった唾を飲み込み、更に指を増やし狭い中を掻き混ぜ始めた。






 間断なくやってくる刺激に、樟は息も絶え絶えだ。
 そこを弄られるのは初めてではない。けれど、耀一郞から与えられる感覚はすべて初めてで、どうしていいかわからずにいる間に煽られ、今は遂情できない苦しさに身を捩るしかない。
 強くその場所を押されれば電流にも似た痺れが尾てい骨に沿って駆け上がり、脳を麻痺させる。嫌なのに抗えず、次第にもっとその痺れを感じていたくなる。
 腹の奥は熱が籠もり、吐き出すことばかりを考えてしまう。
 分身の根元を押さえる指がなければすぐにでも白濁を飛ばしたことだろう。

「も……ゆるして……ああっだめ!」

 声なんてもう抑えられない。
 男の喘ぎ声なんて気持ち悪いとずっと口を塞がれてきた樟は、なるべく変な声を上げないようにしてきたのに、それすらもできなくなっている。
 なによりも、そんな樟の一部始終を耀一郞は余さず見ている。羞恥心に消え入りたくなったのは初めだけで、今はもうその目がなにを物語っているのかも読み取ることができない。
 冷静にる暇が与えられないまま、ただただやってくる刺激に悶え続けなければならない。
 苦しい。
 でも、もっとほしい。
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