ツイノベ置き場

椎名サクラ

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【オメガバース】平凡なベータがスパダリアルファにビッチングされる話

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受けはベータで平凡中の平凡だった。

中肉中背で学生時代の成績もど真ん中で、社会人になっても営業成績は大して目たたず。

平凡を絵に描いたような人間だった。

平凡じゃないとするなら、試しで受けた大手企業に採用されたこと。

全部の運をここで使い切ったようなものだ。

会社でも平凡すぎて忘れられることもしばしば。

そんな受けに任されたのは重役の子である美形オメガの教育係。

だが実際には子守係で、オメガくんが気に入ったアルファを見つけて嫁に行くまでの世話係でしかない。

それでも受けは頑張ってい彼のフォローをしては変な虫がつかないように社内で面倒を見た。

重役から出るようにと言われたパーティにオメガくんを連れて行けば、すぐに好みの相手を見つけた。

有名財閥の御曹司のアルファだ。

受けの制止も聞かず猛アプローチで付きまとい、そのたびに受けが引き離しにかかるが聞きやしない。

何度も何度もアルファに謝るしかなかった。

困惑気味のアルファも受けの謝罪を受け入れるが、コンパと勘違いしてるオメガくんがお持ち帰りしようとする。

さすがにそれには厳しく怒って彼を自宅まで送り届けた。

だが次の日からオメガくんが大暴走。

アルファの会社に乗り込んでは平気で恋人だと嘘をつきアルファを呼び出そうとする。

受けは慌てて彼を会社に連れ帰り説教するが聞きやしない。

父の重役もオメガ可愛さに容認するしで全く仕事ができない状況だ。

オメガくんの暴走を食い止めて、彼が帰ってからたまった仕事をしてと、受けはボロボロになっていった。

上長が色々と手を打って仕事を減らしてくれるが、心身ともに疲弊していた。

どんなに受けに説教されても憤慨するばかりのオメガくん、アルファもちっとも靡いてこなくてプライドが傷つけられていた。

絶対にあのアルファを自分のものにするんだと策を練る。

受けに命令して会席を設けさせそこにアルファ用の媚薬を盛った。

アルファは見事に引っかかったが、なぜか襲われたのは受けだった。

媚薬でラット状態になったアルファは受けの服を脱がしては、オメガくんの前で彼をずっこんばっこん。

興奮しすぎて何度もうなじを噛んでしまう始末。

興奮が治まると何度も受けに謝ったが、その横でオメガくんが受けを叱責して殴ってくる。

「これ以上彼を傷つけるな!」とオメガくんに怒るが「こいつがいなかったら俺がつがいになってたのに!」と喚く喚く。

無理矢理やられてあちこち噛まれた受けは抵抗もできなかったが、守るようにアルファに抱きしめられた。

「お前なんかパパに言ってクビにしてやる!」

さすがにアルファはそれに怒った。

すぐさま会社にクレームが行き、重役がオメガくんを回収しに来る。

何度もアルファに謝るがボロボロの受けには冷たい視線を送るばかり。

運がなさ過ぎだと泣きたくなった受け。

スーツもシャツもアルファに引き千切られとてもじゃないけど着られない。

せっかくの一張羅がと泣くしかなかった。

「君には済まないことをした、責任をとらせてくれる」

アルファはもっと傲慢な人種だと思っていた受けは驚いた。

「犬に噛まれたと思って忘れます、気にしないでください」と告げるが聞き入れてもらえない。

まずはと破けた服の代わりが届けられた。

これで帰れると安堵したが、そのまま知り合いだという病院に連れて行かれ、お尻に指とか器具とか突っ込まれて検査された。

塗り薬を処方されたが、心的ダメージが大きすぎてへろへろの受け。

そのままなぜかアルファの家に連れて行かれて甲斐甲斐しく世話をされ、一層恐縮してしまう。

週末をかけて傷を癒し(なぜか「自分の責任だから」と局部に薬まで塗られた)、なんとか月曜から出社するが、周囲がよそよそしい。

始業するとすぐに重役から呼び出された。

「教育係なのに教育がなってない‼️」と叱責を受け、あれもこれもダメ出しされて落ち込む。

受けなりに精一杯仕事には真摯に向き合ったのにと悲しくなった。

「こんな無能は我が社には不要だ‼️もう来なくていい‼️」

クビ宣告をされ、荷物をまとめろと怒鳴られた。

涙目で先に戻る受けに周囲は見向きもしない。

グズグズに泣きながら荷物を入れた段ボールを抱えて会社を出た。

自宅に送る手配を総務にお願いしたが、重役の命令でと断られたからだ。

会社の前でばったりアルファと遭遇。

泣いてたのをめざとく気付くと尋問してきた。

怖くて一部始終を話すと、怒り狂ったアルファが荷物を自分の秘書に持たせ、受けの腕を引っ張って会社に入っていった。

着いたのは社長室。

オメガくんの数々の迷惑行為、そして週末の犯罪行為に対するクレームに受けの解雇が追加された。

初耳の社長はびっくりしてすぐに重役を呼び出した。

重役は罪を受けになすりつけてオメガくんを守ろうと目論んだが、まさか社長に知られる結果になったことに焦った。

言ってることがコロコロと変わるのに社長とアルファが怒りだし、受けの無罪が証明された。

息子可愛さではあるが企業人にあるまじき行動を取った重役は罰を言い渡された。

だが最後まで全部受けのせいにしようと足掻き続けた。

これには受けも怖くなった。

受けの様子にいた早く気づいたアルファが、逆恨みが怖いからとまたしてもアルファのマンションへと受けを連れ帰る。

「ここは安心だからしばらくいればいい。ほとぼりが冷めたら出社しても問題ないと思うが、あのままあそこに勤めても辛いだけだと思う」

「せっかくは入れたのにぃぃぃ」

悲しくて泣き崩れる受けをなぜか抱きしめヨシヨシしてくるアルファ。

「我が社でよければ迎え入れたいんだがどうだろうか」と予想外の提案をしてくる。

いくら責任を取るとはいえやり過ぎだろうと思ってしまった受けは慌てて断った。

「君はとても奥ゆかしいね、大和撫子と呼ぶにふさわしい」

いや、俺はベータで男ですと言いたかったが、開いた口が塞がれて言葉にできなかった。

今まで経験したことがないほどの濃厚キスをされ呆然としてしまう。

「君を独り占めするにはどうしたらいいんだろうね」なんて女の子を口説くようなことを囁かれ、服を脱がされていく。

「だめです!まだ、その……傷治ってないので」

慌てて口にした言い訳がへっぽこすぎて泣けてくる受け。

「そうだったね、ここの傷が良くなったら今度は気持ちよくさせようと」

なにをですか!

突っ込みたいのにじくじくと痛む蕾の周りを押されて変な声しか上げられなかった。

重役親子の復讐が怖くて仕方なくアルファのマンションにお世話になった。

せめてもの罪滅ぼしに料理を作ったり洗濯をしたりと家事で返そうとした。

一人暮らしが長いので一通り苦もなくできる受けに感動したアルファは「君ほど私の理想とした妻はいない」と口説いてくるがのらりくらりと躱しては「ベータなんで妻になれませんし子供もできませんよ」と伝えるが聞き入れてくれやしない。

どうしたらいいんだろうと困り果てる受け。

薬は相変わらずアルファが塗るし、ついでとばかりに中をぐちゅぐちゅに掻き回されていく。

気持ち悪かったのが回を追うごとに変な気持ちになってくる。

二週間分と処方された薬を一週間で使い切り、なぜかさらに追加されてて困惑しながらもおとなしくマンションで過ごした。

「傷も治ったしほとぼりが冷めたと思うので家に帰ります」と挨拶した途端、アルファに壁ドンされ「帰すわけがないだろう、こんなに口説いてるのにまだ私の本気がわかってないようだね」とあの濃厚なキスをされる。

当然腰は砕けてまともに立っていられなくなる。

そのままベッドに運ばれ服を脱がされる。

なぜか秘書が道具一式を枕ものにセッティングしていった。

暴れようとしても優位体のアルファに中肉中背のベータが敵うはずもなく、前回には披露されなかったテクニックでグズグズにされ、中までぐちゃぐちゃにされて受け入れてしまう。

あんなに痛かった前回が思い出せないほど気持ちよくて、受けは狂うほど感じてしまう。

「私を受け入れられないのはベータだというなら、君の体を変えてしまおう」

何を言ってるのかわからず、ただただよがり狂う。

それからアルファは毎晩のように受けを抱いた。

たっぷりの愛情を注ぎ込んでくるアルファに、受けもドロドロに感じてしまう。

抱かれている間は気持ちよくてそれしか考えられなくなる。

そして平常時は隙あらば口説いてくるアルファに少しずつ絆されてしまう。

こんなに愛されるのも悪くないかも……男同士だが気持ちいいのは実証済みで、もしかしたら人生初にして最後のモテ期かもしれないと考えるようになった。

そうこうしてる間にアルファのマンションに泊まって二ヶ月が経った。

そろそろ郵便物が気になり始めた。

ちょっとだけなら、とマンションを出て自宅に戻る。

受けは悲鳴を上げた。

郵便受けには生ゴミが入れられ、扉にはデカデカと「クソビッチ」とか「泥棒猫」とかペンキで書かれてある。

さすがにひどすぎると警察に電話しようとしたところで後ろから殴られた。

「お前のせいでパパが会社をクビになった‼️お前のせいでー‼️」

あのオメガくんが力一杯殴ってきた。

中肉中背なのにこの二ヶ月ベッド以外でまともに動いてない受けは痛みに蹲る。

オメガってこんなに力があるんだと痛みを必死に堪える。

「責任取ってあのアルファの家に連れてけ‼️」

嫌だと思った。

アルファに愛されるのは自分がいいと思ってる事実に驚いた。

誰かにおいそれと譲るなんてできない。

「あの人は…俺のものだ!」

自覚して叫んで、そして体が熱くなるのを感じた。

心音がうるさいくらいに鼓膜を叩く。

「ちょっ……お前ベータじゃなかったのかよ」

さすがにオメガくんには何が起こったのかわかったが受けはわからないまま熱い体から発せられる熱に悶えた。

頭の中が抱いて欲しいでいっぱいになる。

「これはどういう……もしかして成功したのか?」

受けにつけたGPSが動いたことに慌てて駆けつけたアルファはすぐに受けを抱き上げた。

「こんなに甘い匂いは初めてだ、とても我慢できない‼️」

オメガくんの存在なんて無視して受けの部屋に入り、すぐさま覆い被さった。

アルファの存在に気づいた受けも、「いつもみたいに気持ちよくして……いっぱい中に出して」

なんて言うもんだから理性はあっという間に消失してひたすら抱いた。

受けもいつもと違った感覚に悶えては気持ちよくなってもっともっととおねだりしちゃう。

うなじも背中もいっぱい噛まれて歯形がくっきりで痛々しいのに、受けは嬉しくて「もっと噛んで……いっぱい出して」と煽るから一回で終わらず、やっとアルファがラット状態から脱したのは次の日の夜だった。

飲まず食わずでずっとしてた受けは意識を飛ばしていた。

「これで番いになれた、君の全部は私のものだ」

うなじの歯形にキスして、シーツでくるんだ受けを抱き上げ部屋を出た。

優秀な秘書が待機し、車の扉を開ける。

二人が出た部屋にすぐ引っ越し業者が入り荷造り作業が行われた。

発情の間、満足する以上に満たされた受けは、改めてアルファの告白を受け入れるのだった。


が、なぜか婚姻届が用意されてるわ、結婚式は一ヶ月後に決まってるわで全部仕組まれたのではと思わずにいられなかったが、アルファからオメガくんの尻拭いで一生懸命謝っては厳しく時に暖かく指導する受けの姿に好きになったと告げられ受け入れてしまうのだった。



おしまい
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