ツイノベ置き場

椎名サクラ

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【お題】「今だけ……」

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「済まん」

そう言って抱きしめてくる幼馴染みは腰だけを激しく振り続けてくる。一度放たれた白濁が潤滑剤となって蕾の中を蹂躙するのに、文句の一つも言えないまま、自分でも信じられない甘い声を奏で続ける。

おかしい、なんでこうなったんだ。

埃臭い蔵の奥。締め切った中には古い調度品が無造作に置かれ、埃を積もらせている。忘れ去られたこの場所には、古の名残の座敷牢があり、面白がって薬棚にあった香を焚いてみた。

それからだ。

意識ははっきりとしているのに、欲しくて欲しくて堪らなくなった。互いに服を毟り取り欲望を擦り合わせ何度か蜜を放ったが治まらず、終いには組み敷かれ男を受け挿れ悦んでいる。

もっとと求めるように中を窄ませると腰の動きが乱暴になった。

「煽るなっ」

叱責は色を含み、鼓膜から流れ込んで背骨を溶かす。

「今だけ……」

今だけ、今だけは自分を求めてくれ。この卑しい身を愛してくれ。来月、式を挙げる前にずっと恋い焦がれたお前に抱かれていたい。

伝えたくて、代わりに嬌声で隠す。

激しさにしたたる汗が顎を伝い自分の胸元に落ちてくるのにも感じ、背中を仰け反らせた。

「あっ」

「煽るな……くそっ」

頭部を抱き込まれ、酷く愛されていると錯覚に陥る。自らもはしたなく幼馴染みの腰に足を回し腰を振った。もっともっとと獣のように欲しがり続ける。

香はもう煙を上げないというのに、交わる音だけが夜が明けるまで続き、二つの身体がようやく離れた。しとどに蕾から蜜が零れ落ちる。

悲しくて、蕾に力を入れて留まらせようとしても、開かれ続けたそこは戦慄くばかりで締まりはしない。

幸せだ。

事故でも、好きな人に抱かれたなら、これをよすがに生きていける。

そう思っていたのに、幼馴染みは立ち上がりまた薬棚から香を取り出した。躊躇うことなくそれに火を点ける。

「済まん、もうお前を離してやれない……ずっとここに縛り付ける」

「な……んで?」

「一度抱いたら歯止めが利かない。ずっとお前が好きだったんだ」

「…………うそ、だろ……」

香の香りが鼻腔を擽り、深く肺いっぱいに吸い込んだ。

弛緩した身体が再び燃え上がっていくが、もう指一本動かせない。あれほどこの身に白濁を放ったというのに、幼馴染みがまた覆い被さってきた。ずるりと力を持ったものが挿ってくる。

「ぁ……」

「俺だけに感じろ」

暗い蔵の中、香の煙が嬌声の度に揺らめいていく。
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