虚羽化人間CHAOS

大秦頼太

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第八話

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主な登場人物
梶間一郎:17歳。虚羽化人間カオス。
倉持エイコ:71歳。製薬会社グラックスの筆頭株主。
鈴峰カオル:製薬会社グラックス社員。女性。29歳。カマキリと人の虚羽化人間キュラマンティス。
米山:製薬会社グラックスの営業マン。26歳。
鈴木:製薬会社グラックス社員。25歳。
荒幡トオル:製薬会社グラックス専務。27歳。火蟻と人の虚羽化人間。
橋立:36歳。刑事。
田村彦二:42歳。喫茶タームのマスター。
田村珠恵:13歳。彦二の娘。
梶間恵理子:死亡。梶間一郎の妹。蛾と人の虚羽化人間になるがカオスに捕食される。
梶間陽子:一郎と恵理子の母。大作とは離婚している。行方不明。
梶間大作:製薬会社グラックス社長。一郎の父。

●山小屋・朝
   山小屋の後ろから、中型自動二輪を押してくる倉持エイコ。それを驚きの表情で迎える一郎。

倉持「あなた免許は?」
一郎「持ってません」
倉持「じゃ、あなたが後ろね」

   倉持はバイクをその場に停めると小屋の中に戻り、ヘルメットを一つ持ってくる。

倉持「途中で一つ買いましょう。それまでは……」

   倉持はあぁ、と手を叩く。

倉持「あなた昨日のアレになりなさいよ」
一郎「アレ?」
倉持「なんか黒い奴よ」
一郎「目立ちすぎますよ」
倉持「あら、以外に気が小さいのね」
一郎「襲われるかもしれないって思っただけですよ」
倉持「ほら行くわよ」

   一郎の話を聞かずにバイクにまたがっている倉持。

●ファストフード店
   店内。米山と鈴峰が向かい合って座っている。どちらも不機嫌そうな顔をしている。ドリンクだけの二人を、変な目で見る人々。

客A「あそこのカップル、なんか訳アリっぽくない?」
客B「別れ話とか? うわぁ」

   そんな声を気にしつつ、米山は鈴峰を見る。

米山「教えてください」

   鈴峰は、ため息をつく。

鈴峰「はぁ、もっとお金かけなさいよね」
米山「荒幡さんとの関係は?」
鈴峰「あんた彼女いないでしょ?」

   うっと言葉をつまらせる米山。鼻息荒く言葉をつなげる。

米山「ごまかさないでください」
鈴峰「まぁ、不満は残るけど、約束だから仕方ないわね。トオルとは大学病院で一緒だったのよ」
米山「饗応ですか?」
鈴峰「違うわ。私たちは、東栄の医学部の学生だったの」
米山「東栄ですか……」
鈴峰「で、彼が私の男を殺したの」
米山「え?」

   鈴峰、ドリンクを飲む。

米山「嫉妬ですか?」

   真面目な米山の顔に対し、鈴峰は大爆笑をする。

鈴峰「違うわよ。あなた本当に面白いわね。トオルはね、指導医に嫌がらせを受けていたの。指導医よりも能力も知識も上にいる学生なんて気味が悪いでしょ?」
米山「はぁ」
鈴峰「その指導医が私の男。本当に陰湿な奴で、そこがたまらなく好きだったんだけどね。ことあるごとにトオルの邪魔をしたり嫌がらせをしたり、本当にひどい男だった」

   鈴峰は愛おしそうに懐かしげに微笑む。
   米山は唾を飲み込む。

米山「どうやって殺したんですか? 刺したんですか?」
鈴峰「自殺させたのよ」
米山「え?」
鈴峰「鳥の羽を一枚ずつ捥いでいくように、ひとつずつ自信を失わせて、技術を劣化させて、彼を無言で追い込んで行ったの」
米山「そんなことが出来るわけが」
鈴峰「そうね。でも、トオルは彼のお葬式で私に笑っていったのよ。あいつ意外にしぶとかったよって」

   鈴峰は顔を伏せて小刻みに震える。オロオロする米山。

米山「あ、あの……」

   鈴峰が突然、笑い上げる。

鈴峰「あっはっはっはっはっは! その顔が本当に悪魔的で、私は男の顔を忘れちゃったのよ。全然、思い出せなくなっちゃったのよ。でね、目の前にいるトオルを見て、こう感じたの。この男だ。私を満足させてくれるのはこの男、荒幡トオルしかいないってね」

   あまりのことに言葉がなくなる米山。

米山「そ、そうですか」
鈴峰「そうよ。そのあと大学を除籍にされて、どこに行っちゃったかも分からなくなって。それが偶然にも、3年前に再会したの。ひどく弱っていてね。どうやって死ぬのかと思って、家に持って帰ったの」
米山「え」
鈴峰「そうしたら、化け物になるでしょ。もう本当に快感だった」
米山「いつ虚羽化人間に?」
鈴峰「そのすぐあとよ」
米山「研究所はもうなかったはずです」
鈴峰「だけどアンプルを持っていた。カマキリのね」
米山「嘘だ」
鈴峰「かくまう人間が、普通の人間だと万が一の時、食べてしまうことがあるからって言っていたわ」
米山「あなたはそれでよかったんですか?」
鈴峰「あなたはこの力に否定的なのね?」
米山「当たり前です」
鈴峰「でも、戻れないわよ?」
米山「戻って見せます」
鈴峰「無理よ」
米山「絶対に、人間に戻ってみせます」
鈴峰「どうしてあんなに弱い生き物になりたいのよ」
米山「僕は人間だからですよ」
鈴峰「あなたが? どこがよ?」

   鈴峰の口元が、薄く笑う。

●グラックス
   正面入り口に2人乗りバイクがやってくる。2人組はバイクを降りるとビルを見上げる。それぞれヘルメットを取ると、一郎と倉持。

倉持「ここも変わらないわね」

   はき捨てるように言うと、倉持はさっさと中に入っていく。遅れないようについていく一郎。

●社内・メインホール
   異色の2人組にゴツイ警備員が近づいてくる。

警備員「ちょっと」
倉持「何かしら?」
警備員「何かしらじゃない。何だ? お前たちは」
倉持「前会長の倉持エイコです。現在も筆頭株主ですが何か?」
警備員「何?」
倉持「ついでに言うなら、荒幡トオルの祖母でございます」
一郎「荒幡トオル?」
警備員「し、失礼しました。すぐに確認をしますので」
倉持「必要ないわ」
警備員「し、しかし」
倉持「だって、こんなおばあさんと、こんな顔色の悪い子供よ。何も出来るわけないでしょうに」
一郎「子供って……」
警備員「決まりですので」
倉持「仕方がないわね。じゃあ、社員食堂でも行って待ってるわ」
警備員「それも……」

   返事を待たずに倉持は進みだす。一郎も、それについていく。

一郎「いいんですか?」
倉持「どうせあそこで待っていたら、居留守を使われるだけよ」

●社員食堂
   外の眺めが気持ちいい窓際に座る一郎と倉持。

倉持「何食べる?」
一郎「何も。食べ物は受け付けないんで」
倉持「難儀な人ね。蜂蜜でも貰ってあげましょうか?」
一郎「……どうも」
倉持「とんでもない甘党よね」
一郎「そういうわけじゃ」
倉持「……糖分はすぐエネルギーに変わるからでしょ?」
一郎「そうなんですか?」
倉持「最近の学校って、何教えてるのかしらね」

   注文をする倉持。

一郎「俺、学校には行ってないんです」
倉持「あら、可哀相に」
一郎「父が研究ばかりしてて、僕ら兄妹は母に勉強を教えてもらいました」
倉持「お父さん研究者だったの?」
一郎「はい。饗応大学で遺伝子工学を研究していました」
倉持「あなた、大作の息子だったの?」
一郎「知ってるんですか?」
倉持「知ってるも何も、彼がまだ学生の頃、海外でちょっとした事件があってね。子供にこんなことを言うのもアレなんだけど、相当ひどい人体実験をしてたのよ、彼」
一郎「人体実験?」
倉持「そう。人の欠損した遺伝子に、動物の遺伝子を融合させて、運動機能を復活させるとか、なんかそんな感じの実験よ」
一郎「父なら、ありえますね」
倉持「田村っていう研究員と一緒にクローン技術の実験もやっていた話もあるわね」
一郎「クローンですか?」
倉持「遺伝子の異常が、クローンにも引き継がれるのか? とか、そういうことみたいね」

   紅茶と蜂蜜が運ばれてくる。

倉持「で、今そのご両親は元気?」
一郎「おばあさんの……」

   テーブルの下から、一郎のすねを蹴る倉持。

一郎「いて!」
倉持「エイコさん。または、ご主人様と呼びなさい」
一郎「エイコさん」
倉持「なにかしら?」
一郎「お孫さんの名前は、荒幡トオルっていうんですよね?」
倉持「そうよ」
一郎「饗応大学の研究所にいた人ですか?」
倉持「饗応? 東栄だったはずだけど」
一郎「そうですか」
倉持「それがどうしたの?」
一郎「数日前にそう名乗る男と話をしました」

   倉持の眉が寄る。

一郎「声だけだけど」
倉持「もう疑いようが無いようね」

   鈴木が2人の前にやってくる。

鈴木「荒幡専務がお会いになるそうです」
倉持「あら? あの子、社長じゃなかったの?」
鈴木「それは……」
倉持「案内して」

   立ち上がる倉持。釣られて立つ一郎。

鈴木「一郎君はここで待っていてください」
倉持「いいのよ来なさい」
一郎「鈴木さん」
鈴木「久しぶりだね」

   一郎から顔を背けるように会話をする鈴木。

一郎「あなたもですか」

   一郎の周囲に闇が集まりだす。

鈴木「やめておくんだ。ここでは人の目がある」
倉持「2人とも落ち着きなさい。話し合いに来たのよ」
鈴木「失礼しました。ご案内します」

●社内・廊下
   鈴木に連れられて歩く一郎と倉持。

倉持「どうもあなたは頭と身体が離れているようね」
一郎「え?」
倉持「人殺しをしたくないなんて言ってるけど、彼を見て、すぐ殺そうと思ったでしょ?」
一郎「それは……」
倉持「心を大事にしたいのなら、欲求を受け入れてはダメよ」
鈴木「僕は人を襲ったことはありませんよ」
倉持「ほらね。平和的な人もいるじゃない」
一郎「はい」

   荒幡の執務室の前で足を止める3人。

鈴木「こちらです」
倉持「ありがとう」

   離れていく鈴木。
   ドアを見る一郎。

●執務室内
   ソファーに座っている一郎と倉持。
   少し離れたところに立っている荒幡。その顔は笑顔に満ちている。

荒幡「最近、予想外なことばかり起きて、楽しくて仕方がないですよ」
倉持「素敵なプレゼントを受け取りましたけど、どうお返ししたらいいかしら?」
荒幡「いらなければ捨ててください。もっとも、もう生きてないでしょうが」
一郎「人の命を何だと思ってるんだ!」
荒幡「人の命は命さ。それほど大事にされるものでもない。他の生命と同じさ」
倉持「落ち着きなさい」

   倉持は一郎を制止し、荒幡をにらみつける。

倉持「トオル、あなたの目的は何かしら?」
荒幡「会社の拡大ですよ」
倉持「戦争でもする気?」
荒幡「まさか」
倉持「人類を敵に回して勝てると思っているの?」
荒幡「やり方にもよりますよ」
倉持「そうやって勝ち取ってどうする気なの? 日本だけ自分のものにしても今度は世界中が敵になるのよ?」
荒幡「祖父母様、この地球でどこにでもいる人間が、誰もやったことがないのは何だと思いますか? それはただの人間には決して出来ないんですよ」
倉持「もう少し大人だと思っていたけど、あなたは子供のままね」
荒幡「僕は、やり遂げて見せますよ」

   倉持、立ち上がる。

倉持「一郎。行くわよ」
一郎「は、はい」
荒幡「一郎君。君もこっち側の人間だろう? 教授が反対しても僕はいつでも歓迎するよ」
倉持「彼は人間よ」
荒幡「そうですね。姿だけは」

   意味ありげに笑顔を向ける荒幡。
   出て行く一郎と倉持。
   荒幡、電話の受話器を取り、内線をかける。

荒幡「見張りをつけて、人気のないところで処理しろ」

   荒幡、受話器を置く。

荒幡「梶間親子には、そろそろ退場してもらおうか。もう必要な物は手に入れた」

●グラックス正面玄関
   一郎と倉持が出てくる。

倉持「ちょっと早まったかしら?」
一郎「え?」
倉持「あの子はもう人間ではなくなってしまったのね」

   バイクに近づく2人。

一郎「僕はどうすればいいんでしょうか?」

   倉持、一郎にヘルメットを投げつける。あわてて受け止める一郎。

倉持「あなたは私を守ればいいの」
一郎「え?」
倉持「あなたは危なっかしいのよ」
一郎「僕が?」
倉持「あなたは同族嫌悪が強すぎる。それは危険よ。その反動が人間に向いたとき、あなたは人類の敵になるわ」
一郎「人類の敵」
倉持「だから、私が鍛えてあげる。見なさい」

   倉持は、グラックスのビルの最上階を指差す。
   一郎もビルを見上げる。

一郎「何を?」
倉持「人間として世界を救うのよ」

●アパート
   橋立の住んでいるアパート。築50年の木造。ぼろい。

●橋立の部屋
   薄暗い部屋につけっぱなしのテレビ。脱ぎ散らかした服。その中に埋もれるようにして寝ている橋立。

アナウンサー「……続いては、第八建設株式会社社長結城春樹さんが殺害された事件です。昨日深夜頃、結城さんの自宅から悲鳴が上がり、家族が駆けつけたときには結城さんの姿はなく、1時間後、自宅から4キロ離れたところでバラバラになっている結城さんが発見されました。警察では、付近をくまなく捜索していますが、特に目立った目撃情報もなく現在も犯人が分かっておりません」

   目を開ける橋立。

アナウンサー「第八建設は、国内のリゾート建設を行う大手で、社長の結城氏が一代で築き上げた会社です。政治家との関係も深くバブル期には強引な地上げなども行っていたとのうわさもありました」
橋立「社会のゴミが、一人減ってよかったじゃねぇか」

   起き上がる橋立、テレビに駆け寄る。

橋立「待て、今のニュースもう一回!」
アナウンサー「続きまして可愛いペットの話題です」

   崩れ落ちる橋立。

橋立「あぁぁ、もっと早く起きればよかった」

   テレビに映し出される子猫の映像。

橋立「殺人のあとに出す話題じゃねぇだろうに。この国は本当に狂ってるよな」

   画面に釘付けになる橋立。

橋立「……カワイイなぁ」

●街中
   学校帰りの珠恵が歩いている。その前方から、倉持と一郎の乗ったバイクが走ってくる。
   すれ違う珠恵とバイク。
   バイクの後ろの人間が、前の人間の肩を叩き、止まらせる。
   バイクから降りた一郎が、ヘルメットを脱いで珠恵に呼びかける。

一郎「恵理子!」

   振り返る珠恵。不思議そうな顔を向けているが、あっと気がつく。

珠恵「あ!」
一郎「生きて……」

   走りかけた一郎の脚が、止まる。珠恵が走ってくる。

珠恵「無事だったのね?」
一郎「違う」
珠恵「え?」
一郎「恵理子じゃない。すみません人違いでした」
珠恵「私よ、忘れちゃった?」
一郎「恵理子は、死んだんだ。君は恵理子じゃない」
珠恵「大丈夫? 私は珠恵。田村珠恵」
一郎「田村珠恵……」
倉持「一郎、行くわよ」
一郎「はい」

   ヘルメットをかぶってバイクの後ろに乗る一郎。呼び止める珠恵。

珠恵「待って!」

   一郎の頭が後ろを振り返る。

珠恵「私のうち、喫茶タームってお店やってるから、なにか困ったことがあったら遠慮しないで来てね!」

   走り去っていくバイク。それを切なげに見つめる珠恵。

●喫茶ターム
   外の扉にCLOSEの看板。

●彦二の部屋
   写真を見つめている彦二。

彦二「陽子さん」

   廊下から誰かが走ってくる足音。彦二は写真を伏せる。
   ドアを開く珠恵。

彦二「どうした?」
珠恵「またお母さんの写真見てたの?」
彦二「まあね」
珠恵「ふうん」
彦二「何の用だい?」
珠恵「見つけた」
彦二「何を」
珠恵「あの人よ」

   ギクリとする彦二。

彦二「一郎君を見つけたのか」
珠恵「一郎っていうんだあの人」
彦二「彼にはかかわらないほうがいい」
珠恵「何で?」
彦二「彼は人間じゃない」
珠恵「大丈夫? 今日休みでよかったね」
彦二「彼は、本当に人間じゃないんだよ」
珠恵「そんなこと言って、私が本気にすると思ってるの?」
彦二「彼の父親と私は、クローン技術を研究していた。人には言えないようなひどい実験もしてきた。そこで彼の父親は、人類の新しい可能性を見つけ出した」
珠恵「ちょっと待って、えーと」
彦二「昔のことを話すのは、もっと後がいいと思っていたんだが、彼に近づいてはいけない」
珠恵「どうしてよ?」
彦二「梶間は、カオスを使ったんだ」
珠恵「カオス?」
彦二「そう。動物実験では、カオスは不完全だった。検体を食いつぶしていったからね。けれど、梶間は諦めていなかったんだな」
珠恵「何の話よ?」
彦二「時代は違っても、学者の目標はあまり変わらない。金を作ることと不老不死。梶間は不老不死を研究していたんだ」
珠恵「もう、つくならもっとましな嘘つきなよ!」

   珠恵、通学バッグを床に叩きつける。彦二、ぎこちなく笑う。

彦二「……そうだね。ちょっと荒唐無稽すぎたかな?」
珠恵「バカ」

   珠恵は、あきれ返って部屋を出て行く。

彦二「だけど」

   彦二はドアの先を眺める。

彦二「梶間は君を殺したんだよ」
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