17 / 23
DREAM EATER 16
しおりを挟む
初老の男について小屋の中に入って行くと、屋内は以外なほど現代風だった。
「まぁ、休憩は慣れている日常の物を使ったほうがやりやすいからな」
男はそう言って手前にある椅子に座るように言ってきた。ダイニングテーブルの側の椅子に腰掛ける。
「コーヒーでいいかな? 紅茶が良ければすぐに味を変えてやるが?」
「コーヒーでいいです」
返事を返すと男は頷いた。そして、こちらの向かい側の席につく。
「君はこのゲームを楽しんでいるかな?」
「そうですね。いろいろありましたけど今は楽しんでます」
「人は殺したかね?」
「連合パーティー同士の戦いで何人かロストさせました。だから、たぶん殺してるかも」
「そうか。だが、大勢の者が手を下したのなら少しは気が楽だな」
「そうでもないですよ。ふとした瞬間に思い出すこともあるし」
「お前はどんなゲームが好きだ?」
「ライトアイとかキャッスルヘブンです」
「洋ゲーか。日本のはやらないのか?」
「やりますけど、なんか趣味が合わなくて」
「そうか」
「カワイイとかストーリーとか割とどうでもよくて、ライトアイなんか世界の果てが無いじゃないですか。ボスだって一定時間経つと復活するし」
「あれはいいな。ただ弱いまま復活されても面白くなかった」
「おじさんもそう思います? 僕もそう思ってたんですよ」
「だからここでは強くなって復活することになっているんじゃ。おっと、これは内緒だった」
「おじさん何の人なんですか? 関係者?」
「ゲートキーパーといういわば門番だよ。お前、ドリームキャッチャーについてどれくらい知っている?」
「他人の夢を体感できるって言うことくらいです」
この返答に男はこちらを見て馬鹿にしたように笑う。
「何も知らないということか」
「まあ、そうですね」
「そうふくれるな。ドリームキャッチャーのシステムを使っているこのゲームは一体誰の夢を元にしているのか。お前は考えてみたことがあるか?」
「ないです」
「ま、普通はそうだろうな。ここは基本的にはワシの世界なんだ」
「え」
「まあ、驚くだろうな。それもそうだ。あぁ、でも安心しろ。ワシが見た夢がそのままここに反映されるわけではないからな。ワシからメインコンピューターに改変コードを指示しそれが戻ってくることで世界が少しずつ広がっていくのだ。運営側の要望も流れてくる。それを受け入れるのも拒否するのもワシの自由だ」
「じゃあ、この世界の神様じゃないですか!」
「いや。ここには神はおらんよ。いや、いるか。人間の深い暗い部分にいる神だな。死神だ。お前、このゲームはある特殊任務を与えられておるんじゃ」
「特殊任務?」
「このThe Varkだが、開発にはとても巨額な金が必要でな。一企業や大学だけではとてもではないが無理だ。自由度の高いバーチャルリアリティゲームを作るのにこれほどのものはないのにな。もうどうにもいかなくなった時に行き詰まっていた我々に政府が声をかけてきたんだ」
「国が?」
「うむ。お前、この国の死刑がどんなふうに行われるか知っているか?」
「話が飛びましたね。死刑ってなんか首吊りですよね?」
「もっと学ばないといかんな。情報は常に三方向から入れる努力をしろ。だが、どんなに気をつけていても偏ることを覚えておけ。主観、客観、鳥観だ」
なぜ、このおじさんに説教をされているのか理解に苦しむ。だが、この世界を作っている神様だと思うと、その言葉は大きかった。
「この国の死刑は絞首刑だ。首吊りとは違う。首吊りは基本的に縊死か窒息だが、絞首刑は重力を利用して頚椎を断ち切る。いわば首の落ちない斬首刑なのだ。ただ、首と胴がつながっている分、しばらく生きているものもいるそうだが。そのためにそれを理解している刑務官の心労ははかりしれんと言うのだ」
それがこのゲームと何の関係があるのだろうか。
「その昔、フランスでは首にかける縄の長さと死刑囚の体重の比率を細かく計算していたという。いい加減な計算で行われた処刑では、頚椎を断ちきれずに窒息死するまで死刑囚がもがき苦しんだとか、縄が長すぎて重力の力がかかりすぎ首が飛んだことがあるという」
なぜこの人はこんな話を実に楽しそうにするのだろうか。
「ああ、話がそれたな。今現在でも死刑執行時には刑務官へのストレスを和らげるためにボタンを3つにしてボタンを押す刑務官も3人にして誰が本当の執行ボタンを押したのかがわからないシステムが採用されておる」
話はそれたままだ。戻ってこない。
「死刑執行はいずれしなければならない。刑務官は苦しむ。犯罪被害者の遺族は一瞬で死刑囚の生命が絶たれることをおそらく知らない。窒息でもがき苦しむと思っているだろう。様々なことが考慮され、ここが実験場として選ばれた」
「ここ? ここですか? どういうことですか?」
「死刑囚はこの世界にプレイヤーとして参加させられる。隠れて生き延びるもよし、この世界で好きに生きるのも自由だ。だが、彼らの場合だけロストは実際の死を意味しておる。ロストした瞬間に意識と体の接続が切断されるのだ。ゲームのシステムと接続機器によってな。あくまで表向きは機器の不具合による事故死だが。そうそう。とある政治家はゲーム内で仇討が出来るように遺族をプレイヤーにしようという意見もあった」
「それって死刑執行をプレイヤーにやらせようってことですか?」
「そうだ。ただしモンスターと戦って死ぬこともある」
「どうかしてますよ」
「ワシもそう思ったがね。冤罪の疑いの濃い死刑囚を殺してしまった場合、誰が責任を取るのかも決まっていないしな。だが、経営陣はゴーサインを出した。政府から開発資金を得るためにね」
「そんな」
「しかし、中には喜々として人を狩りたがる奴もいる。罪人でなければロストをしても基本的に死なないからな。そこで政治家は刑務官に支払う手当てをプレイヤーにボーナスとして支給することにした。というのも囚人をThe Varkの中に閉じ込めておけば、手間も減るし人件費を大きく削減できる。すでに幾つかの刑務所とここはつながっているのだ」
「今、このゲームの中で起こっていることを知っていますか?」
「ああ、知ってるよ。インスタントダンジョンの数を増やしたのもその対応のためだ。あくまで時間稼ぎだがな。ワシには夢と夢、記憶と記憶を繋ぎ世界を作り変えることは出来ても現実とここをつなぐことは出来ない」
「ここを賢者の塔とつなげることは出来ないんですか?」
「やってやれないことはないだろうが、つながったらワシは殺されてしまうだろう。インスタントダンジョンの出現によって連中もワシのことを認知しただろうからな。ワシの動かしている装置を奪うことができれば連中はもっと大きなことをするだろうな」
「例えば?」
「ワシに分かるわけ無いだろうが」
初老の男は大きな声で笑った。その時、ワールドアナウンスが流れてきた。
「The Varkをお楽しみの皆さん。運営代行です。最近、ちっとも対人が盛り上がっていないのでレートを引き上げようと思ったんですが、1bc=10,000円になっても対人をしそうにないので、一人ロストさせたら100万円振り込みます。いいですか。殺すんじゃないんですよ。ロストさせるだけ。あとはシステムの不具合でお亡くなりになるだけですから、気楽にやってください。後で訴えられるのは制作会社ですから。さあ、みんなで対人を盛り上げよう! それでは皆さん引き続きゲームをお楽しみください」
初老の男は目をつむった。小屋の中に流れる重苦しい空気に耐えられなくなり僕は席を立った。
「僕、そろそろ行きますね」
立ち上がり外に向かい歩き始める。
「待て、アンヴィドルフ」
振り返る。初老の男は腰掛けたままだ。
「相手が傭兵を連れている場合は、先にプレイヤーを倒せ。それからお前は絶対に敵に姿を晒すなよ」
「SPは先に傭兵を倒してたんですけど」
「SPは倒れても傭兵に指示を出せるからな。思い違いをしているんだろう」
初老の男に向かい深々とおじぎをする。
「ありがとうございます。えーと、ゲートキーパーさん」
「ロストするなよ」
「頑張ります」
と言って外に出た瞬間、僕は一瞬で町の中に戻っていた。
インスタントダンジョンのクリア報酬も受け取れずに。
「そんなぁ~~~~~~~! あんまりだぁ~~~~~~~!」
「まぁ、休憩は慣れている日常の物を使ったほうがやりやすいからな」
男はそう言って手前にある椅子に座るように言ってきた。ダイニングテーブルの側の椅子に腰掛ける。
「コーヒーでいいかな? 紅茶が良ければすぐに味を変えてやるが?」
「コーヒーでいいです」
返事を返すと男は頷いた。そして、こちらの向かい側の席につく。
「君はこのゲームを楽しんでいるかな?」
「そうですね。いろいろありましたけど今は楽しんでます」
「人は殺したかね?」
「連合パーティー同士の戦いで何人かロストさせました。だから、たぶん殺してるかも」
「そうか。だが、大勢の者が手を下したのなら少しは気が楽だな」
「そうでもないですよ。ふとした瞬間に思い出すこともあるし」
「お前はどんなゲームが好きだ?」
「ライトアイとかキャッスルヘブンです」
「洋ゲーか。日本のはやらないのか?」
「やりますけど、なんか趣味が合わなくて」
「そうか」
「カワイイとかストーリーとか割とどうでもよくて、ライトアイなんか世界の果てが無いじゃないですか。ボスだって一定時間経つと復活するし」
「あれはいいな。ただ弱いまま復活されても面白くなかった」
「おじさんもそう思います? 僕もそう思ってたんですよ」
「だからここでは強くなって復活することになっているんじゃ。おっと、これは内緒だった」
「おじさん何の人なんですか? 関係者?」
「ゲートキーパーといういわば門番だよ。お前、ドリームキャッチャーについてどれくらい知っている?」
「他人の夢を体感できるって言うことくらいです」
この返答に男はこちらを見て馬鹿にしたように笑う。
「何も知らないということか」
「まあ、そうですね」
「そうふくれるな。ドリームキャッチャーのシステムを使っているこのゲームは一体誰の夢を元にしているのか。お前は考えてみたことがあるか?」
「ないです」
「ま、普通はそうだろうな。ここは基本的にはワシの世界なんだ」
「え」
「まあ、驚くだろうな。それもそうだ。あぁ、でも安心しろ。ワシが見た夢がそのままここに反映されるわけではないからな。ワシからメインコンピューターに改変コードを指示しそれが戻ってくることで世界が少しずつ広がっていくのだ。運営側の要望も流れてくる。それを受け入れるのも拒否するのもワシの自由だ」
「じゃあ、この世界の神様じゃないですか!」
「いや。ここには神はおらんよ。いや、いるか。人間の深い暗い部分にいる神だな。死神だ。お前、このゲームはある特殊任務を与えられておるんじゃ」
「特殊任務?」
「このThe Varkだが、開発にはとても巨額な金が必要でな。一企業や大学だけではとてもではないが無理だ。自由度の高いバーチャルリアリティゲームを作るのにこれほどのものはないのにな。もうどうにもいかなくなった時に行き詰まっていた我々に政府が声をかけてきたんだ」
「国が?」
「うむ。お前、この国の死刑がどんなふうに行われるか知っているか?」
「話が飛びましたね。死刑ってなんか首吊りですよね?」
「もっと学ばないといかんな。情報は常に三方向から入れる努力をしろ。だが、どんなに気をつけていても偏ることを覚えておけ。主観、客観、鳥観だ」
なぜ、このおじさんに説教をされているのか理解に苦しむ。だが、この世界を作っている神様だと思うと、その言葉は大きかった。
「この国の死刑は絞首刑だ。首吊りとは違う。首吊りは基本的に縊死か窒息だが、絞首刑は重力を利用して頚椎を断ち切る。いわば首の落ちない斬首刑なのだ。ただ、首と胴がつながっている分、しばらく生きているものもいるそうだが。そのためにそれを理解している刑務官の心労ははかりしれんと言うのだ」
それがこのゲームと何の関係があるのだろうか。
「その昔、フランスでは首にかける縄の長さと死刑囚の体重の比率を細かく計算していたという。いい加減な計算で行われた処刑では、頚椎を断ちきれずに窒息死するまで死刑囚がもがき苦しんだとか、縄が長すぎて重力の力がかかりすぎ首が飛んだことがあるという」
なぜこの人はこんな話を実に楽しそうにするのだろうか。
「ああ、話がそれたな。今現在でも死刑執行時には刑務官へのストレスを和らげるためにボタンを3つにしてボタンを押す刑務官も3人にして誰が本当の執行ボタンを押したのかがわからないシステムが採用されておる」
話はそれたままだ。戻ってこない。
「死刑執行はいずれしなければならない。刑務官は苦しむ。犯罪被害者の遺族は一瞬で死刑囚の生命が絶たれることをおそらく知らない。窒息でもがき苦しむと思っているだろう。様々なことが考慮され、ここが実験場として選ばれた」
「ここ? ここですか? どういうことですか?」
「死刑囚はこの世界にプレイヤーとして参加させられる。隠れて生き延びるもよし、この世界で好きに生きるのも自由だ。だが、彼らの場合だけロストは実際の死を意味しておる。ロストした瞬間に意識と体の接続が切断されるのだ。ゲームのシステムと接続機器によってな。あくまで表向きは機器の不具合による事故死だが。そうそう。とある政治家はゲーム内で仇討が出来るように遺族をプレイヤーにしようという意見もあった」
「それって死刑執行をプレイヤーにやらせようってことですか?」
「そうだ。ただしモンスターと戦って死ぬこともある」
「どうかしてますよ」
「ワシもそう思ったがね。冤罪の疑いの濃い死刑囚を殺してしまった場合、誰が責任を取るのかも決まっていないしな。だが、経営陣はゴーサインを出した。政府から開発資金を得るためにね」
「そんな」
「しかし、中には喜々として人を狩りたがる奴もいる。罪人でなければロストをしても基本的に死なないからな。そこで政治家は刑務官に支払う手当てをプレイヤーにボーナスとして支給することにした。というのも囚人をThe Varkの中に閉じ込めておけば、手間も減るし人件費を大きく削減できる。すでに幾つかの刑務所とここはつながっているのだ」
「今、このゲームの中で起こっていることを知っていますか?」
「ああ、知ってるよ。インスタントダンジョンの数を増やしたのもその対応のためだ。あくまで時間稼ぎだがな。ワシには夢と夢、記憶と記憶を繋ぎ世界を作り変えることは出来ても現実とここをつなぐことは出来ない」
「ここを賢者の塔とつなげることは出来ないんですか?」
「やってやれないことはないだろうが、つながったらワシは殺されてしまうだろう。インスタントダンジョンの出現によって連中もワシのことを認知しただろうからな。ワシの動かしている装置を奪うことができれば連中はもっと大きなことをするだろうな」
「例えば?」
「ワシに分かるわけ無いだろうが」
初老の男は大きな声で笑った。その時、ワールドアナウンスが流れてきた。
「The Varkをお楽しみの皆さん。運営代行です。最近、ちっとも対人が盛り上がっていないのでレートを引き上げようと思ったんですが、1bc=10,000円になっても対人をしそうにないので、一人ロストさせたら100万円振り込みます。いいですか。殺すんじゃないんですよ。ロストさせるだけ。あとはシステムの不具合でお亡くなりになるだけですから、気楽にやってください。後で訴えられるのは制作会社ですから。さあ、みんなで対人を盛り上げよう! それでは皆さん引き続きゲームをお楽しみください」
初老の男は目をつむった。小屋の中に流れる重苦しい空気に耐えられなくなり僕は席を立った。
「僕、そろそろ行きますね」
立ち上がり外に向かい歩き始める。
「待て、アンヴィドルフ」
振り返る。初老の男は腰掛けたままだ。
「相手が傭兵を連れている場合は、先にプレイヤーを倒せ。それからお前は絶対に敵に姿を晒すなよ」
「SPは先に傭兵を倒してたんですけど」
「SPは倒れても傭兵に指示を出せるからな。思い違いをしているんだろう」
初老の男に向かい深々とおじぎをする。
「ありがとうございます。えーと、ゲートキーパーさん」
「ロストするなよ」
「頑張ります」
と言って外に出た瞬間、僕は一瞬で町の中に戻っていた。
インスタントダンジョンのクリア報酬も受け取れずに。
「そんなぁ~~~~~~~! あんまりだぁ~~~~~~~!」
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる