短き者達

雨彩 色時

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流れ星

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 夜空を見ると星がある。僕は星を見ると幼い頃に流れ星を一度だけ見たあの日を思い出す。

 僕には友人がいた。流れ星が消える前に3回願い事を言うと叶うと知って、僕はその為に眠くなるまで夜空を見上げた。その友人の為に星を見続ける。流れ星が見えてもあっという間に消えるらしい。それでも僕は小さな可能性に賭けた。

「眠そうだね」
「う…ん? 何?」
「凄く眠たそう」


 僕は眠気混じりに友人である彼女の声を聞き直す。彼女はいつも病院でベットの上だ。親が言うにはなかなか治らないらしい。医者じゃない僕は話し相手にしかなれない。そんな無力の自分が凄く嫌だった。
 神社で神様に願った。お守りもあげた。四つ葉のクローバーを渡した。千羽鶴を飾った。それなのに彼女はベットの上で喜ぶだけで、治らない。

 テレビで流れ星の事を知った。幼い僕の力では他力本願しか出来ない。それからずっと毎日夜空を見上げるようになった。

「なかなか流れ星が落ちて来なくて…」
「私は本当に幸せ者だなぁ」


 僕はこんなにも力が無いのに彼女は優しい笑顔を向ける。もどかしさを感じて、その笑顔から顔をそらす。
 家に帰って、いつもの様に夜空を見上げた。そして、僕はついに流れ星を見た。見ただけだ。一瞬で流れて消えて一瞬頭が真っ白になる。


 翌日に病室へ行くと彼女の姿が無い。居るはずのベットは綺麗に整っている。僕が飾った千羽鶴もない。彼女が読み終わってない本もない。
 看護師に僕は彼女のことを聞いた。もしかして、動けるようになったのかも知れない。退院してどこかにいるはずだ。

「遠い…所に行ったのよ。だから、もう…ここには居ないの」


 僕はまだ小さな子供だ。そんな幼い僕でも察した。こんな事は一度も願ってないのに訪れてしまった。

 奇跡なんて言葉がある癖に起きなかった。僕が大人だったら、もっと他にも色々と彼女の為に何か出来たはずだ。子供である自分を恨む。
 昨日、僕は流れ星を見たけど3回お願い事するのが難しくて悔しいと誰に言えばいいんだろう。明日は夜空を見るべきなのか分からない。

 その日の僕は泣きながら夜空を見た。涙で夜空が少し綺麗に感じる。少し大人に近付いた僕はあの日見た流れ星をきっと彼女だと勝手に解釈するようになった。
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