ラジオの恋路-こいじ-

祝木田 吉可

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第7話:再会

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(6月21日8時45分、衛生推進者講習の会場の出雲商工会議所に男が到着し、受付の列に並んでいる。)

「お名前、良いですか。」

「ご縁情報の矢野健吾です。」

「ありがとうございます。こちら資料です。」

(男は、資料を受け取り、席を確保すると、トイレと一服のために会場を出た。すると、会場前の受付に見覚えのある女が並んでいた。お互い目が合い、先に声かけたのは、女だった。)

「健吾くん、おはよう。」

「み、ミカさん。お、おはよう。」

(挨拶だけ済ませると、女の順番が回ってきた)

「次の方、こちらで受付お願いします。」

「はーい、健吾くん後でね。」

(男は、女と離れて会場を出た。しばらくして、会場に戻り、自分の席に座ると、隣には女が座っていた。)

「み、ミカさん、隣だったのね。」

「やっぱり、この荷物、健吾くんのだったんだね。そうじゃないかなって思って隣にしたの。」

(「これって、わざとだよね。」って思っている所に女が、続ける。)

「だって、知ってる人を見つけたら、その人の隣が良いよね。」

(この言葉に反応しようとした時、講師の人が入ってきたので、男は「よろしくね」とだけ女に、言って席についた。)

「定刻の9時になりましたので、始めたいと思います。今日は、お忙しい中、衛生推進者の講習会に参加していただき、ありがとうございます。先ず、スタッフの方から講座概要についての説明をした後、講義に入りますので、よろしくお願いします。」

(午前の講義が始まった。9時30分から2時間半、職場の安全衛生についての講義だった。)

「午前の講義は、以上です。これから昼食と休憩になります。13時15分には、またこの会場に戻ってきてください。」

(講師の人が会場を出ると、女が、声掛けてきた。)

「健吾くん、お昼、一緒に食べよう。」

「う、うん。良いよ。」

「私、お肉食べたいな。一緒に行こう。」

「うん。分かった。」

(お店が近いこともあって、2人で歩いて向かった。)


「いらっしゃいませ、お二人様ですね。こちらへどうぞ。」

(「意外に、すんなり席に座れたな。」と思いながら、店員の案内された席に座る。)

「健吾くん、何にする?」

(女は、慣れたようにタブレットを使ってメニューを出した。)

「ぼ、僕はランチセットかな。」

「じゃあ、私も同じのにしよう。」

(女は、手早くメニューの注文をして、タブレットを戻すと、話し始めた。)

「健吾くん、何やってるの?」

「ぼ、僕は、「ご縁情報」っていう情報誌の出版社で広報と記者やってるよ。み、ミカさんは?」

「私は、エス・ジー・シー出雲っていう、スマホのゲームとアプリを作る会社でゲームのシナリオとサウンドを作ってるよ。」

「そういえば、健吾くん、今日なんで参加してたの?」

「そ、それは、会社に言われたからだよ。抜ける人が出たから、新しく選任しないといけないから、行ってこいって。これと、来週の防災リーダーと。」

「嘘、私も会社に言われて、今日の衛生推進者と来週の防災リーダー受けて来いって、言われてる。一緒だね。私の所は、人が増えて要件に達しちゃったから、選任しなきゃいけないんだって。」

「そうなんだ。」

(男の頭はパニックになった。「これは、なんだ、また会うんだから、連絡先交換しろってか!?ただの偶然じゃんかよー」そんなことを思っていると、女が話し始めた。)

「ねえ、健吾くん。」

「何?」

「悪いんだけど、携帯、貸してくれない?」

「ど、どうして?」

「自分の携帯が行方不明になっちゃったから、鳴らしたいんだよね。」

「う、うん。良いよ。」

そういうと、男は、自分の携帯を、女に、差し出す。

「ありがとう。」

女は、男の携帯で自分の携帯に電話をかける。

(プルル、、、プルル、、、)

女の携帯が、女の鞄の奥から鳴り響く。

「あった!ありがとう。」

(女は、「やった!」と心で叫んだ。)

「ごめんね、こんな感じで連絡先もらったみたいで。」

(男は、「やっぱりそうだったんだ」と心で思いながらも、普通に答える。)

「だ、大丈夫だよ。来週も一緒だしね。」

「あっ、そろそろ時間だよ。戻ろうか。」

「う、うん。」

(二人は、会計を終えて、商工会議所に戻って、午後の講義に戻っていった。)

-続く-

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