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過去
75.
しおりを挟む「ぁ……ん、ふぁ」
激しく、ねっとりと責められる。痛みはないが、それを凌駕するほどの快感を延々と与えられトイは頭上のシーツを握りしめて見悶えることしか出来なかった。
「も、やぁ、舐め、舐めちゃっ……ヤ、ぁアッ」
とんでもないところから、獣が獲物の血肉を啜るような濡れた音が聞こえてくる。この場合で言うところの獲物はトイだった。
ぐに、と内壁の浅い所を刺激されて首を振る。ふるりと涙に濡れて重くなった睫毛を押し開けば、トイの足を無理矢理左右に開かせ、その間に顔を埋めたソンリェンが見えた。休みなく割れ目を舌でしゃぶる様は皿についた餌を舐め尽くす犬みたいだ。
ここ最近、ソンリェンにこうした責められ方をされるのは少なくない。けれどもここまで執拗にされたのは初めてだった。同じ体勢で同じ箇所をソンリェンに貪られ続けて、かれこれもう1時間は経っている気がする。気がすると言うのは、時計を見に行く余裕すらないからだ。
「はっ……んぁ、も、や、あ、ぁ」
時折ちゅう、と強く吸われ舌が引き抜かれ、その都度トイの膣から染み出した体液が糸を引く。見ていたくなくて目を瞑っても、下から「目を開けろ」と叱責が飛んでくるのでトイは目を離すこともできない。もう両腿の付け根も、シーツに張りつけられている背中も熱に蒸れて汗だくだ。
ソンリェンを迎え入れるため、どんなことをされても自ら足を開き続けなければならないのも恥ずかしいし、長時間同じ体勢でいることで開きっぱなしの腿が疲れて来た。
「く、ふ……」
一度離れた舌が近づき、そのままねっとりと入り口を舐められ、唇で食まれる。ある程度湿らせたら、今度は入口全体を覆い隠すようにべろりと、下から上へ舌を這わせられ、それを何度も繰り返される。これでは本当に、味見をされている贄だ。
「あっ……や、らぁ」
開かされた太腿を大きな手のひらでいやらしく撫でられ、ぐいと親指で割れ目を押し広げられ厚い舌が深くまで入ってくる。ソンリェンの舌は元々長いので、ぬるぬると膣内を行き来するそれは膣内の半分まで侵入してくるのだ。そして幸か不幸かそこにトイが鳴いてしまう一点があるものだから、ねちっこく弾力のある舌先でぐりゅぐりゅと掻き回される。舌の動きに翻弄され、成す術なくもう2度も熱を弾けさせてしまった。
「ひゃ、ぁあっ……ぁんッ…ひぅ」
とはいっても、その都度陰茎の根を強く締め付けられるので、そこから精を吐き出すことは許されていない。だから激しく喘ぎながら、波のように襲いかかるオーガズムに腰をくねらせるしかない。しかもソンリェンはイっている最中も舌の動きを止めてくれないものだから、もう息も絶え絶えだった。
「そん、りぇ……ん、ふぁ」
ちろりと濡れた舌が光って見える。真っ赤なそれはの淫猥さにくらりと頭の中が揺れた。もういい加減、解放してほしい。
「そんりぇ、も、もう……おねが……ゆるし、て」
必死のトイの懇願に、ソンリェンは聞き耳も持たず舌を伸ばしてくる。
「お願い、舐めな……で、ぇ……も、くるし……」
「こんなにぐちゃぐちゃにさせといて、何言ってやがる」
「も、やぁあ……あ、あ」
繰り返される刺激に二度も弾けさせたはずの快感がじわじわと腰の奥に溜まってきて、解放を求めて身体の奥でうねる。快楽を強制的に与えられているからと言って、心が喜んでいるとは限らないのに。こうやってソンリェンと交わるたびに、トイはトイの惨めさを痛感する。所詮は意思を持たぬ人形として扱われている、愛玩動物なのだと。
手折られた花は、いつか気まぐれに捨てられてしまうのだから。1年前のように。
「ねが、や、あぁ、ああ、ひ、あっ……い、いく、い、っちゃぅう」
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