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前篇
不可解な感情(3)*
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「ん、ンふ……ぅ、んむ」
「ん……そうそう、いい子だね。口をもっと開いて……舌もちっちゃいねぇ」
「は、はぁ、はっ……ん、ん──、っ」
リョウヤはもう成すがままだ。
「……ふふ、舌がいっぱい動いてるねぇ。ご主人様にほじくられながらするキス、そんなにキモチイイのかな?」
溢れた唾液がリョウヤの口の周りを濡らし、マティアスがそれを掬い取り、また唇を開かせ深くまで重ねる。ねちっこくてしつこい口づけに、ごくりとアレクシスの口の中にも唾が溜まる。
アレクシスは噛み付かれたというのに、今のリョウヤは随分と大人しい。理由はなんだ。
マティアス、だからか?
「あー……口の中までとろとろだ。かーわい」
可愛い、という一言に唐突に膨れ上がった怒り。
抗うことなく身を任せ、マティアスがリョウヤの口内ににゅるりと舌を差し込んだタイミングで、激しく腰を打ち付けてやった。
「──ッ、ぐ」
リョウヤが呻き、カチンと鋭い音が弾ける。マティアスの反応が早かったので事なきを得たが、あと少し遅ければ、今頃奴の舌はリョウヤの歯に挟まれて血だらけだろう。
「……っぶないぞアレクシス! 噛み千切られるところだったじゃないか」
「だから言っただろう、そいつには噛み付き癖があると」
「いやいや、今のは明らかにおまえのせいだろ? 黙らせろっていうからしたのに、少しは気を遣うってことをだねぇ……」
「知るか。いいから足首を持て。さっさと出して終わらせる」
「全く、せっかちなご主人様だなぁ……はいはい、仰せのままに致しますとも」
酷いなと言いつつ、切れてはいないかと唇を拭って確かめる友人の姿に、不思議と胸の奥がすっとした。なんと名のつく感情だろうか、わからないが、一本取ってやったという気になった。
マティアスがリョウヤの足を持ち上げぐりんと上を向かせて固定する。
宣言通り、さっさと激しい挿入を繰り返す。
「──ァあッ……ぐ、ひ、あァ、ァッ」
透明な蜜液と交じったアレクシスの体液が、出入りを繰り返す結合部にぷちゅぷちゅと薄茶色の沫を作る。ぴりり、とした刺激は結合部に染みてきたアルコホルの名残だろうか。
痛みはない。むしろ突き入れている部分が熱く昂ぶり、じくじくと疼いてくる。甘やかな痺れだ。
「ぁ、あぐ、ん、んん、……や、あぁァ、ッ、ぁ」
リョウヤの悲鳴とも嬌声とも呼べぬ声すらも遠い。じわじわと、背筋を駆け上がってくる熱さ。ただひたすら快楽を追う行為に没頭していると、マティアスがリョウヤの陰茎をぎゅうと絞り、ぷちゅっと勢いを失った最後の雫が先の割れ目から溢れた。その瞬間、これでもかというぐらいにぎゅっと窄まった奥。
搾り取られるような快感にたまらず頭を下げ、喉を詰まらせる。
「く……」
ぶるりと、体の奥から溢れ出てくる解放感に身を委ねた。
「ひ、いぃ……っ」
「ああ、逃げちゃダメだよ坊や。ほら、お腹を動かしてごくごく飲んで」
中に白濁をぶちまけられる衝撃にずり上がるリョウヤの体を、2人がかりで引きずり戻す。吐き出している最中も前後に腰を揺すり、収縮を繰り返す柔い媚肉に満遍なく染みわたるよう、一滴一滴を流し込んでいく。
「や……あ、ぁ……ぁああ、あ……」
「うんうん、イきながら飲むと美味しいでしょ?」
尿道に残った残液までもを叩きつけると、いつものように入口がぶくりと膨らんでいった。ひたひたと、精液を受け止めるために膨らんだ奥に蜜液が溜まり、昂ぶりの先端を浸される。しかも返しに根元をぎゅ、ぎゅうっと痛いぐらいに締め付けられ、出したばかりだというのにアレクシスの欲はリョウヤの中で再び起ち上がった。
「うぅ……は、ぁ」
ぐっと、裏から腹を押されたことがわかったのだろう。苦しそうにリョウヤが肩で息をした。
「ん……そうそう、いい子だね。口をもっと開いて……舌もちっちゃいねぇ」
「は、はぁ、はっ……ん、ん──、っ」
リョウヤはもう成すがままだ。
「……ふふ、舌がいっぱい動いてるねぇ。ご主人様にほじくられながらするキス、そんなにキモチイイのかな?」
溢れた唾液がリョウヤの口の周りを濡らし、マティアスがそれを掬い取り、また唇を開かせ深くまで重ねる。ねちっこくてしつこい口づけに、ごくりとアレクシスの口の中にも唾が溜まる。
アレクシスは噛み付かれたというのに、今のリョウヤは随分と大人しい。理由はなんだ。
マティアス、だからか?
「あー……口の中までとろとろだ。かーわい」
可愛い、という一言に唐突に膨れ上がった怒り。
抗うことなく身を任せ、マティアスがリョウヤの口内ににゅるりと舌を差し込んだタイミングで、激しく腰を打ち付けてやった。
「──ッ、ぐ」
リョウヤが呻き、カチンと鋭い音が弾ける。マティアスの反応が早かったので事なきを得たが、あと少し遅ければ、今頃奴の舌はリョウヤの歯に挟まれて血だらけだろう。
「……っぶないぞアレクシス! 噛み千切られるところだったじゃないか」
「だから言っただろう、そいつには噛み付き癖があると」
「いやいや、今のは明らかにおまえのせいだろ? 黙らせろっていうからしたのに、少しは気を遣うってことをだねぇ……」
「知るか。いいから足首を持て。さっさと出して終わらせる」
「全く、せっかちなご主人様だなぁ……はいはい、仰せのままに致しますとも」
酷いなと言いつつ、切れてはいないかと唇を拭って確かめる友人の姿に、不思議と胸の奥がすっとした。なんと名のつく感情だろうか、わからないが、一本取ってやったという気になった。
マティアスがリョウヤの足を持ち上げぐりんと上を向かせて固定する。
宣言通り、さっさと激しい挿入を繰り返す。
「──ァあッ……ぐ、ひ、あァ、ァッ」
透明な蜜液と交じったアレクシスの体液が、出入りを繰り返す結合部にぷちゅぷちゅと薄茶色の沫を作る。ぴりり、とした刺激は結合部に染みてきたアルコホルの名残だろうか。
痛みはない。むしろ突き入れている部分が熱く昂ぶり、じくじくと疼いてくる。甘やかな痺れだ。
「ぁ、あぐ、ん、んん、……や、あぁァ、ッ、ぁ」
リョウヤの悲鳴とも嬌声とも呼べぬ声すらも遠い。じわじわと、背筋を駆け上がってくる熱さ。ただひたすら快楽を追う行為に没頭していると、マティアスがリョウヤの陰茎をぎゅうと絞り、ぷちゅっと勢いを失った最後の雫が先の割れ目から溢れた。その瞬間、これでもかというぐらいにぎゅっと窄まった奥。
搾り取られるような快感にたまらず頭を下げ、喉を詰まらせる。
「く……」
ぶるりと、体の奥から溢れ出てくる解放感に身を委ねた。
「ひ、いぃ……っ」
「ああ、逃げちゃダメだよ坊や。ほら、お腹を動かしてごくごく飲んで」
中に白濁をぶちまけられる衝撃にずり上がるリョウヤの体を、2人がかりで引きずり戻す。吐き出している最中も前後に腰を揺すり、収縮を繰り返す柔い媚肉に満遍なく染みわたるよう、一滴一滴を流し込んでいく。
「や……あ、ぁ……ぁああ、あ……」
「うんうん、イきながら飲むと美味しいでしょ?」
尿道に残った残液までもを叩きつけると、いつものように入口がぶくりと膨らんでいった。ひたひたと、精液を受け止めるために膨らんだ奥に蜜液が溜まり、昂ぶりの先端を浸される。しかも返しに根元をぎゅ、ぎゅうっと痛いぐらいに締め付けられ、出したばかりだというのにアレクシスの欲はリョウヤの中で再び起ち上がった。
「うぅ……は、ぁ」
ぐっと、裏から腹を押されたことがわかったのだろう。苦しそうにリョウヤが肩で息をした。
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