廃された王家の生き残り元王女ですが、敵国の王と偽装結婚して復讐することにしました。

春野こもも

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苦さの海

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 3年前の2月だった。雪の降る、凍えるような寒さだったと言う。
 
 グリマルディ王国が、グリマルディ共和国になって、もう3年が経とうとしている。
 3年前の2月、この国の民衆によって革命が起こり、王政が転覆された。王族は皆幽閉され、後に処刑された。ただ一人、ミリアム第2王女だけを残して。
 
 民衆が起こした革命で、この国は待望の共和制へとなったのに、この国の民たちはまるきり政治に無関心だ。
 選挙や政策に興味があるのは貴族だけらしく、庶民は明日の生活を考えるので手一杯。雇い主の女将さんは「誰が上になろうがどうでもいいね」と言っていた。

 ならば、なんの為に革命が起きたんだろうか。なぜ、王族が皆殺されなければならなかったんだろうか。王族が死んだ意味とは、なんだったのだろうか。
 もうすぐ2月がやって来る。国民によって家族が全員殺された、あの2月が。

「エマ! なにグズグズしてんだいこのノロマ! さっさとそれくらい運ばないかい!」
「……っすみません」

 いけない。つい考え込んでしまっていた。
 エマは手のひらにできた豆が潰れないように気を付けながら、荷馬車に積まれてきた小麦の袋をえっちらおっちら下ろしていた。

「あんたは本当に使えないね! ったく……」
「すみません……」

 女将が苛立ちを隠さずにエマを叱責する。
 3年前まで、比喩ではなくカトラリーより重いものを持ったことがなかった。そんなエマの腕は木の枝みたいに細くて、傷一つなかった手は今ではあかぎれと豆だらけだ。

 これでも必死に働いているつもりだが、女将に言わせるとノロマらしい。
 女将のエマへの当たりは日に日に強くなり、これまで人から叱責なんてされたことがなかったエマの心には日ごとに澱が溜まっていく。

 しかし、ここ以外にエマの居場所はない。唇を噛みしめて、必死に働くしかないのだ。明日を生きるために。

 *

「エマ様、おかえりなさいませ」
「ただいま、マリー」

 扉と呼べるかも怪しいぺらぺらの木の板を開けて、隙間風が入るどころか流れ込む我が家へ入った。

「今日のお仕事はどうでしたか? あら、すっかり体が冷えてしまっています……温かいお茶を用意しますね」
「今日も相変わらずきつかったよ……ありがとう。それよりマリー、敬称も敬語はやめてって言ってるでしょう」
「でも、家の中なので……」
「こーんな薄い壁で、隣の家と一寸の隙間もなく隣り合っているのよ? 聞こえて怪しまれたら困るわ……」

 そういう私も、話し方や発音が昔のものに戻ってしまっている。日頃いくら気を付けていても、安心できる場所や人がいると、気が緩むのだろう。
 エマとマリーが住んでいる家があるのはこの国最大のスラム街だった。家とも呼べない犬小屋のような小さなあばら家に、マリーと二人でひっそりと暮らしている。

 スラム街を選んだのは人に紛れやすかったからだ。ここは訳アリの人間が多い。
 ここで生まれ、出生届すら出されていない存在しない国民たち。なんらかの事情で故郷を追われ、昔の身分を捨てここに隠れている者。エマとマリーはその後者だった。
 
 しかしいくら訳アリの者が多いと言ったって、上流階級の発音で話す者は珍しい。最初はそのせいで散々怪しまれ、仕事にありつくのも大変だった。その中で唯一拾ってくれたのが、あの女将が営む小さな酒屋だ。
 
 やっと平民、というより平民以下のスラム街の住人たちの話し方や発音が板についてきた。もしエマの家族がエマのこんな話し方を聞いたら卒倒するかもしれない。

「……聞かせる機会はないけどね」
「どうかしまし……どうかした?」
「ふふ、なんでもないの。紅茶美味しいわ、ありがとう」

 マリーが淹れてくれた紅茶を飲みながら、マリーの無理な砕けた話し方に笑った。明日は久しぶりの休みだけれど、家で食事を作って街で売るつもりだ。早く寝なくては。
 
 以前の生活では当たり前だった毎日の入浴も、ここでは当たり前ではない。そもそも風呂がないのだ。お湯に浸した布で体を拭って、エマは粗末な寝床に滑り込んだ。

「おやすみ、マリー」
「おやすみなさい」

 マリーはちくちくと内職の針仕事を続けるようだ。
 ……ねぇ、マリー。私たち、いつまでこうやって暮らすんだろう。人の目から隠れて、貧しくてご飯もまともに食べられない、隙間風が入る極寒の犬小屋に、いつまでいればいいと思う?

 小さな明かりを頼りに針仕事をするマリーの姿を見ていると、視界が涙でぼやけてきた。
 いけない、いけない。弱気になっちゃダメ。この場所で弱気になったらすぐに喰われてしまう。ここはそういう場所だ。

 まずは明日を生き抜くのよ、エマ。

 *

 エマは寒さに震えながら、はぁとため息をついた。作ってきた食べ物が全然売れない。
 それはそうだ。食べ物を売るのはスラム街に住む女性の最もポピュラーな仕事のひとつであるし、そもそも料理経験に乏しいエマの腕前では、1回目に買ってもらえても、その後リピートされない。

「マリーが手伝ってくれた食べ物は美味しいのに……」

 今日はダメな日なのかも。朝は寝坊しちゃったし、料理は焦がしちゃった。ろくでもない日なのかも。
 
 もう食べちゃおうかな、自分で。
 目の前に並ぶ食べ物にぐぅとお腹を鳴らせながら、前を行き交う人々を見ていると、ある一人の男に目が留まった。

 「……よそ者かしら」

 ぽつりと独り言が零れる。市場の中をうろうろしている一人の男。
 ローブで顔と体を隠しているけれど、そんな上等な布を使ったローブを着ている人間はここにはいない。本人は隠しているつもりだろうが、お金持ちの匂いがプンプンする。

 バカね。こんなところでお金の匂いなんてさせるんじゃないわよ。

 お坊ちゃんの社会科見学だろうか。人ごみに紛れているつもりかもしれないが、悪目立ちしていることに本人は気付いていないだろう。あれでは時間の問題だ。

「……私が一番乗りになるわ」

 エマは立ち上がり、いそいそと店じまいを始めた。市場の中へ身を滑り込ませると、すすす……と男に近付いていく、男は長身で人ごみの中でも見つけやすい。
 やっと男の前まで来てから、先客がいたことに気が付いた。

「あっ、エマ姉ちゃん」
「もしかしてあんた、狙ってる?」
「そうだよ! 俺が先に目を付けたんだからな!」

 エマの腰ほどの背丈の先客はエマを睨みつけ威嚇した。やはり先客がいたか。しかも相手はエマより凄腕のベテランだ。勝負は目に見えている。ならば……。

「ねぇ、お願い! 今回は私に譲ってくれない? ほら、これ持って行っていいわ」

 肩にかけているナップザックの中を見せると、先客のベテランは目を一瞬輝かせてから、すぐに胡乱気な顔をした。

「エマ姉ちゃんが作ったやつ?」
「マリーよ」

 嘘よ。ほとんど私よ。
 しかし相手はこの道のベテランと言えどもまだ子供。「ならいいよ!」と悦んでナップザックの中身を取り出した。

 甘いわね、このガキが。人生という道では私が先輩よ。ここ3年は特にこの世の苦労という苦労を一身に背負ったつもりでいるわ。

「成功するといいね!」
「分かったから早く行って! 見失っちゃう!」

 子供を追いやりながら、空っぽになったナップザックを背負い直し、ローブの男を追いかけた。男は愚鈍で、すぐに追いつけた。
 よし、今よ……!

 どんっ、とエマはローブの男に後ろからぶつかった。

「っごめんなさい!」
「あ、いえ……」

 男が驚いた様子でエマを見る。
 ……何この人、本に出てくる妖精王みたいに綺麗な顔してるわね。ローブの下にはさらさらの銀髪、碓氷のようなアイスグレーの瞳が隠されていたのだ。

 一瞬驚きに目を瞠ったが、エマはすぐに正気を取り戻した。ぺこりと頭を下げて男を追い抜く。
 そのまま足早に市場を抜けて、だんだん脚が速くなっていく。ぐねぐねの迷路のようなスラム街の混沌とした道を駆け抜けて、ついに人通りのない路地までやって来た。

「はぁっ……、はぁ」

 冬だと言うのに暑くて、息が切れる。
 汗をかいちゃった。もったいない。今日はお風呂ーーとエマは呼んでいるーー入らないでおこうと思っていたのに。でも……

「やったわ……」

 エマは手の中の財布を見つめながら声を弾ませた。
 スラム街の住民たるものスリくらいできなくてどうする、と言ったのはさっき会ったベテラン先輩だ。スラムに住む子供が最初に倣う仕事、それがスリなのだ。

 エマもよそ者の金を持っていそうな人間を見ると果敢に挑戦しているのだが、なかなか結果は芳しくない。今日は賄賂もあってか久しぶりに狩りが成功した。しかも上物だ。財布はずっしりと重たく、紙幣がぎっしり詰まっているのがすでに見えている。
 
 なにがろくでもない日だ。スーパーウルトララッキーデーじゃないか。

 ほくほくしながら中身を見ようとする。
 ナップザックの中の食べ物を全て渡したんだもの。元を取れるくらい入っていないと困るわ。

 しかし、エマは次の瞬間絶望に声を震わせることとなった。

「……な、なにこれ」

 せっかくスった男の財布の中には、たしかに紙幣がたくさん入っていた。このくらいぎっしりと入っていたら、犬小屋が人間の小屋になるんじゃないかというくらい。お風呂で使う薪木が気にならなくなるくらい。
 なのに、詰まっていた紙幣はこの国のものではなかったのだ。

「ヴィラージュ王国……」

 今、この国は超デフレ状態だ。両替したところで大した金額にならないだろう。ていうか、換金所なんかスラムにあるのかな。
 
 なんにしたってすぐには使えない金だ。ヴィラージュ王国に引っ越せば話は違うかもしれないが、そもそも引っ越す金がない。
 すぐに使えない金ならば意味はない。だって、エマはまずマリーとともに、明日を生きなければいけないのだ。お風呂、キャンセルしなきゃ。

 悲しみの後は、怒りが生まれる。エマは財布を地面に思い切りたたきつけた。その後は靴でめっためたに財布を踏んづけてやる。

「おい、」

 財布を踏んづけていると、先ほどの男が追いかけて来たらしく、息を切らしながらエマの目の前に現れた。スラムの住民でないことは明らかなのに、よくもエマを見つけられたものだ。

 しかし苛立っていたエマは、悪事を働いた相手に見つかってしまったというのに、悪びれもせず男を睨みつけた。

「あんたねぇ、なんでグリマルディに来てるのにヴィラージュ王国のお金しか持ってないのよ!」
「……なんでスリをした犯人が俺にケチをつけるんだ。意味がわからん」

 その通りであるが、今のエマにとって正論は火に油である。

「スリにだって労力とか人間関係だとか、色々あんのよ! 私はあんたのせいで今日のご飯を失ったし、商売も上がったりだし、お風呂にも入れないのよ!」

 ほぼ八つ当たりの文句を喚きながら、エマは自分が踏んづけていた財布を取り上げてローブの男に投げつけた。男がびっくりした顔で財布を受け止める横を通り過ぎる。

「世間知らずのお坊ちゃんが、こんなところ冷やかしで2度と来ないことね!」

 ふん!
 収まらない怒りを携えて、ずかずか足を踏み鳴らし男に背を向けるエマを「待て」と男が引き留めるが、エマは無視をした。

「おい、無視するな」
「……」
「金ならある」
「……」
「この国の通貨だ。必要ならばあなたにやろう」

 エマは足を止めた。胡乱気な顔で後ろを振り向く。男はまだ同じ場所で突っ立っている。

「なぜ?」
「必要なんだろう」
「……いくら?」
「今、30ヴィタしか持っていないが、それでもいいか」

 男は懐にガサゴソ手を入れて、袋を取り出した。その中から本当に、ヴィタがたくさん出てきた。
 30ヴィタ?! と、エマは吹っ飛びそうになるのを堪えながら、じりじりと男に近付いた。
 
 3年前なら、30ヴィタなどエマにとっては大した金額ではなかった。しかし今のエマにとって30ヴィタは目玉が飛び出そうになるくらいの大金だ。

「くれるってんなら、もらってあげなくもないわよ」

 男が差し出した30ヴィタをぶんどったエマの腕を、男ががしっと掴む。いきなりのことで心臓が止まりそうになったが、まだ早かった。もっと驚くべき言葉が、この後男の口から吐き出されるからだ。

「ミリアム王女だな。やっと見つけた」

 エマは息を飲んだ。
 自分の心臓の音が、どっくんどっくんと、やけに大きく聞こえていた。

 ……あぁ、今日はやっぱりろくでもない日だったんだ。 
 
 
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