『守りたい、君のすべてを ～続編～』

続編 第10章：闇の中の真実

続編 第10章：闇の中の真実
玲奈を無事に守りきった後、京介は急いで彼女を車に乗せ、最寄りの安全な場所へと向かった。
その間、彼の心は重く、そして焦燥感でいっぱいだった。
今日の出来事が示すのは、ただの脅迫ではなく、もっと深い何かが背後に潜んでいるということだった。
「京介、あの男は一体何者なの？」
玲奈は恐怖と不安を抱えながら、京介に問いかけた。
京介は運転席に座ったまま、冷静さを保とうとしながらも、心の中で緊張を感じていた。
「分からない。でも、玲奈、君を狙っているのは間違いない。もしかしたら、あの事件に関係しているかもしれない」
玲奈はその言葉に一瞬凍りついた。
父の死に関わるあの事件が、今もなお続いているのだろうか？ それとも、別の動機があるのか？
「私…怖い。もう何も信じられなくなりそう」
「大丈夫だ、玲奈」
京介は静かに、しかし力強く言った。「俺が必ず守る。絶対に」
二人は夜を過ごす場所を変え、しばらくの間、静かな時間を過ごすことにした。
だが、京介は眠ることなく、再び調査を始めた。
深夜、彼はパソコンを前にして、玲奈の父が関わっていたビジネスの調査を続けていた。
なぜ、玲奈がターゲットにされるのか。何が起こっているのか。
その時、ある名前が京介の目に留まった。それは、玲奈の父と深い関わりのあった企業のトップで、
玲奈の父が亡くなった後、何かしらの利益を得ていた人物だった。
「まさか…」
京介はその名前を何度も呟いた。
「玲奈の父の死、もしかしたらこれが引き金になっているのか」
その企業は表向きは正常な事業を行っているように見えたが、裏で何かしらの不正が行われている可能性があった。
玲奈の父がそのことを調査していたのか、それとも巻き込まれてしまったのか。
その一歩を踏み込むことが、今後の二人の命運を大きく左右することは間違いなかった。
京介は深呼吸をし、玲奈の方を見た。
「玲奈、明日、君に話さなければならないことがある」
玲奈は少し戸惑いながらも、京介の真剣な顔を見つめ返す。
「何かあったの？」
「おそらく、君の父が関わっていたビジネスの裏側に、何か大きな陰謀がある」
「それが、君を狙う理由になっているんだ」
その言葉に、玲奈は驚きとともに、心に湧き上がる恐怖を感じた。
「私の父…それは、本当なの？」
京介はしばらく黙ってから、ゆっくりと答える。
「まだ確証はない。でも、君が狙われた理由はおそらくそれだ」
玲奈はしばらく黙っていたが、やがて口を開いた。
「京介、私、これからもあなたと一緒にいられるのかな？」
その問いに、京介はしばらく考えた後、力強く言った。
「どんなことがあっても、俺は君を守る。それが俺の誓いだ」
玲奈はその言葉に安堵し、心の中で再び決意を固めた。
彼女もまた、京介と共に未来を歩む覚悟を持っていた。