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第5章:一枚の写真
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第5章:一枚の写真
「ねえ、これ見て」
午後、少しだけ日が差した小屋の中で、美月はカメラのモニターを亮介に向けた。
「……綺麗だな」
そこには、雪がやんだ直後の山肌を背景に、朝日が差し込む一瞬を切り取った写真が映っていた。
白と金のコントラストが、息を呑むほど美しかった。
「こういう瞬間を撮りたくて、何度も山に来てるの。誰にも見せたことないんだけど、あんたには見せてもいい気がした」
「……俺にはもったいないよ」
「ふふ、謙遜しなくていいって。カメラって、相手に向けるものだけど、自分と向き合う道具でもあるんだよ」
美月の言葉は、まるで彼女自身の人生を語っているようだった。
「この写真、去年の今頃。ひとりで来たときに撮ったの。……そのときも、吹雪に遭ったんだ」
亮介はふと、その写真の背景に小さく写るシルエットに気づいた。
「……誰か写ってる?」
「……うん。恋人だった。…元、ね」
美月の指が、写真の端をなぞる。
「彼は…私をかばって滑落した。結局、遺体も見つからなかった。だから私、またこの山に来たの。何かを置いてきた気がして」
小屋の中の空気が、一瞬止まる。
その悲しみは、静かに、でも確かに亮介の胸を打った。
「……そうだったんだ」
言葉にならない想いが、二人の間に流れていた。
それでも、亮介ははじめて、美月の「強さ」がどこから来るのか、少しだけ理解できた気がした。
「ねえ、これ見て」
午後、少しだけ日が差した小屋の中で、美月はカメラのモニターを亮介に向けた。
「……綺麗だな」
そこには、雪がやんだ直後の山肌を背景に、朝日が差し込む一瞬を切り取った写真が映っていた。
白と金のコントラストが、息を呑むほど美しかった。
「こういう瞬間を撮りたくて、何度も山に来てるの。誰にも見せたことないんだけど、あんたには見せてもいい気がした」
「……俺にはもったいないよ」
「ふふ、謙遜しなくていいって。カメラって、相手に向けるものだけど、自分と向き合う道具でもあるんだよ」
美月の言葉は、まるで彼女自身の人生を語っているようだった。
「この写真、去年の今頃。ひとりで来たときに撮ったの。……そのときも、吹雪に遭ったんだ」
亮介はふと、その写真の背景に小さく写るシルエットに気づいた。
「……誰か写ってる?」
「……うん。恋人だった。…元、ね」
美月の指が、写真の端をなぞる。
「彼は…私をかばって滑落した。結局、遺体も見つからなかった。だから私、またこの山に来たの。何かを置いてきた気がして」
小屋の中の空気が、一瞬止まる。
その悲しみは、静かに、でも確かに亮介の胸を打った。
「……そうだったんだ」
言葉にならない想いが、二人の間に流れていた。
それでも、亮介ははじめて、美月の「強さ」がどこから来るのか、少しだけ理解できた気がした。
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