未プレイの乙女ゲーの悪役令嬢に転生したみたいだけど、これってフラグ回避方法分かんなくね?

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第二章

フリーズ

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私のキャパオーバーにより、気を利かせてかその日は帰ることにしたソフィ達
本当は王子様に気を遣わせるなんて言語道断って分かってるけど、申し訳ないことにマジでもう既にいっぱいいっぱいだったし正直未だに実感湧いてないし現実半分夢半分の状態だから、ホッとしたっちゃした

門の所まで見送ろうとしたけど、ここでいいとソフィに言われてしまった
何から何まで申し訳ない

最後に去り際にどうして私がここにいるのかを聞いたらソフィは懐から何かを取り出した


「あっ、それ」

「うん、セツがくれたブローチだよ」

「わあ!まだ持っててくれたんだ!」


驚いた声を出した私にソフィは今日初めて顔をしかめた
いや、これはしかめたと言うよりも…


「当たり前だよ!セツから貰った日からこれは僕の宝物になったんだよ!ずっと肌身離さず持ってたんだから」


なんちゅーかわいい拗ね方をしてるんだこの子は

ぷうーっと頬を膨らませてるソフィの横で私は不謹慎ながらずっとそのかわいさに癒されていた

あれ?ブローチをそんなに大事にしてくれてたのは嬉しいけど、それとこれと何の関係が?
首を傾げる私の疑問に気づいたのか、ソフィは持っていたブローチの裏側を見せてくれた


「後になって気づいたんだけど、ほらここ、ノワール家の紋章が入ってるでしょ?」

「あっ、そうか!それで!」

王家の力を持ってして調べればそれがどこの家の紋なのか一発で分かるもんな
納得納得
ていうか、元は自分のだったのに裏面に紋章があったことをすっかり忘れる私って……

「ねえセツ、これはもう暫く僕が持ってても」

「それはもう私がソフィに贈った物だよ、だからソフィが嫌じゃなければこれからも持っててくれると嬉しいな」

はにかみながら言えばパアッと輝くような笑顔を見せてくれるソフィ
うわあ、そんな喜んでくれるとかこっちがなんか照れちゃうな~

喜々としてブローチをしまうソフィを見ると温かい気持ちになって、心なしか少し疲れも吹っ飛んだように思えた
このまま気持ちよくバイバイできる思ったけど

現実はそう甘くはなかった……いや、ある意味では激甘だった…


「それじゃあソフィ、また今度」

「セツ」

また今度いっぱいお喋りしよう、と続くはずだった言葉は途中で遮られた
しかも私の勘違いじゃなければ、妙に甘さを含んだ声のソフィに

「約束を果たせてよかった」

約束…あぁ、新しく生まれ変わったソフィが会いに来てくれるっていうあれか…
うん、そうだね!

「私も、すごくびっくりしたけど、ソフィと再会出来て良かったわ」

いつかは、とは思ってたけどこんなに早くソフィにまた会えるなんて幸運でしかないよ!

ニカッと笑う私をじいーッと見つめるソフィ
うーん…やっぱりちょっと様子がおかしいような…なんだか顔が少し赤くなってるし、目も妙に熱を持っているような…?
ま、まさかソフィ熱があるんじゃ!?

私の心配をよそにソフィは私に一歩近づいて手を握ってきた
あっ、手は普通に温かい…それじゃやっぱり私の心配しすぎか…

安心しようとしたその時

「本当に君が大好きだよ…だから、絶対に落とすから覚悟しててね?」

チュッ

以前にもされたようにほっぺにキスを落としていくソフィをフリーズしたまま見つめる

ペロっと舌を出していたずらっ子ぽく笑ったソフィはかわいい
確かに天使級にかわいいけど、そのソフィはもう以前私が妹のように感じていた子ではなく、普通の、一人の男の子なんだということを実感させられた

目を見張ったまま固まる私の唇にソフィが人差し指を当てた

「ここへのキスは、いつか必ず…ね?」


私と大して歳が違わないはずなのにとてつもなく妖艶に微笑むソフィを見てついに私の思考は停止した



結局ソフィ達が応接室から出て、恐らく馬車で完全にノワール邸敷地を出るまで私はフリーズしたままだった

出て行った時に手を振ってくれたソフィに手を振り返すことも、お世話になったルーク様にも一言も言えないまま別れたことも心残りではあったけど、はっきり言ってその余裕は一切なかった

固まっている間、私の頭の中を占めていたのはソフィについてのことばかりだった

ずっと妹みたいな子だと思っていた子が実は男の子で、しかもこの国の王子様で、しかもしかも私の婚約者候補って……それに…私のことが好きって……
好き……好きって……?私もソフィのこと好きよ?でも違う?何が違うの?私の好きは友達としての好き、それじゃあソフィは?……ソフィは私のこと異性として好きって…つまり一人の女の子として、恋愛的な意味で好きって言われたってこと……よね……?…うん、そうだよね…

てことはあれだ

私、セツィーリア・ノワールは

どうやら

生まれて初めての

"告白"

というものをされたらしいです



そこで初めて本当の意味で自覚した瞬間




「!お嬢様?!」


私の意識はフェードアウトしていった





*  *  *


「ヴァーシス様?ヴァーシス様ー」

「……」

「おい、ヴァーシスしっかりしろ(小声)」

「……」

「(ダメだ、こっちはこっちであまりのショックで固まってる)」

同時にフリーズするノワール親子がそこにいた




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