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第二章
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しおりを挟む目を開けた先には見慣れた天蓋
少しボーっとしてしまったけど、すぐにここが自分の部屋だということに気づいた
上半身を起こそうとしたら何かがふとんの上に落ちた
見れば濡れた手ぬぐいで、自分の額に乗っていたのが落ちたのだと理解するのにそう時間はかからなかった
枕を立ててそこに寄りかかる
この身体全体に影響するような特有のだるさ…久々だな…
腕で目を覆って一息つく
再び真っ暗になった視界で思い出したのはさっきの夢のことだった
何年ぶりに前世の夢を見たんだろう
相変わらず友人の顔ははっきりしないし呼ばれているであろう私自身の名前もノイズがかかってよく聞こえない
でも、なんでだろう……すごく安心出来たんだよね…
………ていうか!!危うくスルーしそうになったけど!!あの夢、この世界の攻略キャラについてのことだったよね!?
危ない危ない!意識しなかったら本当にあともうちょっとで忘れるとこだった!
夢ってこういうとこが厄介だよね、所々曖昧なところがあるし気を抜けば夢そのものがどんなものだったのかすら思い出せない時があるんだから
あぁっと、それよりもっとよく思い出さなきゃ…!キャラの詳細は知っておいて損はないし、てかむしろ知っておくべきだ、死亡フラグ回避に確実に繋がるはずだから…!
えっと、えっと…まず前から知っていたけど攻略キャラは4人いるでしょ?
まず一番初めに私が認識した攻略対象はゲーム内での悪役令嬢の義弟、つまり私の義弟であるユーリだ
次に、近いうちに来るだろうと予感していた婚約話…さっきの夢を思い出しても、ゲーム内でのセツィーリアの婚約者に当てはまるのはソフィしかいない、つまり二人目の攻略対象ということだ
友人が一番気になると言っていた子には今のところ心当たりが全くないけど…気になったのは最後に言っていた先生だ…
私も乙女ゲームの知識はあるから、そういう設定のキャラがいても全然不思議じゃないことくらいよく分かってる、でも…気になるのは夢の中で友人が言っていたその先生の特徴…
綺麗な銀髪に美しすぎる容姿…乙女ゲームだったらよくありがちなキャラだけど……それに当てはまる人物が私のすぐ近くにいたら…?それはただの偶然として片付けていいもの…?
それに、現にシェリーは私とユーリ、それに街外れで子ども達に学を教えている先生だ…成長した後にちゃんとした学園で先生になっていたってなんら不思議じゃない
こうしたことを踏まえて考えれば、シェリーが…シェイルス・アーレスが三人目の攻略対象という可能性は充分に出てくるな…
そこまで考えて私は目を覆っていた腕を外した
そして、自分でも説明のつかない複雑な感情に陥っていた
義弟であるユーリはともかく、まさか婚約者ポジだったソフィ、先生ポジの可能性のあるシェリーとこんなに仲良くなるなんて思いもしなかった…
最初の頃はユーリ以外の攻略対象とあまり関わらないようにしようと決めたけど……事実を知った今、私はあの二人から離れられる?
……いや、絶対に無理だ
だってソフィもシェリーも、もう私にとって大事な人たちに違いないから
……そうだ!そうだよ!!何を落ち込む必要がある!!親しかったら親しいでそれは私が彼らの恨みを買って死ぬような確率も減るということではないだろうか!
ユーリには既に好きな人が出来た時には全力で応援すると宣言してある
それと同じことをあの二人にもすればいいんだ!
大丈夫!ソフィもシェリーも優しいからきっと分かってくれる!私が絶対自分たちの恋路を邪魔するような野暮な真似はしないって!それに、ユーリも含めてあの三人が女の子に酷いことをするわけがないもの
うん……うん!!考えれば考えるほど気持ちが楽になって来た!!
ヒロインちゃんが私の妹になる可能性は低くなったものの、三人共私にとってかけがえのない人たちだからね!あっ、もちろん後々現れるであろうもう一人の攻略キャラに関しても邪魔するつもりは毛頭ないよ!
だから私は公平にみんなを応援するぞ!!
攻略対象の正体に少なからず驚き戸惑ったものの、私が気持ちを新たに切り替えたところで、部屋の扉が遠慮がちに開かれた
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