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25話・不浄の断罪、神殿に降臨せし理不尽
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25話・不浄の断罪、神殿に降臨せし理不尽
神殿の回廊。リナが、カイルに別行動を提案しました。
「……カイルさん。ここからは二手に分かれましょう。私はリーシャと一緒に、あっちの隠し通路から行くわ。あなたは正面からお願い!」
アイデンティティ崩壊のショックから立ち直れないカイルは、「……ああ、好きにしろ」と力なく応じ、一人で正面の重い扉の向こうへと消えていきました。
カイルの姿が見えなくなったのを確認し、リナがリーシャを連れて薄暗い礼拝堂に辿り着いたその時。背後の空間がどろりと歪み、漆黒のオーラを纏ったゼウスが姿を現しました。彼はすでに神殿の奥底に眠っていた**『理不尽』**を手に入れ、世界の理を書き換える権能を掌握していました。
「……ご苦労だったな、リナ。貴様の役割は終わりだ」
「ゼウス……! 約束通り、妹を……リサを返して!」
リナの悲痛な叫びに、ゼウスは虚空から一人の少女を引きずり出し、リナの足元へ放り出しました。
「……っ、リサ!」
泣きながら妹を抱きしめるリナ。しかし、妹の首には、以前よりも禍々しく脈動する漆黒の首輪が嵌められていました。
「返してやろう。だが勘違いするな。その妹の生殺与奪、魂の権限のすべては、理を手に入れたこの俺にある。俺の意向一つで、その娘は一瞬で肉の塊に変わる。俺は用心深いんでね……。 お前の無力さを、その身に刻んでおけ」
「……そんな……。ゼウス、あなたは……あの老学者様まで殺しておいて……!」
「あの老人なら殺したよ。 用心深いんでな……情報を引き出した後に生かしておく理由がない。そもそも、あんな老いぼれ、カイルたちが拾わなければとっくに野垂れ死んでいた命だ直。本来の運命に戻してやったに過ぎん」
ゼウスは冷酷に笑います。
「掃除女か。ちょうどいい、貴様も人質にしてあの策士を誘き出すための駒にしてやろう。――リナ、そもそも貴様に別行動を提案させたのは、この娘をカイルから引き離し、確実に人質にするためだ。俺は用心深いんでね」
ゼウスが傲慢に指を鳴らすと、リサの首輪が激しく発光し、彼女の命を内側から削り始めます。
「……汚い」
リーシャの呟きが、神殿の空気を凍らせました。彼女の瞳には、かつてないほど静かで鋭い、青い怒りの炎が灯っていました。
「……何だと?」
「その首輪も、あなたの考え方も、全部とっても汚いです。人の命を勝手に自分の持ち物にして、そんな薄汚れた理屈で縛り付けるなんて。……お掃除の対象として、これほど不快なものはありません」
「黙れ! この娘の命がどうなってもいいのか!」
ゼウスが「消滅」の権能を首輪に叩き込みました。世界の理そのものがリサの命を否定しようとした、その瞬間。
「……否定します。そんなもの、この世界には必要ありません」
リーシャが歩み寄り、リサの首輪にそっと触れました。
すると、ゼウスが「絶対の理」と信じていた究極の理不尽が、まるで古びた埃を払われるように、あっけなく霧散して消え去ったのです。
「な……っ!? バカな、俺の権能が……首輪の術式そのものが、消された……!?」
「それは理なんかじゃない。ただの、心の汚い人が作った、出来の悪いガラクタです。……不衛生極まりない」
リナは呆然としていました。神の如き力を手にしたゼウスが、ただの「お掃除」という名の理不尽な否定によって、完全に無力化されている。
リーシャは静かに立ち上がり、手に持ったハタキをゼウスに向けました。
「……さあ、ゼウスさん。この神殿で一番大きな『ゴミ』は、あなたですね。徹底的に片付けさせていただます」
一方その頃、カイルは――
「……技術、だよな。俺が何十年もかけて積み上げてきたのは、紛れもなく『技術』のはずだ……」
カイルは、誰もいない通路の隅っこで、体育座りをして自分の掌を見つめていました。普段の冷静沈着な策士の面影はありません。完全に**「いじけて」**いました。
「それをあいつ……リーシャの奴、『不自然』だの『理不尽』だの……。俺が必死に物理法則の隙間を縫うようにして編み出した剣筋を、あいつのデタラメな掃除と一緒くたにされちゃあ、おしまいだよ……」
カイルは指先で地面に小さな円を描き始めます。
「そもそも、霊体を斬るのだって、ちゃんと理屈があるんだ。魔力の波長をですね、こう、金属の振動と共鳴させて……。いや、誰が信じるんだそんな説明。俺だって、自分で言ってて『それ魔術じゃね?』って思う時があるし……。ああ、もういい。どうせ俺も、あいつらと同じ側の人間なんだろ。真っ当な傭兵(一般人)を名乗るなんて、おこがましかったんだ……」
カイルの背後には、どんよりとした暗いオーラが漂っています。彼にとっては、ゼウスの陰謀よりも「自分のアイデンティティが全否定されたこと」の方が、はるかに深刻なダメージだったのでした。
神殿の最深部:リーシャ vs ゼウス。
礼拝堂では、神殿の「理不尽」を掌握したゼウスと、静かな怒りを燃やすリーシャの激突が続いていました。
「死ね! 塵ひとつ残さず消え去れ、掃除女ぁ!」
ゼウスが両手を掲げると、漆黒の魔力が奔流となってリーシャを飲み込もうと襲いかかります。それは空間そのものを削り取る絶望の波動。対するリーシャは、手に持ったハタキを鋭く振り下ろしました。
「……はらいます!」
鋭い一閃が漆黒の奔流を真っ二つに割り、火花のような魔力が周囲に飛び散ります。衝撃波で神殿の床が次々と弾け飛び、凄まじい轟音が響き渡りました。
「ほう……俺の理を真っ向から防ぐか! だが、これはどうだ!」
ゼウスが指を鳴らすと、リーシャの足元から無数の呪いの鎖が突き出しました。リーシャは軽やかな身のこなしでそれを回避しつつ、バケツから取り出した濡れ雑巾をムチのようにしならせて鎖を叩き落とします。
「くっ……しつこい汚れですね!」
「ハハハ! 汚れだと? これは神の裁きだ!」
ゼウスが放つ神速の雷光を、リーシャは雑巾で「受け流し」、そのままゼウスの方へと弾き返します。ゼウスもまた、手にした杖でそれを打ち払い、両者の間で圧縮された魔力が爆発を繰り返しました。
傍目には、神の如き権能を振るう魔術師と、それを「掃除道具」で神業的にいなす少女の、次元を超えた超常の攻防。リナは、妹のリサを抱きしめたまま、そのあまりの衝撃に目を見開くことしかできません。
(……互角……!? 世界の理を手に入れたはずのゼウスと、あのハタキと雑巾でやり合ってるっていうの……)
激しく火花を散らす両者の視線。ゼウスの「支配」とリーシャの「否定」が真っ向からぶつかり合い、礼拝堂の空気がパチパチと悲鳴を上げていました。
神殿の回廊。リナが、カイルに別行動を提案しました。
「……カイルさん。ここからは二手に分かれましょう。私はリーシャと一緒に、あっちの隠し通路から行くわ。あなたは正面からお願い!」
アイデンティティ崩壊のショックから立ち直れないカイルは、「……ああ、好きにしろ」と力なく応じ、一人で正面の重い扉の向こうへと消えていきました。
カイルの姿が見えなくなったのを確認し、リナがリーシャを連れて薄暗い礼拝堂に辿り着いたその時。背後の空間がどろりと歪み、漆黒のオーラを纏ったゼウスが姿を現しました。彼はすでに神殿の奥底に眠っていた**『理不尽』**を手に入れ、世界の理を書き換える権能を掌握していました。
「……ご苦労だったな、リナ。貴様の役割は終わりだ」
「ゼウス……! 約束通り、妹を……リサを返して!」
リナの悲痛な叫びに、ゼウスは虚空から一人の少女を引きずり出し、リナの足元へ放り出しました。
「……っ、リサ!」
泣きながら妹を抱きしめるリナ。しかし、妹の首には、以前よりも禍々しく脈動する漆黒の首輪が嵌められていました。
「返してやろう。だが勘違いするな。その妹の生殺与奪、魂の権限のすべては、理を手に入れたこの俺にある。俺の意向一つで、その娘は一瞬で肉の塊に変わる。俺は用心深いんでね……。 お前の無力さを、その身に刻んでおけ」
「……そんな……。ゼウス、あなたは……あの老学者様まで殺しておいて……!」
「あの老人なら殺したよ。 用心深いんでな……情報を引き出した後に生かしておく理由がない。そもそも、あんな老いぼれ、カイルたちが拾わなければとっくに野垂れ死んでいた命だ直。本来の運命に戻してやったに過ぎん」
ゼウスは冷酷に笑います。
「掃除女か。ちょうどいい、貴様も人質にしてあの策士を誘き出すための駒にしてやろう。――リナ、そもそも貴様に別行動を提案させたのは、この娘をカイルから引き離し、確実に人質にするためだ。俺は用心深いんでね」
ゼウスが傲慢に指を鳴らすと、リサの首輪が激しく発光し、彼女の命を内側から削り始めます。
「……汚い」
リーシャの呟きが、神殿の空気を凍らせました。彼女の瞳には、かつてないほど静かで鋭い、青い怒りの炎が灯っていました。
「……何だと?」
「その首輪も、あなたの考え方も、全部とっても汚いです。人の命を勝手に自分の持ち物にして、そんな薄汚れた理屈で縛り付けるなんて。……お掃除の対象として、これほど不快なものはありません」
「黙れ! この娘の命がどうなってもいいのか!」
ゼウスが「消滅」の権能を首輪に叩き込みました。世界の理そのものがリサの命を否定しようとした、その瞬間。
「……否定します。そんなもの、この世界には必要ありません」
リーシャが歩み寄り、リサの首輪にそっと触れました。
すると、ゼウスが「絶対の理」と信じていた究極の理不尽が、まるで古びた埃を払われるように、あっけなく霧散して消え去ったのです。
「な……っ!? バカな、俺の権能が……首輪の術式そのものが、消された……!?」
「それは理なんかじゃない。ただの、心の汚い人が作った、出来の悪いガラクタです。……不衛生極まりない」
リナは呆然としていました。神の如き力を手にしたゼウスが、ただの「お掃除」という名の理不尽な否定によって、完全に無力化されている。
リーシャは静かに立ち上がり、手に持ったハタキをゼウスに向けました。
「……さあ、ゼウスさん。この神殿で一番大きな『ゴミ』は、あなたですね。徹底的に片付けさせていただます」
一方その頃、カイルは――
「……技術、だよな。俺が何十年もかけて積み上げてきたのは、紛れもなく『技術』のはずだ……」
カイルは、誰もいない通路の隅っこで、体育座りをして自分の掌を見つめていました。普段の冷静沈着な策士の面影はありません。完全に**「いじけて」**いました。
「それをあいつ……リーシャの奴、『不自然』だの『理不尽』だの……。俺が必死に物理法則の隙間を縫うようにして編み出した剣筋を、あいつのデタラメな掃除と一緒くたにされちゃあ、おしまいだよ……」
カイルは指先で地面に小さな円を描き始めます。
「そもそも、霊体を斬るのだって、ちゃんと理屈があるんだ。魔力の波長をですね、こう、金属の振動と共鳴させて……。いや、誰が信じるんだそんな説明。俺だって、自分で言ってて『それ魔術じゃね?』って思う時があるし……。ああ、もういい。どうせ俺も、あいつらと同じ側の人間なんだろ。真っ当な傭兵(一般人)を名乗るなんて、おこがましかったんだ……」
カイルの背後には、どんよりとした暗いオーラが漂っています。彼にとっては、ゼウスの陰謀よりも「自分のアイデンティティが全否定されたこと」の方が、はるかに深刻なダメージだったのでした。
神殿の最深部:リーシャ vs ゼウス。
礼拝堂では、神殿の「理不尽」を掌握したゼウスと、静かな怒りを燃やすリーシャの激突が続いていました。
「死ね! 塵ひとつ残さず消え去れ、掃除女ぁ!」
ゼウスが両手を掲げると、漆黒の魔力が奔流となってリーシャを飲み込もうと襲いかかります。それは空間そのものを削り取る絶望の波動。対するリーシャは、手に持ったハタキを鋭く振り下ろしました。
「……はらいます!」
鋭い一閃が漆黒の奔流を真っ二つに割り、火花のような魔力が周囲に飛び散ります。衝撃波で神殿の床が次々と弾け飛び、凄まじい轟音が響き渡りました。
「ほう……俺の理を真っ向から防ぐか! だが、これはどうだ!」
ゼウスが指を鳴らすと、リーシャの足元から無数の呪いの鎖が突き出しました。リーシャは軽やかな身のこなしでそれを回避しつつ、バケツから取り出した濡れ雑巾をムチのようにしならせて鎖を叩き落とします。
「くっ……しつこい汚れですね!」
「ハハハ! 汚れだと? これは神の裁きだ!」
ゼウスが放つ神速の雷光を、リーシャは雑巾で「受け流し」、そのままゼウスの方へと弾き返します。ゼウスもまた、手にした杖でそれを打ち払い、両者の間で圧縮された魔力が爆発を繰り返しました。
傍目には、神の如き権能を振るう魔術師と、それを「掃除道具」で神業的にいなす少女の、次元を超えた超常の攻防。リナは、妹のリサを抱きしめたまま、そのあまりの衝撃に目を見開くことしかできません。
(……互角……!? 世界の理を手に入れたはずのゼウスと、あのハタキと雑巾でやり合ってるっていうの……)
激しく火花を散らす両者の視線。ゼウスの「支配」とリーシャの「否定」が真っ向からぶつかり合い、礼拝堂の空気がパチパチと悲鳴を上げていました。
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