魅了堕ち幽閉王子は努力の方向が間違っている

堀 和三盆

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157 ゲーム環境を整えよう!

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 新たに買い直したビーズクッション(大)は素晴らしかった。

 同じ物が二個になってしまったわけだけど、そのお陰で二つ並べればまるで簡易ベッドのような使い心地を楽しめる。流石に足はちょっと出ちゃうけど、私の身長なら膝を軽く曲げれば寝っ転がれるし、そのままリラックスした状態でゲームをすることもできる。

 ちょっと前に買ったから元々一つはあったけど、王子や偽王子を召喚しているときは彼らに譲っていたので、これでしっかりと自分用を手に入れた気分だ。

 しかも王子の召喚時以外は自分で二個とも使えるし、寝っ転がりながらのゲームも悪くない。お行儀は悪いけど。

 何より買いたてはしっかりと体が沈み込んで座り心地が素晴らしい。

 その日と翌日は召喚がお休みだったので、そのまま寝っ転がったり二段重ねにしてみたり、あれこれクッションの配置を工夫しながら心行くまで乙女ゲームを楽しんだ。



 ――で、ゲーム環境を整えて王子を召喚してみれば、やはり予想していた通り、クッションの大きさが揃ったことにより段差が無くなり王子と腕を組みやすくなった。

 私が使うクッションも大きくなった分、しっかりと体が沈み込むので、一度座ると立ち上がるのがちょっと大変。しかし、その分、体へのフィット感は素晴らしいので、長時間のゲームにも耐えられそうだ。

 普通のゲームや乙女ゲームと違って、クラフト系ゲームはゴールがない分、どうしても長時間になりがちだからね。無理のない体勢は大事。


 久しぶりの二人建築に王子も楽しそうだった。


 ――――だから完全に油断してしまった。



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