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178 誘惑に負けそうな召喚主
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「あれ、なんかゴミ? みたいのが纏わりついてるよ」
「え? ありがとう猫ちゃ……じゃなくて、王子。目がいいんだね。もうすぐお握りできるから、少し待ってね!」
「やった! 今日は鮭フレークお握りかー。オレ、コレはコレで好き! だから、たくさん作ってー」
夜。魚のおやつで偽王子(猫耳)を召喚した後、お握りの準備をしていたら、彼がパタパタと全身をはらってくれた。
おかしいな。大学から帰った後、夕方に掃除機をかけたけど、その後お風呂に入って着替えたし、今もしっかり清潔なエプロンをつけているのに。
まあ、いいか。自分が汚れていないのを確かめて、お握り作りを再開。
昨日の誤召喚で。どうやら成長期に入ったらしい偽王子(猫耳)がお腹を空かせていることに気が付いた私は、引き続き彼に食事を提供することにした。
部屋で遊ばせる時間はないけれど、ご飯を渡すくらいなら……ってことで、偽王子(猫耳)をごく短時間に限っての夜召喚です。
ちなみに王子は今日も城の地下ダンジョンに潜っているらしい。抜け出し方が時間通りで規則正しい。真面目なんだか不真面目なんだか。
偽王子(猫耳)に聞いてみたところ、昨日作ってあげた分のお握りは既に完食済とのこと。
うんうん。いいのよー、食べ盛りの子供は我慢しなくていいの。お姉ちゃんが美味しいの作ってあげるからね。
ただ、明日は先輩に頼まれた大学祭準備の手伝いがあるし、早朝バイトもあるから早く寝ないといけないので、夜のお出かけは無理。なので、今日は簡単に鮭フレークのお握りです。
「やったー。やったー。オレ、24時間勤務だから一度身代わり兼護衛の影仕事入ると食事摂るの難しいんだよね。ああ、いや、オレは24時間王子だけどね?」
……今、とんでもない事聞いたような……。え。猫ちゃん貴方そんなブラック仕事なの? いや、聞こえてないフリするけども。
「とりあえず、しばらくはオレが塔担当だから、王子の召喚無い時いつでも呼んで。アイツ、今は暇さえあれば城の地下ダンジョン潜ってるからさ。ああ、いや、オレがアイツだけどね? 王子だけどね? 魔力量の制限あるからアイツの時みたいに複数回召喚すると節約モード入っちゃうかもだけど、部屋ん中いる分には問題ないし」
お握りをローブに収納してそれだけ言うと、偽王子(猫耳)は喉を鳴らしながらあちらへと帰って行った。
……今、とんでもなく魅力的なことを聞いたような……。え。節約モードってあれだよね? 猫ちゃん天国。え、うそどうしよう。今、すぐ、呼んじゃう? いやいや、明日バイトだし……。手伝いあるし……。
未だかつてない誘惑と戦いながら、その日は寝た。
「え? ありがとう猫ちゃ……じゃなくて、王子。目がいいんだね。もうすぐお握りできるから、少し待ってね!」
「やった! 今日は鮭フレークお握りかー。オレ、コレはコレで好き! だから、たくさん作ってー」
夜。魚のおやつで偽王子(猫耳)を召喚した後、お握りの準備をしていたら、彼がパタパタと全身をはらってくれた。
おかしいな。大学から帰った後、夕方に掃除機をかけたけど、その後お風呂に入って着替えたし、今もしっかり清潔なエプロンをつけているのに。
まあ、いいか。自分が汚れていないのを確かめて、お握り作りを再開。
昨日の誤召喚で。どうやら成長期に入ったらしい偽王子(猫耳)がお腹を空かせていることに気が付いた私は、引き続き彼に食事を提供することにした。
部屋で遊ばせる時間はないけれど、ご飯を渡すくらいなら……ってことで、偽王子(猫耳)をごく短時間に限っての夜召喚です。
ちなみに王子は今日も城の地下ダンジョンに潜っているらしい。抜け出し方が時間通りで規則正しい。真面目なんだか不真面目なんだか。
偽王子(猫耳)に聞いてみたところ、昨日作ってあげた分のお握りは既に完食済とのこと。
うんうん。いいのよー、食べ盛りの子供は我慢しなくていいの。お姉ちゃんが美味しいの作ってあげるからね。
ただ、明日は先輩に頼まれた大学祭準備の手伝いがあるし、早朝バイトもあるから早く寝ないといけないので、夜のお出かけは無理。なので、今日は簡単に鮭フレークのお握りです。
「やったー。やったー。オレ、24時間勤務だから一度身代わり兼護衛の影仕事入ると食事摂るの難しいんだよね。ああ、いや、オレは24時間王子だけどね?」
……今、とんでもない事聞いたような……。え。猫ちゃん貴方そんなブラック仕事なの? いや、聞こえてないフリするけども。
「とりあえず、しばらくはオレが塔担当だから、王子の召喚無い時いつでも呼んで。アイツ、今は暇さえあれば城の地下ダンジョン潜ってるからさ。ああ、いや、オレがアイツだけどね? 王子だけどね? 魔力量の制限あるからアイツの時みたいに複数回召喚すると節約モード入っちゃうかもだけど、部屋ん中いる分には問題ないし」
お握りをローブに収納してそれだけ言うと、偽王子(猫耳)は喉を鳴らしながらあちらへと帰って行った。
……今、とんでもなく魅力的なことを聞いたような……。え。節約モードってあれだよね? 猫ちゃん天国。え、うそどうしよう。今、すぐ、呼んじゃう? いやいや、明日バイトだし……。手伝いあるし……。
未だかつてない誘惑と戦いながら、その日は寝た。
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