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第三章 初級フリー討伐

36 定着! 俺また異世界で流行作っちゃいました??

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 とはいえ、修道女達のバックにダンスのプロがついているだけあって、ステージ自体は見事な仕上がりだった。

 日頃から集団生活をしているせいか修道女達の息はピッタリだし、その服装を活かしたダンスもキレッキレ。
 現代日本ナイズされたアイドルソングの曲調は親しみを感じさせ、それでいて歌詞は異世界の主神である女神様を讃えたり民の幸せを願ったり――の異世界ならではのもの。

 歌はうまいし、何か婚約破棄騒動で修道院入りした訳アリっぽい美人修道女には固定ファンがついていて、恋愛絡みで入ってくる傾国レベルのキレイどころとか、純粋に女神様に仕える為に修道女になった聖女的な人も居たりして、皆さんそれぞれに個性的。センターにはピンク髪さんまでいますしね?


 まあ、なんだ。
 ぶっちゃけ、ハマった。


 いや、こんなん寄付金1000ポイント~で見られるなら普通にお安いじゃん!? しかも、ステージ終了後の修道女の握手会では寄付金(入場料)への感謝として、握手ついでに回復魔法までかけてくれるしさ。

 その為、現地では夕方からのイベントの場合、討伐帰りの冒険者が疲れた体を引きずって会場まで行き修道女達のイベントに参加して、文字通り身も心も癒されてからギルドへと報告へ行く――なんてのが、今の冒険者の最新トレンドとなっている。
 って、何だその異世界アイドル文化……。

 別に嫌いじゃないものの、俺はそこまでアイドルに興味はないので、ホームグラウンドの日本ではわざわざアイドルの追っかけをしたりはしない。家でゲームやっている方が楽しいし。

 ――が、発光スライムの体液――と言うと表現が若干アレだが――に照らされて。必死に慣れないアイドル(風)ソングを歌いながら、恵まれない子供や修道院の為に資金集めをする彼女達の姿は応援したくなるものがあった。

 しかも、現在彼女達のステージは貧民層の子供たちが無料で学べる奨学金制度を作る為のもの――とか言われちゃうと尚更だ。(それもしっかりと配られたチラシに書いてありましたよ)

 こちらで仲良くなった親思いの子供達の為にも修道女の応援を――とスライム生け捕りウォーキングダイエットついでに週6でイベントに通っていたら、いつの間にか俺が持ち込んだオタ芸がコチラでも広まってしまった。


 おおっと。
 香車ウサギの『オータ狩り戦法』に続き、俺また異世界で流行作っちゃいました??


 と若干、心の中でドヤ顔をしていたら、通りかかったスポーツクラブ所属の冒険者が、誰だよこっちでオタ芸広めた奴は……とか苦々し気に言っているのを聞いちゃったので、そいつらからこそこそと距離を取りました。

 危ない危ない。



 ちなみに。現地(異世界)では修道女の応援ダンスが『オータ芸』とか呼ばれているらしいけど、俺(オータ)は一切関係ありません(キリッ)。




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