【完結】何でも欲しがる義妹が『ずるい』とうるさいので魔法で言えないようにしてみた

堀 和三盆

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18 更なる求婚者

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 二人から求婚されてはいるがこれは何かの気の迷いで、私のことはそのうちどうでもよくなるだろう、そう思っていたのだが。意外にも二人とも引きそうもない。もしかして本気なのだろうか。

 だとしたら、私もいい加減ハッキリさせるべきかもしれない。


 相手側の有責とはいえ、婚約破棄をしている私。二人がこうして好意を示し、求婚してくれているだけでもありがたいのだ。
 伯爵位を受け継ぐ者としていずれは結婚しないといけないし、この先、これ以上の良縁があるとも思えない。

 それに何より。これ以上の厄介ごとには耐えられそうもない。面倒なことは少しでも早く片付けておいた方がいいだろう。

 だから。


 公爵家三男のイケメン経営者か。
 孤高の天才魔法使いか。


 私が選ぼうとした、そのとき。


「すごいですわ、すごいですわ! この前のお茶会に飛び入り参加された王太子殿下が、お義姉様に興味を持たれたのですって! 使いの方から連絡をもらって、大急ぎで詳しくお話を伺いに行ってきましたのよ。やっぱりお義姉様はすごいです!!」


 バァンと、ノックもなしに応接間へと飛び込んできた義妹によって、更なる厄介ごと――第三の選択肢が持ち込まれた。




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