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19 どうしてこうなった
しおりを挟む義妹の説明によると。
あの日、近くを通りかかった王太子殿下が王妃様のお声がけで少しだけお茶会に参加をされていたのだが。殿下はお茶会で話されている話題に興味を持ったものの、時間が無いせいであまり話をきくことができず残念に思っていたそうだ。
そこで。
お茶会終了後、王妃様に詳しく話を聞かせてもらうことになり、義妹の『すごいですわ情報』を織り交ぜられながらその話を聞いているうちに私の人間性に感動して――って、いやいやいや! 誤解!! ソレほぼ誤解ですから!!!
高位の魔法使いに魔法をかけてもらっている云々のことは義妹を含め誰にも話していないので、義妹からしたら私から欲しいものを貰ったり、留学費用をバイト代で出してもらったり――の認識となっている。
『わがまま放題していただけなのに、義妹に過ぎない私の為にお義姉様はバイトをしてまで、あんなことやこんなことをしてくださって――……!!』
義妹が『すごい、すごい』という言葉と共に発信するソレはあらゆる媒体で美談として取り上げられ広がって、ついには王太子殿下にまで……。
どうしよう。誤解を解きたくても本当のことは言えないし。
事情があったとはいえ、人の行動に影響を与えるような魔法を使うのはあまりよろしくない。だからこそ、ソレが簡単に出来てしまう高位の魔法使いは迫害され、人目を避けて隠れるように生活をしていたのだ。
彼には義妹の『ずるい』を封印するためにえらい量の魔法をかけてもらった。わが国では魔法が一般的ではないために、そういった魔法を使うことに特に罰則等はない。
しかしながら……。
さすがに使用がバレてしまったら、まったくのお咎めなし――という訳にはいかないだろう。
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