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番外編 獣人学者は運命の番を許さない
14 番からの解放と変化
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運命の番が人間国へ来てから数年。
共同事業のための研究がひと段落して、リスペットが獣人国へと一時帰国することになった
そのことにクロワールはホッとする。
番に妙な期待をさせないように、クロワールは徹底的にリスペットを拒絶していたけれど、ふとした拍子に見せる彼女の熱い視線や表情などは隠しきれるものではない。ただでさえ、彼女が人間国へと来たばかりの頃にはクロワールへの好意をまったく隠していなかったのだ。
そのせいで、事情をまったく知らない研究員の中にも、彼女の思いに気付く者が出てきていた。クロワールがまったく相手にしていなかったおかげで、妙な勘繰りをされないことだけが救いだった。
ここにきて物理的に番と長時間離れることで、クロワールはようやく番とのしがらみから解放された思いがした。
クロワールの勤務する研究機関は地方出身の研究員も多いことから、年末は彼らの里帰りのために少し長めの休みを取るのが慣例になっている。それを利用して、リスペットは一時帰国した形だ。とはいえ獣人国はかなり遠いので、溜まっていた休みと合わせて、リスペットは他の研究員よりも一足早く休みに入っている。
少なくともこれで休み中は何も考えることなく、カリスと共に過ごせるだろう。そう思うとクロワールの気持ちも晴れやかだった。
溜め込んだ資料を読んで、冬の間は室内で育てている薬草の世話をして、思う存分カリスと愛しあって。
そんな生活を楽しんでいたはずなのに、クロワールはある日を境に違和感を覚えるようになった。
クロワールはカリスを心から愛している。それは、番と出会った後も何一つ変わらない。愛する妻にクロワールは毎日のように愛を伝えてきたし、愛し合ってもいた。
それなのに、突然クロワールの身体が反応しなくなってしまったのだ。
最初は疲れているせいだと思った。年末休みに入ってからしばらくはクロワールが望むような生活を送れていたし、心配事から解放されたことで、少々羽目を外し過ぎた自覚はあったので。
けれど、どれだけ睡眠をとっても、研究を休んでも、違和感は収まらない。そのことで、何やら焦燥感のようなものまで生まれてしまう。
クロワールとカリスが結婚してからそれなりに経つが、今までこんなことはなかった。これまでと違うことと言えば、ただ一つ。
運命の番であるリスペットの不在だ。
確かにクロワールは仕事の都合上、番と同じ部屋で過ごしていたけれど、クロワールはリスペットの思いを受け入れていないし、受け入れるつもりもない。それなのにどうして……
何やら嫌な予感がして、クロワールは獣人の番について書かれた書物を手当たり次第に買い込んだ。
アレコレと読み漁って、クロワールは気になる記述を見つけた。
「番の誤認効果…………?」
共同事業のための研究がひと段落して、リスペットが獣人国へと一時帰国することになった
そのことにクロワールはホッとする。
番に妙な期待をさせないように、クロワールは徹底的にリスペットを拒絶していたけれど、ふとした拍子に見せる彼女の熱い視線や表情などは隠しきれるものではない。ただでさえ、彼女が人間国へと来たばかりの頃にはクロワールへの好意をまったく隠していなかったのだ。
そのせいで、事情をまったく知らない研究員の中にも、彼女の思いに気付く者が出てきていた。クロワールがまったく相手にしていなかったおかげで、妙な勘繰りをされないことだけが救いだった。
ここにきて物理的に番と長時間離れることで、クロワールはようやく番とのしがらみから解放された思いがした。
クロワールの勤務する研究機関は地方出身の研究員も多いことから、年末は彼らの里帰りのために少し長めの休みを取るのが慣例になっている。それを利用して、リスペットは一時帰国した形だ。とはいえ獣人国はかなり遠いので、溜まっていた休みと合わせて、リスペットは他の研究員よりも一足早く休みに入っている。
少なくともこれで休み中は何も考えることなく、カリスと共に過ごせるだろう。そう思うとクロワールの気持ちも晴れやかだった。
溜め込んだ資料を読んで、冬の間は室内で育てている薬草の世話をして、思う存分カリスと愛しあって。
そんな生活を楽しんでいたはずなのに、クロワールはある日を境に違和感を覚えるようになった。
クロワールはカリスを心から愛している。それは、番と出会った後も何一つ変わらない。愛する妻にクロワールは毎日のように愛を伝えてきたし、愛し合ってもいた。
それなのに、突然クロワールの身体が反応しなくなってしまったのだ。
最初は疲れているせいだと思った。年末休みに入ってからしばらくはクロワールが望むような生活を送れていたし、心配事から解放されたことで、少々羽目を外し過ぎた自覚はあったので。
けれど、どれだけ睡眠をとっても、研究を休んでも、違和感は収まらない。そのことで、何やら焦燥感のようなものまで生まれてしまう。
クロワールとカリスが結婚してからそれなりに経つが、今までこんなことはなかった。これまでと違うことと言えば、ただ一つ。
運命の番であるリスペットの不在だ。
確かにクロワールは仕事の都合上、番と同じ部屋で過ごしていたけれど、クロワールはリスペットの思いを受け入れていないし、受け入れるつもりもない。それなのにどうして……
何やら嫌な予感がして、クロワールは獣人の番について書かれた書物を手当たり次第に買い込んだ。
アレコレと読み漁って、クロワールは気になる記述を見つけた。
「番の誤認効果…………?」
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