もうやめましょう。あなたが愛しているのはその人です

堀 和三盆

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番外編 獣人学者は運命の番を許さない

34 成長した息子と繰り返される過ち

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 田舎町で元気を取り戻した息子はすくすくと育ち、留学先の獣人国で出会った獣人女性と結婚した。同種族の彼らはすぐに子供にも恵まれて、息子夫婦は家からは独立して近所で暮らし始めた。

 クロワールは顔立ちがリスペットに似た息子については多少複雑な思いがあったが、孫については不思議と可愛くて仕方がなかった。

 息子が家を離れると、クロワールは再びリスペットと二人きりになった。体力の衰えとともに多少研究に充てる時間は短くなったが、それでも拒絶薬の開発は続けていた。

 この頃には拒絶薬の原型のようなものができており、これからいかに薬の効果を高めるかに研究の方向がシフトしていた。

 子供の頃からギスギスした両親を見て育った息子は、クロワールのリスペットに対しての扱いに思うところがあったのだろう。

 ある日、息子は運命の番を見つけると妻と息子を捨てて出て行った。母親っ子でクロワールに反発を抱いていた息子は、クロワールとは違い運命の番の手を取ることにいっさいの躊躇を見せなかったのだ。

 そんな息子の姿を見て、リスペットは複雑そうな表情を浮かべていた。




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