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波乱万丈?俺のワクワクスクールライフ
しおりを挟むさて、かっこよく家を出てきたのはいいが、もうすでに帰りたい。人が多い、こわい、帰る。
ほとんど引きこもり状態だった俺にいきなり人がわんさかいるところに馴染めるわけがない!!
足をガクガクさせて生まれたての子鹿状態になっていると、
「大丈夫だ、蓮。おぬしにはわしらがついておるであろう?」
「そうですよ、蓮 我らがついていながらなにをそんなに心配する必要があるのです?」
「れんれんはぁおれたちが守るよ」
このときばかりは妖怪が見えることを本当に感謝している。もし見えなかったら会えてなかったわけだし。
「そうだな、ありがとう」ついつい嬉しくて頬が緩む。
「…ッ!(((かわいすぎぃ(であるぞ)(なのです))))」
みんな赤いな、風邪が流行っているのか?
「?」
「とりあえずいくか、えーっと、俺のクラスは1-Aだから… ってここどこ?!」
「また迷ったのぉ…?」
「う、うるさい!こんな大きいのが悪い」
だってどう見ても規格外の大きさなんだもん
すいません。俺がもんとかきもっって感じですね、はい。
まぁとにかく大きすぎるのだ、いろいろと。そりゃ生徒と一緒に妖怪も来るんだから多少普通の学校とは違うとは思ってたけど...
これは大きすぎる!!!
まぁ迷ったのなら仕方がない、誰かに道を聞こう!って俺コミュ症じゃん…。それに人が全然いない...
「はぁ…。」
「仕方あるまい」
と飛鳥がつぶやいてから指笛を鳴らすと次から次へ、我こそはとカラスの大群が窓のすぐそばまで押し寄せてくる。
「いつみてもすげぇなぁ」と呟くと
「あたりまえであろう、わしはおぬしの用心棒であるぞ?」と自信満々の笑みと共に帰ってくる。まぁそのおかげでいつも助けられてるからいいんだけど。
「なっ!我もこれしきのこと!」
「からすなんかに負けられないねぇ~」
と競い合いを始める。
今日も今日とて平和ですな。
「あぁ、わかった ご苦労であったな。主君1- Aはここをまっすぐ行って右に曲がって階段を上ったところにあるそうだ」
「りょうかい、ありがと」
という会話が10分前のこと、そして今教室の前に立っている俺。緊張しすぎて変な汗をかいている。ひとりで悶々としていると、
「さっさとあけちゃいなよぉ~」
と言って狐珀がいきよいよく扉を開ける。するとすべての人の視線がこちらに集まる と思いきやなにやら騒がしい。
「おまえは僕の使い魔なんだぞ?それなのにこんなこともできないのか!」
と顔を真っ赤にしながら怒鳴るひとりの男子生徒の姿。それに耐えている妖と思われる同じくらいの年の綺麗な青年。その青年の髪は綺麗な紅色で長くクセ一つないまっすぐなサラサラヘアーだ。瞳は鋭く透き通るような灰色で耳は少しとんがっている感じ。ゲームでいうエルフのような感じだ。綺麗という言葉がしっくりくる。
入学式の準備で忙しいのか、先生はいない。止めに入ろうとする生徒もいないのは不自然だ、面倒なだけかそれとも...
「聞いているのか?ほんっとうに役立たずだな!おまえなんて僕に仕える以外価値がないんだぞ!」と男子生徒は続ける。
これにはさすがに頭にきた。感謝の言葉もないで自分に仕えるのが当たり前だと思っているやつ。なんであんなやつに自分の価値を決められなければならないのか。頭の中がごちゃごちゃになって、気付いた時には壁を思いっきり叩いていた。すると帰ってきたのは静寂な静けさと重々しい沈黙。それでも俺は最大級の笑みを貼り付けて口を開き
「なにをしているんですか?」と問う。
ハッと我に返ったその男子生徒は
「な、なにって躾に決まっているだろ!それにおまえ僕が誰だかわかっててその口の聞き方か?場合によってはタダじゃすませないぞ?」
と下品な笑みを貼り付けた。本当傲慢で自分が正しいというような口の聞き方だな。
「あなたがどこの誰であろうと僕には関係ありませんし毛ほどの興味もございません。しかし妖に対してその扱いはいただけませんね。しかも怒鳴り散らして、あなたは能無しの猿か何かなのですか?」
というと真っ赤な顔をさらに赤くする。
「なっ!貴様!今更命乞いしても許してやらないからな!酒呑(しゅうてん)やれ!あいつを殺せ!」
すごい物騒なことを言っているなと思ったら、綺麗な紅色の髪の青年が一瞬傷ついたような顔をしてから刀を振り回しながら近づいてくる。え、え、入学初日にしてまさかのピンチ?!?!
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