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しおりを挟む訳がわからなくて、首を傾げていると。
「ここにシュバリィー公爵家の兄貴、グレン次期宰相殿が来たんだって?」
「…ええ。なぜそれを知っているの?」
「昨日、城の騎士団に入っている友達が来た。…ときどきオレの様子を見に来てくれて、城の噂などを耳に入れてくれるんだ。閉じこもっていると何もわからないからなあ。」
ティーシルは人付き合いが上手い方だから、友達もたくさんおいででしたものね。
そして、何かを読み上げるような話し方に変わるティーシル。
「わざわざ、仕事の鬼と言われるグレン次期宰相殿が休みを取ってエミリに会いに行ったと。エミリの兄の紹介で傷心のエミリを慰めて2人は急接近。既に両家も認める仲で、次期宰相殿も否定なさらない。と城ではその噂で持ちきりだと。お蔭でバカ息子の話は跡形も無いそうだ。」
そんな噂が広まっているなんて…驚いて声が出ません。
お城での噂って事は当然社交界にも広まっているはず。
ほとんど方がご存知ってこと?
ゆっくりと少しずつ考えていい、というお言葉に甘えてそうするつもりでいたけど…。
そうも言っていられない気がします。
ここで私が断ったら、グレン様に恥をかかせてしまう?
グレン様とのお話を受けるしかないのかしら。
私に残された道はこれだけなの?
混乱してくる。
ダメよ、自分自身を見失わないで。
落ち着てよく考えて。
いろいろなことに飲み込まれそうになる自分を叱咤します。
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