33 / 40
33
しおりを挟む
座っている私の前に片方の膝をつくとベルナルダンお兄様はゆっくりとした動作で、私の手を両手で包みました。
少しゴツゴツとした私より温かなその手にドキドキします。
「この手はもう離さないよ。エミリもそのつもりでいて。」
「…ベルナルダンさま?」
ニッコリと微笑むベルナルダンお兄様の言葉を自分の都合のいいように勘違いしてしまいそうです。
大きな音となったドキドキが耳の中で聞こえて、とてもうるさいです。
勘違いしてはダメ。
きっと違う意味よ。
”この手を離さない”なんて、まるで結婚の申し込みみたいな言葉…。
違うそんな意味ではない!
「父さんが君を娘に欲しい、と望んだからではないよ。ルゥグホン家とフォンテーナ家の結びつきが欲しい訳でもない。…まして、この国の王の命令なんかでもない。…僕が…ベルナルダン・ルゥグホンがエミリエンヌ・フォンテーナを欲しいんだ。…これから先…ずーと…僕の…側にいて、エミリ。」
息ができない…。
夢以上だわ。
嬉しいけど、嬉しいという気持ちのもっと上だわ。
もしかして現実ではないの?
「本当?……ベルナルダンお兄様の…本当の気持ちなの?」
「そうだよ。…本当はずーと前から思っていた事さ。」
「ずーと前?いつ?いつなの?」
「…僕たちの小さい頃から。ティーシルと君が婚約する前から。」
「婚約する前?…!ダメ!ダメです!」
婚約という言葉に現実に引き戻される。
そう、これは夢ではない現実なのだ。
婚約破棄をされた私ではダメ、ダメなの…。
突然、私に手を振りほどかれたベルナルダンお兄様。
「…。」
驚く訳でもなく、いつもの冷静な表情で私を見ています。
その視線に気まずさを覚え、視線を外し、行方を失ってしまった私の手を椅子の肘掛に捕まらせます。
「…隣に座るよ。」
ベルナルダンお兄様が隣に座る気配を感じます。
でも、私はそちらを向く事ができません。
「…話をしよう。少し長い話をするから、聞いていてくれる?」
私はベルナルダンお兄様の方を見ずにぎこちなく首を立てに振りました。
2017.10.11 内容は変わりませんが、一部修正を加えました。
少しゴツゴツとした私より温かなその手にドキドキします。
「この手はもう離さないよ。エミリもそのつもりでいて。」
「…ベルナルダンさま?」
ニッコリと微笑むベルナルダンお兄様の言葉を自分の都合のいいように勘違いしてしまいそうです。
大きな音となったドキドキが耳の中で聞こえて、とてもうるさいです。
勘違いしてはダメ。
きっと違う意味よ。
”この手を離さない”なんて、まるで結婚の申し込みみたいな言葉…。
違うそんな意味ではない!
「父さんが君を娘に欲しい、と望んだからではないよ。ルゥグホン家とフォンテーナ家の結びつきが欲しい訳でもない。…まして、この国の王の命令なんかでもない。…僕が…ベルナルダン・ルゥグホンがエミリエンヌ・フォンテーナを欲しいんだ。…これから先…ずーと…僕の…側にいて、エミリ。」
息ができない…。
夢以上だわ。
嬉しいけど、嬉しいという気持ちのもっと上だわ。
もしかして現実ではないの?
「本当?……ベルナルダンお兄様の…本当の気持ちなの?」
「そうだよ。…本当はずーと前から思っていた事さ。」
「ずーと前?いつ?いつなの?」
「…僕たちの小さい頃から。ティーシルと君が婚約する前から。」
「婚約する前?…!ダメ!ダメです!」
婚約という言葉に現実に引き戻される。
そう、これは夢ではない現実なのだ。
婚約破棄をされた私ではダメ、ダメなの…。
突然、私に手を振りほどかれたベルナルダンお兄様。
「…。」
驚く訳でもなく、いつもの冷静な表情で私を見ています。
その視線に気まずさを覚え、視線を外し、行方を失ってしまった私の手を椅子の肘掛に捕まらせます。
「…隣に座るよ。」
ベルナルダンお兄様が隣に座る気配を感じます。
でも、私はそちらを向く事ができません。
「…話をしよう。少し長い話をするから、聞いていてくれる?」
私はベルナルダンお兄様の方を見ずにぎこちなく首を立てに振りました。
2017.10.11 内容は変わりませんが、一部修正を加えました。
48
あなたにおすすめの小説
伯爵令嬢の婚約解消理由
七宮 ゆえ
恋愛
私には、小さい頃から親に決められていた婚約者がいます。
婚約者は容姿端麗、文武両道、金枝玉葉という世のご令嬢方が黄色い悲鳴をあげること間違い無しなお方です。
そんな彼と私の関係は、婚約者としても友人としても比較的良好でありました。
しかしある日、彼から婚約を解消しようという提案を受けました。勿論私達の仲が不仲になったとか、そういう話ではありません。それにはやむを得ない事情があったのです。主に、国とか国とか国とか。
一体何があったのかというと、それは……
これは、そんな私たちの少しだけ複雑な婚約についてのお話。
*本編は8話+番外編を載せる予定です。
*小説家になろうに同時掲載しております。
*なろうの方でも、アルファポリスの方でも色んな方に続編を読みたいとのお言葉を貰ったので、続きを只今執筆しております。
幸せな結婚生活に妻が幼馴染と不倫関係、夫は許すことができるか悩み人生を閉じて妻は後悔と罪の意識に苦しむ
佐藤 美奈
恋愛
王太子ハリー・アレクサンディア・テオドール殿下と公爵令嬢オリビア・フランソワ・シルフォードはお互い惹かれ合うように恋に落ちて結婚した。
夫ハリー殿下と妻オリビア夫人と一人娘のカミ-ユは人生の幸福を満たしている家庭。
ささいな夫婦喧嘩からハリー殿下がただただ愛している妻オリビア夫人が不倫関係を結んでいる男性がいることを察する。
歳の差があり溺愛している年下の妻は最初に相手の名前を問いただしてもはぐらかそうとして教えてくれない。夫は胸に湧き上がるものすごい違和感を感じた。
ある日、子供と遊んでいると想像の域を遥かに超えた出来事を次々に教えられて今までの幸せな家族の日々が崩れていく。
自然な安らぎのある家庭があるのに禁断の恋愛をしているオリビア夫人をハリー殿下は許すことができるのか日々胸を痛めてぼんやり考える。
長い期間積み重ねた愛情を深めた夫婦は元の関係に戻れるのか頭を悩ませる。オリビア夫人は道ならぬ恋の相手と男女の関係にピリオドを打つことができるのか。
こんな婚約者は貴女にあげる
如月圭
恋愛
アルカは十八才のローゼン伯爵家の長女として、この世に生を受ける。婚約者のステファン様は自分には興味がないらしい。妹のアメリアには、興味があるようだ。双子のはずなのにどうしてこんなに差があるのか、誰か教えて欲しい……。
初めての投稿なので温かい目で見てくださると幸いです。
【完結】婚約者を奪われましたが、彼が愛していたのは私でした
珊瑚
恋愛
全てが完璧なアイリーン。だが、転落して頭を強く打ってしまったことが原因で意識を失ってしまう。その間に婚約者は妹に奪われてしまっていたが彼の様子は少し変で……?
基本的には、0.6.12.18時の何れかに更新します。どうぞ宜しくお願いいたします。
その結婚、承服致しかねます
チャイムン
恋愛
結婚が五か月後に迫ったアイラは、婚約者のグレイグ・ウォーラー伯爵令息から一方的に婚約解消を求められた。
理由はグレイグが「真実の愛をみつけた」から。
グレイグは彼の妹の侍女フィルとの結婚を望んでいた。
誰もがゲレイグとフィルの結婚に難色を示す。
アイラの未来は、フィルの気持ちは…
わたしは夫のことを、愛していないのかもしれない
鈴宮(すずみや)
恋愛
孤児院出身のアルマは、一年前、幼馴染のヴェルナーと夫婦になった。明るくて優しいヴェルナーは、日々アルマに愛を囁き、彼女のことをとても大事にしている。
しかしアルマは、ある日を境に、ヴェルナーから甘ったるい香りが漂うことに気づく。
その香りは、彼女が勤める診療所の、とある患者と同じもので――――?
私が、良いと言ってくれるので結婚します
あべ鈴峰
恋愛
幼馴染のクリスと比較されて悲しい思いをしていたロアンヌだったが、突然現れたレグール様のプロポーズに 初対面なのに結婚を決意する。
しかし、その事を良く思わないクリスが・・。
4人の女
猫枕
恋愛
カトリーヌ・スタール侯爵令嬢、セリーヌ・ラルミナ伯爵令嬢、イネス・フーリエ伯爵令嬢、ミレーユ・リオンヌ子爵令息夫人。
うららかな春の日の午後、4人の見目麗しき女性達の優雅なティータイム。
このご婦人方には共通点がある。
かつて4人共が、ある一人の男性の妻であった。
『氷の貴公子』の異名を持つ男。
ジルベール・タレーラン公爵令息。
絶対的権力と富を有するタレーラン公爵家の唯一の後継者で絶世の美貌を持つ男。
しかしてその本性は冷酷無慈悲の女嫌い。
この国きっての選りすぐりの4人のご令嬢達は揃いも揃ってタレーラン家を叩き出された仲間なのだ。
こうやって集まるのはこれで2回目なのだが、やはり、話は自然と共通の話題、あの男のことになるわけで・・・。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる