婚約破棄、ありがとうございます

奈井

文字の大きさ
35 / 40

35

しおりを挟む

「う~ん、餌というより人質かな。パートナーが決まっているなら一緒にいさせればそこから逃げないでしょ?」

人質…ティーシルがルミーと呼び望む相手、それはルミア・ジュブワ男爵令嬢。

ベルナルダンお兄様は2人を一緒にさせてあげたくて、いつもは言わないそんな我侭を小父様に言ったのね。

前に、私がベルナルダンお兄様に無理なお願いしてしまっていた事もあるから…。

「ごめんなさい…私が2人の力になってほしいなんてお願いしたから…。」

「エミリに言われた事もあるけど…弟の幸せを願うのも兄の役目だと思わない?ティーシルだって今まで侯爵家の為にたくさんの努力をしてきただろうし、このまま父さんの怒りを買って駆け落ちでもされたら侯爵家も損するよ。きっと。それに、僕の目を覚まさせてくれたしね。」

そう言っていたずらが成功したみたいな、おどけた表情を私に向けてくれた。

昔のままだ、そのお顔。

ベルナルダンお兄様の優しさで私の心も解れてくる。

「目を覚まさせてくれた?」

なんのことだろう?

私がわからないと目で問いかければベルナルダンお兄様はニッコリと微笑み説明してくれた。

「僕がいろいろ考えて、結局動けなくなる意気地無しって彼は知っているからね。エミリの元へ行けるように、尻を叩かれたよ。…叩かれたのは頬か。」

おどけて摩る頬はまだ痛そうです…。

なんだかとても申し訳ない気持ちが沸いてきて、ベルナルダンお兄様の頬から視線を外します。

「…小父様はなんて?」

話を元に戻し先を聞きます。

せっかくのベルナルダンお兄様の提案だけど却下されては意味がないもの。

でも、小父様はとても怒ってらっしゃると聞いています。

大丈夫かしら?

「渋々だけど、ティーシルを交えてジュブワ男爵と話してみる、と言っていたよ。ティーシルもおとなしく帰ったようだし、この話はこれからだね。ティーシル次第だよ。」

そうね、ティーシルもやっと始まる事ができるのね。

身体から力が抜けてホッとしました。

「…エミリ。もう1つ、僕が言ったこと忘れてない?」

え?




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

伯爵令嬢の婚約解消理由

七宮 ゆえ
恋愛
私には、小さい頃から親に決められていた婚約者がいます。 婚約者は容姿端麗、文武両道、金枝玉葉という世のご令嬢方が黄色い悲鳴をあげること間違い無しなお方です。 そんな彼と私の関係は、婚約者としても友人としても比較的良好でありました。 しかしある日、彼から婚約を解消しようという提案を受けました。勿論私達の仲が不仲になったとか、そういう話ではありません。それにはやむを得ない事情があったのです。主に、国とか国とか国とか。 一体何があったのかというと、それは…… これは、そんな私たちの少しだけ複雑な婚約についてのお話。 *本編は8話+番外編を載せる予定です。 *小説家になろうに同時掲載しております。 *なろうの方でも、アルファポリスの方でも色んな方に続編を読みたいとのお言葉を貰ったので、続きを只今執筆しております。

幸せな結婚生活に妻が幼馴染と不倫関係、夫は許すことができるか悩み人生を閉じて妻は後悔と罪の意識に苦しむ

佐藤 美奈
恋愛
王太子ハリー・アレクサンディア・テオドール殿下と公爵令嬢オリビア・フランソワ・シルフォードはお互い惹かれ合うように恋に落ちて結婚した。 夫ハリー殿下と妻オリビア夫人と一人娘のカミ-ユは人生の幸福を満たしている家庭。 ささいな夫婦喧嘩からハリー殿下がただただ愛している妻オリビア夫人が不倫関係を結んでいる男性がいることを察する。 歳の差があり溺愛している年下の妻は最初に相手の名前を問いただしてもはぐらかそうとして教えてくれない。夫は胸に湧き上がるものすごい違和感を感じた。 ある日、子供と遊んでいると想像の域を遥かに超えた出来事を次々に教えられて今までの幸せな家族の日々が崩れていく。 自然な安らぎのある家庭があるのに禁断の恋愛をしているオリビア夫人をハリー殿下は許すことができるのか日々胸を痛めてぼんやり考える。 長い期間積み重ねた愛情を深めた夫婦は元の関係に戻れるのか頭を悩ませる。オリビア夫人は道ならぬ恋の相手と男女の関係にピリオドを打つことができるのか。

【完結】婚約者を奪われましたが、彼が愛していたのは私でした

珊瑚
恋愛
全てが完璧なアイリーン。だが、転落して頭を強く打ってしまったことが原因で意識を失ってしまう。その間に婚約者は妹に奪われてしまっていたが彼の様子は少し変で……? 基本的には、0.6.12.18時の何れかに更新します。どうぞ宜しくお願いいたします。

こんな婚約者は貴女にあげる

如月圭
恋愛
アルカは十八才のローゼン伯爵家の長女として、この世に生を受ける。婚約者のステファン様は自分には興味がないらしい。妹のアメリアには、興味があるようだ。双子のはずなのにどうしてこんなに差があるのか、誰か教えて欲しい……。 初めての投稿なので温かい目で見てくださると幸いです。

その結婚、承服致しかねます

チャイムン
恋愛
結婚が五か月後に迫ったアイラは、婚約者のグレイグ・ウォーラー伯爵令息から一方的に婚約解消を求められた。 理由はグレイグが「真実の愛をみつけた」から。 グレイグは彼の妹の侍女フィルとの結婚を望んでいた。 誰もがゲレイグとフィルの結婚に難色を示す。 アイラの未来は、フィルの気持ちは…

わたしは夫のことを、愛していないのかもしれない

鈴宮(すずみや)
恋愛
 孤児院出身のアルマは、一年前、幼馴染のヴェルナーと夫婦になった。明るくて優しいヴェルナーは、日々アルマに愛を囁き、彼女のことをとても大事にしている。  しかしアルマは、ある日を境に、ヴェルナーから甘ったるい香りが漂うことに気づく。  その香りは、彼女が勤める診療所の、とある患者と同じもので――――?

私が、良いと言ってくれるので結婚します

あべ鈴峰
恋愛
幼馴染のクリスと比較されて悲しい思いをしていたロアンヌだったが、突然現れたレグール様のプロポーズに 初対面なのに結婚を決意する。 しかし、その事を良く思わないクリスが・・。

私の何がいけないんですか?

鈴宮(すずみや)
恋愛
 王太子ヨナスの幼馴染兼女官であるエラは、結婚を焦り、夜会通いに明け暮れる十八歳。けれど、社交界デビューをして二年、ヨナス以外の誰も、エラをダンスへと誘ってくれない。 「私の何がいけないの?」  嘆く彼女に、ヨナスが「好きだ」と想いを告白。密かに彼を想っていたエラは舞い上がり、将来への期待に胸を膨らませる。  けれどその翌日、無情にもヨナスと公爵令嬢クラウディアの婚約が発表されてしまう。  傷心のエラ。そんな時、彼女は美しき青年ハンネスと出会う。ハンネスはエラをダンスへと誘い、優しく励ましてくれる。 (一体彼は何者なんだろう?)  素性も分からない、一度踊っただけの彼を想うエラ。そんなエラに、ヨナスが迫り――――? ※短期集中連載。10話程度、2~3万字で完結予定です。

処理中です...