恋、できる?!~ピアノ王子の恋はいたって普通(女子)~

奈井

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番外編 再びの夜は仕切りなおしなんだとか・・・③

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下着を身に着けたものの、ホテルの備え付けのバスローブを見て、これを羽織るだけでよかったのではないか、と疑問が沸き悩む事数分。

バスローブだけなんて、やるき満々みたいで嫌だ、やっぱりこれが正解!と下着の上にバスローブを羽織った。

よし!

気合を入れてバスルームのドアを開ける。

昊人が予約してくれていた部屋は裕が見た事も泊まった事もない広い部屋だった。

エレベーターを降り、部屋に入ればカウチソファが置いてある半円型のエントランスに出迎えられた。

それほど長くない廊下を通り、奥はリビング、途中にはバスルームの扉があった。

仕事終わりの二人が待ち合わせた時間帯は、リビングから望む60階の夜景が息を呑むすばらしい時間だった。

そして、リビングに隣り合うのは大きすぎるベッドが鎮座する寝室。

その部屋を見たとき裕は夜景の綺麗さで上昇した気分とは違う、熱が一気に上がり緊張で身体がこわばった。



「裕・・・こっちに来て。」

バスルームを出る時の勢いはリビングのドアを開けた瞬間どこかに飛んでいってしまった。

リビングのドアのところで固まっていると、昊人が優しい声で自分が座っているソファの隣へと手招きをしてくれた。

「シャンパンを開けたんだ。のど、渇いただろ?良く冷えているよ。」

細長いグラスの柄を裕の手に渡してくれた。

コクっと鳴るシャンパンを飲む昊人の喉を見つめる裕は、その出っ張りに男の人なんだ、と改めて思った。

裕の視線に気付き、柔らかく微笑みを返してくれる昊人からあわてて視線を外す。

昊人の喉仏に見惚れていた自分が、なんだかとても恥ずかしいくなった。

視線を外されても特に気にした様子も無い昊人は洗い立ての裕の髪に小さくキスを落とす。

「・・・俺もシャワー、浴びてくる。」

そういい残し側を離れていく昊人に寂しさと安堵をおぼえた。

いろいろ準備もしたし、覚悟もしてきた。

でも、いざとなるとこのステキな部屋を出て家に帰りたいと逃げ腰になる裕。

昊人さんが好き・・・。

ずーと、ずーと側にいたい。

手を繋いだり、さっきみたいに髪を触られたりもすごく好き。

できるならもっと近くにいてほしいし、抱きしめてほしい。

でも、その気持ちとは違う場所で何かが怖い・・・。

それが怖いのか、なんなのかもわからなくなってきた。


長い細い指に、いつのまにか握り締めていたグラスをそっと外された。

・・・!

グラスの行方を目で追えば昊人の口へと導かれた。

また動いてる・・・。

喉仏と濡れた髪と裕とおそろいの真っ白なフワフワのバスローブを着ているが昊人が目に入る。

「・・・温くなってるな。いいタイミングで飲まないと美味しくないだろ?」

空になったグラスをテーブルに置くと昊人は裕の視線を捕らえた。

今度はそれを外す事はできずに、言葉も紡ぐ事もできずにいると妙に胸が苦しくなってきた。

「・・・こんなに我慢させられたのは初めてだ。・・・寝室に行くよ。」

膝裏と背中に昊人の腕の感触と温度を感じた。

急に不安定な体勢になったが、これは経験済み。

お姫様だっこに決して馴れた訳では無いが、1度目より驚きは少ない。

昊人と視線の高さが同じだと気付く。

先ほどのソファの時より顔が近い・・・。

そう思うが早いか、唇を奪われた。

すぐに離れた昊人の唇から言葉がこぼれる。

「しっかり掴まって。」





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