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番外編 再びの夜は仕切りなおしなんだとか・・・⑧

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「?・・・どうした?」

その行動に何を意味するのかわからない昊人は首をかしげる。

視線をずらし裕はつぶやく。

「なんか・・・慣れているから・・・ムカつく、というか、面白くないです。」

あ~かわいくない!

ムード台無しじゃん!

こんな場所で何も着ていない女子が言う言葉ではないと思う。

そしてすぐに言ったことを後悔し落ち込む。

当然、昊人の今まで女性関係を理解しているのに、まざまざと手際のよさを見せ付けられると我慢できなくなったのだ。

頭の中でわかっているが、心では本当は気にしている裕。

そりゃ、いろいろ下手より上手い方が良いわけだが、と自分を納得させようといろいろとならべてみるが、一度でた言葉は無かったことにはならない。

謝ろうと思い視線を昊人にもどぜば、意外にもこっちを見て口角を上げていた。

「・・・なに?」

裕が小さな声で尋ねれば、さらに顔を近づけてくる。

「嬉しいよ。それ・・・嫉妬、でしょ?それだけ俺は裕に愛されているんだと思うと、嬉しくて我慢が利かなくなる。」

言いい捨てるように再び唇を奪われた。

強く、弱く、強弱を付けて角度を何度もかえてくる昊人に裕は何も考えられなくなる。

ただ自分の発言に怒っていないことはわかった。

唇から昊人のそれが離れれば、すぐに首筋に押し当てられた。

「裕は聞き分けいいから・・・面倒くさく無くていいと思っていたけど。・・・やっぱりうれしいもんだね。・・・まるで俺の事が・・・好きでしょうがないみたいに聞こえる・・・。」

ときどき離れた昊人の唇からもれる言葉は嬉しそうで艶があり、かなりこっちの気持ちを高まらせるには充分だった。

近くの壁に身体を押し付けられ、背中の冷たさと、胸やデコルテを這い回る熱との温度差で身体も頭もどうにかなりそうだった。

ずり落ちそうになる身体をもともと力の入らない足は支えられないので、ズルっと身体が下に下がる。

「おっと。・・・ごめん、夢中になりすぎた。・・・悪いけど。シャワーは後でね。」

そう言って、再びお姫様抱っこをすると歩き出す昊人は迷い無く寝室へ。

「え!待って!・・・・!」

もうすぐそこだったのに、寝室より近かったでしょう!

そんな、裕の考えも言葉も何もかも飲み込み、昊人は昨晩よりも遠慮なく手にも舌にも腰にも力を入れ、思うがままに裕を翻弄した。






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これにて「番外編 再びの夜は仕切りなおしなんだとか・・・」は完結です。
おつきあいいただきましてありがとうございました。
また、そっと番外編でお会いできればと思っております。

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