10 / 20
10話 家族との時間
しおりを挟む
ジェシカは眼前の屋敷を見上げる。
ステイプルズ家が所有するタウンハウスは家の格に相応しい程よい大きさだ。数年ぶりに訪れる屋敷を前に、ジェシカは気後れしていた。
「どうなさいましたか、お嬢さま」
迎えに来た執事が、不思議そうにジェシカを見る。
「いえ、なんでもないわ。ただ、久しぶりだなと思って」
「去年は皆様、王都に来られませんでしたからね。……皆様、お嬢さまにお会いするのを楽しみにされていますよ」
執事がそう微笑みかける。彼は長年ステイプルズ家に仕えており、内情をよく知っている。室内に入ることを躊躇するジェシカを気遣ってくれているのだろう。
ジェシカも笑みを返し、屋敷に向かった。
「姉上! おかえりなさい!」
玄関に足を踏み入れた瞬間、そんな明るい声がジェシカを出迎えた。顔を上げると、階段から勢いよく少年が駆け下りてくるのが目に飛び込んだ。
「ユージーン! 走っては危ないわ!」
ジェシカの注意に、ユージーンははっとした顔をして足を止めた。背筋を伸ばし、ジェシカに頭を下げる。
「申し訳ありません、姉上。久しぶりにお会いできたので、つい嬉しくなってしまって……ステイプルズ家の者として、ふさわしくない行いをしてしまいました」
ジェシカは微笑んだ。まだ十歳なのに、大人びた言動をしようとする弟がかわいらしかった。
「あなたが怪我しないかが心配なの。気をつけてね」
ユージーンは顔をほころばせて頷く。
「姉上、談話室に行きましょう! 父上も母上も姉上をお待ちしていますよ!」
ジェシカの手を引きながら、ユージーンは談話室へと向かう。年頃の弟は素っ気なくなることもあると聞くが、ユージーンは二年前と変わらない。
「姉上が戻られました!」
ユージーンの言葉に、談話室のソファに座っていた父と母が顔を上げる。
「ジェシカ……おかえりなさい」
「ニ年ぶりだが、元気そうで良かったよ」
両親は穏やかな笑顔でジェシカを迎え入れた。
とうに五十を越えている彼らの頭髪はチラホラと白髪が目立ち、目元のシワも以前より深くなっている。
「お久しぶりです。おふたりも、お元気そうで安心しました」
挨拶を交わし、ジェシカもソファに座る。
「今日のために、お菓子を用意したんです。それ食べながら、お話しましょう。姉上に直接話したいこと、たくさんあるんです! 手紙だと書ききれなくて」
ユージーンとは時折手紙でやりとりをしていた。後継者教育が始まったユージーンは忙しいようで、頻度は高くないが、必ず手紙を出してくれる。
お茶をしながら、それぞれの近況報告をした。話したいことがたくさんあると言うだけあって、ユージーンは饒舌だった。
彼を中心に、話は弾んだ。
父も母も楽しそうに顔をほころばせていた。ジェシカも終始笑顔が耐えなかった。
幸せな一家の団らん。はたから見たらそう見えるに違いない。
ユージーンもきっとそう信じて疑ってないだろう。
両親は穏やかに笑っている。だが、ジェシカと目が合うと、ほんのわずかにその顔がこわばる。
ジェシカと両親はけっして仲が悪いわけではない。両親はジェシカを愛してくれているし、ジェシカも両親を敬愛している。
彼らがジェシカに見せるぎこちなさは、引け目からくるものだ。
「後継者教育って、思っていた以上に難しいんですね。成し遂げられるか心配です」
両親が気まずそうに目を伏せた。ユージーンが気づかないくらいの極わずかな間の仕草だったが、ジェシカは居た堪れない気持ちになる。
ジェシカは自身の気持ちを見て見ぬふりをして、ユージーンに微笑みかける。
「大丈夫よ、あなたなら立派な後継者になれるわ。私の弟だもの」
「はい! 僕も姉上のように立派な大人になります!」
しばらく談話室で家族団らんの時間を過ごした後、ジェシカは自室へと向かった。
ジェシカの自室は無機質なものだった。
調度品は飾り気のないシンプルなもので統一しており、絵画なども飾られていない。
両親は部屋の内装を変えるように提案してくれたが、一年に数回使うか使わないかなので、断った。それに、この部屋を変えてしまうのはこれまでの自分を消してしまうようで嫌だった。
「九年、頑張ってきたものね」
使いこまれた机にふれる。物心付いた頃から、かじりつくように勉学に励んできた。令嬢らしい遊びも学びもすべて諦めて、ひたすら努力してきた。
ステイプルズ家の後継者となるために。
両親には長年子どもができなかった。周囲は離婚を勧めたが、ふたりはけっして別れなかった。
実子が無理なら、親戚から養子をもらえばいい。
そう思っていた時、子どもができた。結婚から十二年目のことだった。
生まれたのは女児だった。後継者は男が優先されるが、女でも家を継ぐことはできる。
待望の第一子を両親は大事に育て、五才になる頃には早すぎる後継者教育を始めた。
女の当主は軽んじられやすい。ささいな言動すら重箱の隅をつつくように責められることも多く、ジェシカが将来苦労しないようにと早めに教育を施したのだ。
ジェシカは他の令嬢たちのようにお茶会をしたり綺麗なドレスをまとったりしたかった。
けれど、自分のわがままで両親たちを困らせたくはない気持ちのほうが勝った。ステイプルズ家の直系は自分しかいなかったから。
そうやって自分を律しながらステイプルズ家の後継者として認められ始めた十四歳の頃、弟のユージーンが生まれた。
「姉上! 夕食まで時間がありますし、よければチェスをしませんか?」
ジェシカが部屋でくつろいでいると、ユージーンが遊び道具を抱えてジェシカの部屋を訪れた。
「あら。さっき勉強を頑張ると部屋に戻ったんじゃなかったかしら?」
「う……そ、それはまた後日頑張ります! 今日は久しぶりに姉上とお会いできたので、遊びたくて」
「ふふ。冗談よ。たまには息抜きも必要だし、私も暇をしていたの。いいわ、遊びましょう」
「やった! 姉上、僕かなり腕を磨いたんです。今日は手加減なしでお願いします」
ユージーンが五歳の頃からチェスやカードゲームで遊んでいた。どれもギリギリ彼が勝つようにと調整していたのだが、本人にはバレていたらしい。
それならとジェシカは全力で相手をすることにした。この年頃は子供扱いをされるのが嫌になり始める時期だ。
「――チェックメイト」
「……うう、途中までは勝てると思ったのに」
悔しそうに盤上を見つめ、ユージーンはつぶやいた。
手を抜くなとジェシカに頼むだけあって、ユージーンは以前よりもかなり強くなっていた。この成長速度だと、後数年も経たないうちにジェシカを打ち負かすのではないだろうか。
チェスだけではない。ユージーンは勉学でも頭角を発揮し始めていると聞いている。かつてジェシカも学びを受けていた家庭教師が太鼓判を押すくらいだ、ユージーンはやがて優れたステイプルズ家当主になるだろう。
「……姉上? どうなさいましたか?」
ユージーンの声に、ジェシカはハッとする。
心配そうにこちらを見ているユージーンに、ジェシカは微笑みかけた。
「いえ。なんでもないのよ。強くなったわね。びっくりしちゃったわ」
「本当ですか!? もう一戦しましょう! 次こそ姉上に勝ってみせます!」
ユージーンは意気揚々とチェスの駒を並べ始める。先程までの悔しそうな表情はどこへやら、今はニコニコと楽しそうだ。
感情豊かなユージーンはきっと領地でのびのびと育っているのだろう。男であるユージーンはジェシカのように厳しくする必要はないのだから。
「姉上、始めましょう!」
ユージーンに促され、ジェシカは駒に手を伸ばした。
ステイプルズ家が所有するタウンハウスは家の格に相応しい程よい大きさだ。数年ぶりに訪れる屋敷を前に、ジェシカは気後れしていた。
「どうなさいましたか、お嬢さま」
迎えに来た執事が、不思議そうにジェシカを見る。
「いえ、なんでもないわ。ただ、久しぶりだなと思って」
「去年は皆様、王都に来られませんでしたからね。……皆様、お嬢さまにお会いするのを楽しみにされていますよ」
執事がそう微笑みかける。彼は長年ステイプルズ家に仕えており、内情をよく知っている。室内に入ることを躊躇するジェシカを気遣ってくれているのだろう。
ジェシカも笑みを返し、屋敷に向かった。
「姉上! おかえりなさい!」
玄関に足を踏み入れた瞬間、そんな明るい声がジェシカを出迎えた。顔を上げると、階段から勢いよく少年が駆け下りてくるのが目に飛び込んだ。
「ユージーン! 走っては危ないわ!」
ジェシカの注意に、ユージーンははっとした顔をして足を止めた。背筋を伸ばし、ジェシカに頭を下げる。
「申し訳ありません、姉上。久しぶりにお会いできたので、つい嬉しくなってしまって……ステイプルズ家の者として、ふさわしくない行いをしてしまいました」
ジェシカは微笑んだ。まだ十歳なのに、大人びた言動をしようとする弟がかわいらしかった。
「あなたが怪我しないかが心配なの。気をつけてね」
ユージーンは顔をほころばせて頷く。
「姉上、談話室に行きましょう! 父上も母上も姉上をお待ちしていますよ!」
ジェシカの手を引きながら、ユージーンは談話室へと向かう。年頃の弟は素っ気なくなることもあると聞くが、ユージーンは二年前と変わらない。
「姉上が戻られました!」
ユージーンの言葉に、談話室のソファに座っていた父と母が顔を上げる。
「ジェシカ……おかえりなさい」
「ニ年ぶりだが、元気そうで良かったよ」
両親は穏やかな笑顔でジェシカを迎え入れた。
とうに五十を越えている彼らの頭髪はチラホラと白髪が目立ち、目元のシワも以前より深くなっている。
「お久しぶりです。おふたりも、お元気そうで安心しました」
挨拶を交わし、ジェシカもソファに座る。
「今日のために、お菓子を用意したんです。それ食べながら、お話しましょう。姉上に直接話したいこと、たくさんあるんです! 手紙だと書ききれなくて」
ユージーンとは時折手紙でやりとりをしていた。後継者教育が始まったユージーンは忙しいようで、頻度は高くないが、必ず手紙を出してくれる。
お茶をしながら、それぞれの近況報告をした。話したいことがたくさんあると言うだけあって、ユージーンは饒舌だった。
彼を中心に、話は弾んだ。
父も母も楽しそうに顔をほころばせていた。ジェシカも終始笑顔が耐えなかった。
幸せな一家の団らん。はたから見たらそう見えるに違いない。
ユージーンもきっとそう信じて疑ってないだろう。
両親は穏やかに笑っている。だが、ジェシカと目が合うと、ほんのわずかにその顔がこわばる。
ジェシカと両親はけっして仲が悪いわけではない。両親はジェシカを愛してくれているし、ジェシカも両親を敬愛している。
彼らがジェシカに見せるぎこちなさは、引け目からくるものだ。
「後継者教育って、思っていた以上に難しいんですね。成し遂げられるか心配です」
両親が気まずそうに目を伏せた。ユージーンが気づかないくらいの極わずかな間の仕草だったが、ジェシカは居た堪れない気持ちになる。
ジェシカは自身の気持ちを見て見ぬふりをして、ユージーンに微笑みかける。
「大丈夫よ、あなたなら立派な後継者になれるわ。私の弟だもの」
「はい! 僕も姉上のように立派な大人になります!」
しばらく談話室で家族団らんの時間を過ごした後、ジェシカは自室へと向かった。
ジェシカの自室は無機質なものだった。
調度品は飾り気のないシンプルなもので統一しており、絵画なども飾られていない。
両親は部屋の内装を変えるように提案してくれたが、一年に数回使うか使わないかなので、断った。それに、この部屋を変えてしまうのはこれまでの自分を消してしまうようで嫌だった。
「九年、頑張ってきたものね」
使いこまれた机にふれる。物心付いた頃から、かじりつくように勉学に励んできた。令嬢らしい遊びも学びもすべて諦めて、ひたすら努力してきた。
ステイプルズ家の後継者となるために。
両親には長年子どもができなかった。周囲は離婚を勧めたが、ふたりはけっして別れなかった。
実子が無理なら、親戚から養子をもらえばいい。
そう思っていた時、子どもができた。結婚から十二年目のことだった。
生まれたのは女児だった。後継者は男が優先されるが、女でも家を継ぐことはできる。
待望の第一子を両親は大事に育て、五才になる頃には早すぎる後継者教育を始めた。
女の当主は軽んじられやすい。ささいな言動すら重箱の隅をつつくように責められることも多く、ジェシカが将来苦労しないようにと早めに教育を施したのだ。
ジェシカは他の令嬢たちのようにお茶会をしたり綺麗なドレスをまとったりしたかった。
けれど、自分のわがままで両親たちを困らせたくはない気持ちのほうが勝った。ステイプルズ家の直系は自分しかいなかったから。
そうやって自分を律しながらステイプルズ家の後継者として認められ始めた十四歳の頃、弟のユージーンが生まれた。
「姉上! 夕食まで時間がありますし、よければチェスをしませんか?」
ジェシカが部屋でくつろいでいると、ユージーンが遊び道具を抱えてジェシカの部屋を訪れた。
「あら。さっき勉強を頑張ると部屋に戻ったんじゃなかったかしら?」
「う……そ、それはまた後日頑張ります! 今日は久しぶりに姉上とお会いできたので、遊びたくて」
「ふふ。冗談よ。たまには息抜きも必要だし、私も暇をしていたの。いいわ、遊びましょう」
「やった! 姉上、僕かなり腕を磨いたんです。今日は手加減なしでお願いします」
ユージーンが五歳の頃からチェスやカードゲームで遊んでいた。どれもギリギリ彼が勝つようにと調整していたのだが、本人にはバレていたらしい。
それならとジェシカは全力で相手をすることにした。この年頃は子供扱いをされるのが嫌になり始める時期だ。
「――チェックメイト」
「……うう、途中までは勝てると思ったのに」
悔しそうに盤上を見つめ、ユージーンはつぶやいた。
手を抜くなとジェシカに頼むだけあって、ユージーンは以前よりもかなり強くなっていた。この成長速度だと、後数年も経たないうちにジェシカを打ち負かすのではないだろうか。
チェスだけではない。ユージーンは勉学でも頭角を発揮し始めていると聞いている。かつてジェシカも学びを受けていた家庭教師が太鼓判を押すくらいだ、ユージーンはやがて優れたステイプルズ家当主になるだろう。
「……姉上? どうなさいましたか?」
ユージーンの声に、ジェシカはハッとする。
心配そうにこちらを見ているユージーンに、ジェシカは微笑みかけた。
「いえ。なんでもないのよ。強くなったわね。びっくりしちゃったわ」
「本当ですか!? もう一戦しましょう! 次こそ姉上に勝ってみせます!」
ユージーンは意気揚々とチェスの駒を並べ始める。先程までの悔しそうな表情はどこへやら、今はニコニコと楽しそうだ。
感情豊かなユージーンはきっと領地でのびのびと育っているのだろう。男であるユージーンはジェシカのように厳しくする必要はないのだから。
「姉上、始めましょう!」
ユージーンに促され、ジェシカは駒に手を伸ばした。
8
あなたにおすすめの小説
異世界育ちの侯爵令嬢と呪いをかけられた完璧王子
冬野月子
恋愛
突然日本から異世界に召喚されたリリヤ。
けれど実は、リリヤはこの世界で生まれた侯爵令嬢で、呪いをかけられ異世界(日本)へ飛ばされていたのだ。
魔力量も多く家柄の良いリリヤは王太子ラウリの婚約者候補となる。
「完璧王子」と呼ばれていたが、リリヤと同じく呪いのせいで魔力と片目の視力を失っていたラウリ。
彼との出会いの印象はあまり良いものではなかった。
酔っぱらい令嬢の英雄譚 ~チョコレートを食べていたら、いつの間にか第三王子を救っていたようです!~
ゆずこしょう
恋愛
婚約者と共に参加するはずだった、
夜会当日──
婚約者は「馬車の予約ができなかった」という理由で、
迎えに来ることはなかった。
そして王宮で彼女が目にしたのは、
婚約者と、見知らぬ女性が寄り添う姿。
領地存続のために婿が必要だったエヴァンジェリンは、
感情に流されることもなく、
淡々と婚約破棄の算段を立て始める。
目の前にあった美味しいチョコレートをつまみながら、
頭の中で、今後の算段を考えていると
別の修羅場が始まって──!?
その夜、ほんの少しお酒を口にしたことで、
エヴァンジェリンの評価と人生は、
思いもよらぬ方向へ転がり始める──
男に間違えられる私は女嫌いの冷徹若社長に溺愛される
山口三
恋愛
「俺と結婚してほしい」
出会ってまだ何時間も経っていない相手から沙耶(さや)は告白された・・・のでは無く契約結婚の提案だった。旅先で危ない所を助けられた沙耶は契約結婚を申し出られたのだ。相手は五瀬馨(いつせかおる)彼は国内でも有数の巨大企業、五瀬グループの若き社長だった。沙耶は自分の夢を追いかける資金を得る為、養女として窮屈な暮らしを強いられている今の家から脱出する為にもこの提案を受ける事にする。
冷酷で女嫌いの社長とお人好しの沙耶。二人の契約結婚の行方は?
英雄魔術師様とのシークレットベビーが天才で隠し通すのが大変です
氷雨そら
恋愛
――この魔石の意味がわからないほど子どもじゃない。
英雄魔術師カナンが遠征する直前、フィアーナと交わした一夜で授かった愛娘シェリア。フィアーナは、シェリアがカナンの娘であることを隠し、守るために王都を離れ遠い北の地で魔石を鑑定しながら暮らしていた。けれど、シェリアが三歳を迎えた日、彼女を取り囲む全ての属性の魔石が光る。彼女は父と同じ、全属性の魔力持ちだったのだ。これは、シークレットベビーを育てながら、健気に逞しく生きてきたヒロインが、天才魔術師様と天才愛娘に翻弄されながらも溺愛される幸せいっぱいハートフルストーリー。小説家になろうにも投稿しています。
溺愛王子の甘すぎる花嫁~悪役令嬢を追放したら、毎日が新婚初夜になりました~
紅葉山参
恋愛
侯爵令嬢リーシャは、婚約者である第一王子ビヨンド様との結婚を心から待ち望んでいた。けれど、その幸福な未来を妬む者もいた。それが、リーシャの控えめな立場を馬鹿にし、王子を我が物にしようと画策した悪役令嬢ユーリーだった。
ある夜会で、ユーリーはビヨンド様の気を引こうと、リーシャを罠にかける。しかし、あなたの王子は、そんなつまらない小細工に騙されるほど愚かではなかった。愛するリーシャを信じ、王子はユーリーを即座に糾弾し、国外追放という厳しい処分を下す。
邪魔者が消え去った後、リーシャとビヨンド様の甘美な新婚生活が始まる。彼は、人前では厳格な王子として振る舞うけれど、私と二人きりになると、とろけるような甘さでリーシャを愛し尽くしてくれるの。
「私の可愛い妻よ、きみなしの人生なんて考えられない」
そう囁くビヨンド様に、私リーシャもまた、心も身体も預けてしまう。これは、障害が取り除かれたことで、むしろ加速度的に深まる、世界一甘くて幸せな夫婦の溺愛物語。新婚の王子妃として、私は彼の、そして王国の「最愛」として、毎日を幸福に満たされて生きていきます。
「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」
透子(とおるこ)
恋愛
25歳OL・佐神ミレイは、仕事も恋も完璧にこなす美人女子。しかし本当は、年上の男性に甘やかされたい願望を密かに抱いていた。
そんな彼女の前に現れたのは、気まぐれな女神ルミエール。理由も告げず、ミレイを異世界アルデリア王国の公爵家へ転移させる。そこには恐ろしく気難しいと評判の45歳独身公爵・アレクセイが待っていた。
最初は恐怖を覚えるミレイだったが、公爵の手厚い保護に触れ、次第に心を許す。やがて彼女は甘く溺愛される日々に――。
仕事も恋も頑張るOLが、異世界で年上公爵にゴロニャン♡ 甘くて胸キュンなラブストーリー、開幕!
---
竜王に嫁いだら、推しの半竜皇子の継母になりました〜冷酷な夫には興味ありませんが、闇落ち予定の皇子は私が全力で幸せにします!〜
せりもも
恋愛
転生したのは、web小説の世界だった。物語が始まる前の時間、隣国の竜王へ嫁ぐ薄幸の王女、デジレに。
結婚相手である竜王ワッツァは、冷酷非道で人間を蔑む恐ろしい竜人だ。彼はデジレを、半竜(半分竜で半分人間)である息子の養育係としかみていない。けれどその息子バートラフこそ、前世の「わたし」の最オシ」だった。
この世界のバートラフはまだ5歳。懸命に悪ガキぶっているけど、なんてかわいいの!? 小説のバートラフは、闇落ちして仲間の騎士たちに殺されてしまうけど、そんな未来は、絶対に許さないんだから!
幼いバートラフに対する、愛情いっぱいの子育ての日々が始まる。やがて彼の成竜への通過儀礼を経て、父の竜王は、デジレに対して執着を見せ始める。
ところが、竜と人間の戦争が始まってしまう。おとなになったバートラフは人間側につき、聖女の騎士団に入った。人と竜の間で下される彼の決断は? そして、転生者デジレに与えられたスキル「プロットを破断する者」を、彼女はどう発動させるのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる