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第1章 ミントの香りがした
第2話 ハバナクラブを手にした彼
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「本当に、奏……?」
カウンター越し、律希の瞳が少し驚きと、どこか安堵の色を含んでいた。
私は小さく頷いて、グラスの中で揺れるミントに視線を落とした。
「久しぶり。……ほんとに、ここで会うなんて思わなかった。」
「こっちこそ。まさかフェスで君に再会するとは。」
律希は照れくさそうに笑い、手元のバースプーンで氷を静かに回す。
細い指先が、当時と変わらず、どこか不器用で丁寧だった。
「……バーテンダーになったんだね。」
「うん。まだ勉強中だけどね。今日はイベント出店の応援。地元だし、断れなくて。」
彼の横には、整然と並んだボトルと、よく冷えたライムのバスケット。
琥珀色の「ハバナクラブ」は、氷の灯に透けて、まるであの夏の夕陽のようだった。
「君が初めて飲んだカクテル、覚えてる?」
唐突な質問に、胸が小さく跳ねる。
「……モヒート。」
「そう。俺が初めて作ったカクテルでもある。」
律希はグラスの縁にそっとライムをなぞらせ、差し出した。
炭酸が弾ける音とともに、ミントの香りがふわりと広がる。
「よかったら、一杯。――“おかわり”、じゃないけど。」
その言葉に、私は少しだけ笑って、グラスを受け取った。
あの夏、私は彼の作ったこの味に、少しだけ恋をした。
そして今、再びこの味が、過去と現在を繋ごうとしている。
カウンター越し、律希の瞳が少し驚きと、どこか安堵の色を含んでいた。
私は小さく頷いて、グラスの中で揺れるミントに視線を落とした。
「久しぶり。……ほんとに、ここで会うなんて思わなかった。」
「こっちこそ。まさかフェスで君に再会するとは。」
律希は照れくさそうに笑い、手元のバースプーンで氷を静かに回す。
細い指先が、当時と変わらず、どこか不器用で丁寧だった。
「……バーテンダーになったんだね。」
「うん。まだ勉強中だけどね。今日はイベント出店の応援。地元だし、断れなくて。」
彼の横には、整然と並んだボトルと、よく冷えたライムのバスケット。
琥珀色の「ハバナクラブ」は、氷の灯に透けて、まるであの夏の夕陽のようだった。
「君が初めて飲んだカクテル、覚えてる?」
唐突な質問に、胸が小さく跳ねる。
「……モヒート。」
「そう。俺が初めて作ったカクテルでもある。」
律希はグラスの縁にそっとライムをなぞらせ、差し出した。
炭酸が弾ける音とともに、ミントの香りがふわりと広がる。
「よかったら、一杯。――“おかわり”、じゃないけど。」
その言葉に、私は少しだけ笑って、グラスを受け取った。
あの夏、私は彼の作ったこの味に、少しだけ恋をした。
そして今、再びこの味が、過去と現在を繋ごうとしている。
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