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追憶の旅
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““死にたいーー“
人々は言葉を手ですくう雪のごとく、まるでそうとでも言わなければならない呪縛にかかっているかのような、そんな十字架を背負うかのような、足取と反比例する速さで口にしという。けれども、それを本当に、芯の通った思いで実行する人間はこの国に17分に一人しかいないそうだ。
17歳のころ、この国ではもっと多くの人間が叫んでいるのに、と多いのか少ないのか大小の判別がつかない頭でひとり、朝なにもない平坦な道を歩く。
世界では40秒に一人が行動を起こしていると知った。この国ではあまりにも真面目が過ぎるためにこのような統計的結果に陥っているのだ。詰まる所、この国の死は虚構であって現実のものではなく、あくまでもフィクションの中に介在するものであるということだ。そういった認識が根強いために自らにかかる些細なアクシデントを不幸とし、遠い場所で起こった虐殺事件に心を傷めた慈悲深い皮を被って今日も偽りの死を口にするのだろう。そして変わらず誰かによって生み出された死を面白おかしく嘲笑い嗜好としその狂気を感じることなくいつものように甘い珈琲を啜っている。そのような趣味嗜好についてどうこう言うつもりは毛頭無いつもりではあるが、これから死を迎合する人間にとってはそこに些かの疑問も抱かないことに対しては別のように思えてならない。
そう考えが浮遊していたら、いつもの騒がしい校庭にたどり着いていた。
人々は言葉を手ですくう雪のごとく、まるでそうとでも言わなければならない呪縛にかかっているかのような、そんな十字架を背負うかのような、足取と反比例する速さで口にしという。けれども、それを本当に、芯の通った思いで実行する人間はこの国に17分に一人しかいないそうだ。
17歳のころ、この国ではもっと多くの人間が叫んでいるのに、と多いのか少ないのか大小の判別がつかない頭でひとり、朝なにもない平坦な道を歩く。
世界では40秒に一人が行動を起こしていると知った。この国ではあまりにも真面目が過ぎるためにこのような統計的結果に陥っているのだ。詰まる所、この国の死は虚構であって現実のものではなく、あくまでもフィクションの中に介在するものであるということだ。そういった認識が根強いために自らにかかる些細なアクシデントを不幸とし、遠い場所で起こった虐殺事件に心を傷めた慈悲深い皮を被って今日も偽りの死を口にするのだろう。そして変わらず誰かによって生み出された死を面白おかしく嘲笑い嗜好としその狂気を感じることなくいつものように甘い珈琲を啜っている。そのような趣味嗜好についてどうこう言うつもりは毛頭無いつもりではあるが、これから死を迎合する人間にとってはそこに些かの疑問も抱かないことに対しては別のように思えてならない。
そう考えが浮遊していたら、いつもの騒がしい校庭にたどり着いていた。
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