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最下層 side
最下層 side:シェルア
しおりを挟む昨今では性的嗜好が問題視されている。
嗜好のままで終われば一番良いのだが、行動に移すと責任が伴れるのが社会だ。
今回の眼球愛好も最初は人形の目で満足していたらしいが、次第にそれでは満足出来なくなった。
そうして人形の目から動物の目、動物の目から人間の目へと標的を変えたのだ。
思想のままであれば良かった。しかし男は行動に移してしまった。だから法によって裁かれる。
それがこの世界の理である。
目星をつけていた路地裏をいくつか回っていると、男の姿を見つけた。
側で倒れている少年は今回の被害者らしい。
幸いにして目はくり抜かれていなかった。
男に同行を願うと、邪魔をするなと言ってきたが、最後まで話を聞く気はなかった。
知人の友人が被害に遭ったのだ。優しい人を悲しませる目の前の男が許せなかった。
重い蹴りを入れて彼を気絶させると、ロジェにやりすぎと苦言を呈される。
知人の友人が被害に遭ったからと理由を話すと、気持ちはわからなくもないけど一人で突っ走るなとロジェは私に忠告した。
罪人とはいえ男に思い切り攻撃した事を反省していると、ロジェは回収屋には連絡したからと言った。
御礼を言うと、ロジェが倒れている少年をそれはどうしたとばかりに指を差す。
屈んで少年の容態を確認すると、私は息はしていると答えた。
ロジェは眉間に皺を寄せて少年をどうする気だと尋ねると、連れて帰ると言った私に、なんでもかんでも拾うなと小言を言った。
適当に聞き流して少年を抱き上げる。
怪我はしているが軽度のもので、医者にかかるような傷は見当たらなかった。
ロジェは過去の件を持ち出して、私のやっている事はいらない世話だと言う。
ロジェの家に連れて帰る訳じゃないと反論すると、ロジェは此処は子供相手でも油断出来ない場所だから見捨てる選択肢も残しておいた方がいいと口にした。
本心で言っているのではないと頭では理解しているが、私は少しムッとなって子供を引き取って迷惑をかけた事があるかを問いかける。
するとロジェは迷惑はかけた事はないけど心配はかけた事があると言って、先月の一件を例に挙げた。
私は何も言えなかった。でもあの時の私は最善を尽くしての行動だったから、言い訳くらいはさせてほしかった。
ロジェは回収屋に眼球愛好の男を引き渡すと、さっさと帰っていった。
……次会った時、また小言を言われるだろうな。
私は小さく溜息をつくと、少年を家まで連れて帰った。
靴を脱がせて客室用のベッドへと運ぶ。
すぐに手当てをしようと少年の髪を撫でて救急箱を取りに行くと、部屋に戻って来た時には少年は深い眠りに就いていた。
私は少年を起こさないように汚れた肌を濡れたタオルで拭くと、そっと手当てをして寝室を後にした。
マリアとルイスに、少年を拾ったためしばらく大福とよもぎを預かってほしいとトークアプリに連絡を入れる。
真夜中に近い時間帯だというのに二人からの返信は早く、すぐに家に迎えに来てくれた。
離ればなれになるのは心苦しいが、少年が万が一動物アレルギーを持っていた場合の配慮だ。
大福とよもぎに謝ると、大福はお泊まりにはしゃいで尻尾を振っていたが、よもぎは不満そうな顔をしていて申し訳なくなった。
♢
朝、寝室のドアを控えめにノックする。
返事がなかったため様子を見に部屋に入ると、少年は既に起きていた。
驚いている少年に謝って、痛い所はないかと尋ねると、少年は大丈夫だと口にした。
私は怖がらせないように笑みを浮かべると、痛みを我慢しないよう少年に伝えて頭を撫でた。
柔らかな金糸の髪は太陽のようだ。
右目はちゃんと見ていないからわからないが、恐らく病気か怪我をしているのだろう。
私は自分の名前を名乗ると、少年の名前を尋ねた。
すると少年は途中で言葉に詰まり、様子がおかしくなった。
頭を抱えて唸り声を上げる少年の背中をさすって、呼吸を整えさせる。
「記憶喪失……?」
一つの可能性を口にすると、少年はしばらくして“サン”と名乗った。それも地上に暮らしていた凡人だと言う。
どうも記憶が抜け落ちているようで、サンはひどく取り乱した。
家族の名前も顔も思い出せないのはかなり辛く苦しい事だろう。
私は俯くサンの頭に手を置くと、いい名前だねと言った。
サンという名前は太陽という意味だ。
金糸の髪も、左目の赤も燃えるような太陽を連想させる。
この子が親に愛されて名前を付けられたのだと伝えたくて、君に相応しい名前だと話した。
目から涙を零すサンに、背中をさすって寄り添ったが、私はサンが自らを“凡人”と称していのが気になっていた。
謝るサンに不躾と思いながら、何処から来たか思い出せるかを尋ねる。
サンは申し訳なさそうに思い出せないと言うと、また目を潤ませた。
泣かせてしまった罪悪感に、私は急いでハンカチを取り出すと、サンの目元を優しく拭った。
行く宛がないなら此処に住むといいと言うと、サンは嫌ではないがお金がないと言った。
私にとってお金がないのは問題ではないため、素直に一人の人間を養えるくらいの財力はあると伝える。
サンはそれでも迷っていたが、私としてはどうしてもこの子を保護しておきたかった。
——サンは自らを“凡人”と言った。
最下層では有り得ない話だ。
地下に落ちた時点で彼は“才人”であるはずなのに、自分を“凡人”と信じて疑わなかった。
地下で落ちた衝撃に耐え切れずに記憶を失った人間がいるという話を何処かで聞いた事がある。
もしかしたらこの子もそうなのかもしれないが、彼が本当に“凡人”だとしたら、それは異常事態だ。ちょっとした手違いで済ませられる問題ではない。
下手すれば戦争の火種となり得る上に、彼自身も非常に危険な存在になる。
それに才人だらけの最下層に凡人が一人落ちたとなれば、私利私欲で彼を利用しようとする人間が少なからず現れるだろう。——とはいえ、彼が凡人だと確定した訳ではない。
記憶を失った際に自分が才人である事を忘れた、もしくは何らかの事情によって自分を凡人だと思い込んでいる可能性もある。
私はサンに此処が“地下”である事を説明すると、サン自身が才人である事を指摘した。
サンは私の発言に更に混乱したようだったが、改めて凡人が最下層にいるのは異常事態である事を話す。
余計な発言をして混乱させてしまった事を謝罪すると、私はサンの身元を調べる事を約束した。
小さく頷くサンに、そっと胸を撫で下ろす。
何もわからない状態で判断を下すのは精神的に負担だろう。
信じてくれた事に感謝を告げると、サンはありがとうとよろしくを言って差し出した私の手を取った。
サンは私の手をじっと見ていたが、目が合うと自分を襲った人間がどうなったか尋ねた。
安心させようと奴は監獄の中にいると話す。
しかしそれは逆効果だったようで、サンは眉を下げて落ち込んだ顔をした。
罪悪感を与えないようにああいう輩は罰が下るようになっているとあえて冷たく言うと、私の回答はズレていたらしく、サンは自分が何故狙われたのか疑問に思ったのだと口にした。
「凡人の僕を狙うなんて……」
呟くように言ったサンは、私にはどうにも危うい存在に見えた。
悪気はないのだろうが、受け取る人間によってはその類いの言葉は悪手になるだろう。
私は言葉を選びながら、自らを凡人と名乗るのは信用に置ける人間にしかしない方がいいと伝えた。
サンはいまいち理解していない様子だったが、頷いてはくれた。
彼には悪いが、私は平和に暮らすために一般生活で記憶喪失の“才人”だと嘘をついて貰うようお願いした。
寂しそうな顔をするサンが迷子の子供のようで、私は自分でお願いしたくせに胸が痛くなった。
「……あの……僕、お金ないからせめて家事手伝いします!」
「そんな事しなくても衣食住の保証はするよ?」
「いえ! やらせてください! 住まわせて貰うんだからタダって訳にはいきません!」
「わ、わかった。じゃあお願いね」
半ば押される形でサンの家事手伝いを許可した。
サンのお腹が鳴ったため、私達はダイニングに移動して早めの朝食を摂った。
「そういえば、汚れた所は手当ての時に拭いたからね」
「わ……すみません」
「お風呂の時染みないように気をつけるんだよ」
「はい……」
口に合うか心配だったが、サンは朝食を全て平らげてくれた。
食後は家の中を案内して、それぞれの部屋の説明をした。
サンはカレンダーを見ると、今日は仕事が休みなのかと尋ねた。
休みだと答えると、せっかくの休日なのに自分がいたらゆっくり休めないとサンは私を気遣った。
そんな事はないと首を横に振って、私は誰かと朝食を摂るのは久しぶりだから嬉しいと伝えた。
マリアンネやルイスと昼食や夕食を一緒に摂る事はあっても、朝食はずっと一人だった。
「昔はサンみたいな子と一緒に暮らしてたんだよ。といっても、サンよりうんと小さい子供だったけど」
「へえ、そうなんですか?」
「うん。もう大人になっちゃったからこの家にはあまり来ないけどね」
話題を変えて、私がしている仕事についてサンに話した。
おおまかには自由業の分類に入るとざっくり説明して、人助けを目的として活動をしているため警察と協力する事もあると伝えた。
サンに買い物を提案すると、荷物持ちだと張り切っていたが、サンの日用品を買う事を言うと何故か謝られてしまった。
何も悪くないから謝らないでと言うと、サンは頷いてありがとうと御礼を言った。
外へ出るとサンは辺りをキョロキョロと見回した。
何か思い出したかと聞いてみると、出会ったあの場所と雰囲気が違うため意外だったらしい。
治安の悪い場所にいたからと答えると、サンはかなり驚いていた。
小さく頷いて、私達がいる所は治安がいい方だとフォローしたが、言っている途中でフォローになってない事に気付いて、私は怖がらせた事を謝罪した。
するとサンは私が連れて行かなかったら死んでいたからと慌てた様子で口にした。
——優しい子だ。きっと両親に大切に育てられたのだろう。
少し歩いて若者向けの洋服店に入ると、私はサンに好きな服を選ぶよう言った。
遠慮がちなサンはそんなに買わないだろうと、良さそうな服を何着か見繕って買い物かごへと入れる。
会計の前にサンに試着を促すと、サイズが合わない物は省いて、今の時期に必要そうな服を十着ほど購入した。
店を出ると御礼を言ってくれたが、まだ買い物は終わっていない。
歯ブラシやマグカップ、下着も必要だと指摘すると、サンは固まっていた。
年頃の子が異性と下着を選ぶのは嫌だろうと、次の店でカードを使って購入するよう話した。
サンは丁寧に御礼を言うと、自分の考えが至らなかった事を恥じている様子だった。
自然体でいてほしい事をやんわり伝えると、努力しますと返事をされたため、無理のない範囲でと補足する。
次の店に向かうと、私はサンにカードを渡して、店外で買い物が終わるのを待った。
マリアとルイスにサンの情報を送信した後、医者のレネーさんに事の経緯を綴ったメールを送る。
マリアからはいつも通り丁寧な返信が来て、ルイスからは簡素な返信が来た。
少しするとサンが店から出てきた。
ちゃんと買えたか聞くと、店の人に差し入れを貰ったようで、私に紙袋の中身を見せると、カードを手渡した。
渡して来たのは前にお世話になったあの人の娘さんだろう。
私はカードを財布にしまうと、他に何か言っていたか尋ねた。
サンはその子に励まして貰ったらしい。
自分はそんなに不安そうな顔をしていたのかと頬を掻くサンに、不安を少しでもなくそうと頭を撫でる。
此処は確かに最下層だが、怖い人間ばかりがいる訳ではない。
私は保護者としてサンを守る事を約束した。
買い物は順調に進んで、軽めの昼食を摂りにマリアがたまに行っているカフェへ寄った。
客層は幅広く、落ち着いた雰囲気だ。
サンドイッチを食べた後は、デザートにチーズケーキと私はブルーベリーケーキを注文した。
サンは美味しいとわかりやすく目を輝かせてケーキを食べている。
礼儀作法もあるようだから、地上では良い家族と暮らしていたのだろう。
計算が得意か聞くと、サンは普通だと答えた。
やはり生活においての知識の記憶は失われていないらしい。
ただ、サンは家族や友人などの自分にとって大切な人間が思い出せないようで溜息をついた。
私は落ち込むサンにひょんな事で思い出すかもしれないと慰めて、明日医者に連れて行く事を約束したが、サンは浮かない顔のままだった。
お金の心配をしているか聞いてみると、予想通りの返事を貰った。
これでも稼いでいるからと言ってもサンは納得しなくて、私は言葉を変えて大人に甘えるよう伝えた。
そこでサンはやっと頷いた。
安堵の息をついてコーヒーを口に運ぶ。
仕事関連のメッセージが届いたため、急用のものだけ返信していると、サンが私のスマホを眺めている事に気付いた。
目の前の人間がスマホばかり触っていれば気分が悪いだろう。
すぐに謝罪すると、サンは仕事が忙しいのかと尋ねた。
サンの口にはケーキの食べかすが付いていて、私は笑うのを堪えると、差が激しくてと質問に答えながらテーブルにある紙ナプキンを渡した。
サンは慌てて口を拭くと、紙ナプキンを丸めて皿の端へ置いた。
帰りは色んな人から声をかけられて、嬉しい半面、少し申し訳なくなった。
ご近所さんには記憶喪失の子を預かる事になったと説明した。
私はサンが知らない人に囲まれて気疲れしていないか心配だったが、意外にもサンは平気そうだった。
近所の人から情報を得ると、サンは自分と同い年くらいかとマリアとルイスの年齢を尋ねる。
サンよりは年上だと言うと、残念そうな顔をされたため、同い年の子がいた方がいいかと聞き返した。
サンは気になっただけと言っていたが、私の年齢はサンと一回り以上離れている。
歳の近い子が側にいた方がサンも話しやすいだろうし、本人もそっちの方が気楽だろう。
紹介は出来るとサンに提案したが、会ったら緊張するからという理由で断られてしまった。
——遠慮していないだろうか。
「あの、本当に大丈夫ですから!」
食い気味に言うサンに頷く。
私はそれとなくルイスに仲良くして貰えるように誘導しようと心に決めた。
付き合いが長いのかと聞かれて、縁があった事を話しながら玄関のドアの鍵を開ける。
サンを先に家の中へ入れると、荷物を置いて手を洗って来るよう促した。
洗面所に向かうサンの背中を見送って、購入したサンの衣類を二階の部屋の前へと置く。
一階に降りてキッチンで手洗いを済ませると、ワンと聞き覚えのある鳴き声が聞こえた。
鳴き声がした方へ向かうと、そこには本来いないはずの大福がいた。
サンにこの犬はと聞かれて、私の家族で昨日隣に預けていた事を説明する。
するとサンは犬が好きでアレルギーもないと少しはしゃいだ様子で大福の側へ歩み寄った。
大福はサンの匂いを嗅ぎながら一周すると、私の言葉に悪びれもせず元気よく返事をした。
基本いい子なのに、食欲と好奇心に負けるのが大福である。
大福の名前の由来を聞くサンに餅だと頷くと、サンは大福の名前を呼んだ。
それに呼応するように大福は鳴くと、差し出したサンの手に前足を乗せた。
よもぎもこっちに来ていたようで、私と目が合うとバツが悪そうに目を逸らしてひと鳴きした。
サンがよもぎに注目すると、よもぎは私の足元に隠れる。
——あの頃に比べればかなりの進歩だが、やはり人間は苦手らしい。
私はそのままサンによもぎを紹介すると、よもぎが気を許すのに時間がかかる性格である事を伝えた。
サンはよもぎの気持ちを察して、申し訳なさそうにいきなり家に来た事をよもぎに謝罪した。
よもぎは何も応えない。
駄目かと眉を下げるサンにフォローを入れると、大福がよもぎに歩み寄った。
大福はよもぎを説得したのか、サンの側へよもぎを連れて行った。
そうしてよもぎはサンの匂いを嗅いで挨拶を済ませた。
サンは二匹の様子に不思議がっていたが、よもぎに嫌われていない事を伝えると、そんな風には見えなかったと言った。
素直じゃないからと返事をすると、よもぎは抗議して私の足に鼻を擦り付ける。
よもぎを優しく撫でながら、サンによもぎが女の子である事を教えると、よもぎちゃんかと首を傾げた。
好きに呼んだらいいよと言うと、サンはよもぎちゃんと呼んで手を差し出した。
よもぎは全く違う方向を見ている。
何も応えないよもぎにやっぱり嫌われていないかとサンは焦っていたが、よもぎのそれは通常運転だ。
よもぎは何が気に入らなかったのか、大福の頭を叩いて叱っている。
しかし大福は懲りずによもぎに身体を寄せたり周りを回ったりして遊んだ上、よもぎを追いかけ回していた。
「こーら、やめなさい」
やんわり注意すると、二匹は走るのをやめた。
甘える大福に心を鬼にしてぶつかったら危ないと指摘すると、同意するようによもぎがひと鳴きした。
サンが吹き出して笑い始める。
私は少しびっくりしたが、同時にサンの笑顔に安堵した。サンは昨晩からずっと緊張状態でいたのだ。
サンは私達の視線に気付くと、笑ったのは大福とよもぎが可愛かったからだと訴えた。
大福のやんちゃに困っている事を話すと、サンは二匹の賢さを褒めて、兄妹なのかと疑問を口にした。
大福とよもぎはどちらかというとパートナーであり恋仲だ。
サンは二匹の関係を知ると、自らの顔に手を当てた。
どうしたか聞くと、サンは眩しくてと答える。
私はよくわからなくて、大福とよもぎと一緒に首を傾げた。
「大福とよもぎは昔、私の友人が廃墟にいる所を見つけたんだ」
家族になった経緯を簡潔に話すと、私はよもぎにおやつのジャーキーをあげた。
よもぎはちまちまと大事そうにジャーキーを食べている。
大福は減量しないといけないため、半分に折ったジャーキーをあげた。
サンに荷物の整理をするよう言うと、私は階段を上がるサンの後ろ姿を見送った後、ソファへと腰掛けた。
ちょうどマリアとルイスから大福とよもぎがいなくなったと連絡が来ていて、こっちに来ている事を伝える。
するとマリアからすぐ返信が来て、電話がかかって来た。
「もしもし?」
『シェルアさんですか? こっちで見てたのに本当にすみません! 今大丈夫ですか?』
「ああ、うん、大丈夫だよ。結果的にアニマルセラピーになったから」
『すみません~~……!!』
マリアは謝り倒すと今からでも大福とよもぎを引き取りに向かうと言ったが、私はやんわりそれを断ると夕方頃ルイスと一緒に家に来れないか相談した。
『勿論いいですよ!』
「でもサンにまだ意向を聞いてないから、わかったら連絡するね」
『ええ、承知致しました』
通話を切って、現時点でわかっているサンの情報をメッセージで送る。
サンがリビングに戻って来たため、ソファに座るよう促すと、サンは遠慮がちに向かいのソファへと腰掛けた。
飲み物を淹れようか尋ねると、さっき飲んだばかりだからと断られた上、僕が淹れますよと言われた。
気遣いは嬉しいが、私はそれはまた今度にと本題に入った。
マリアとルイスの紹介である。
此処で暮らしていくとなれば私は仕事もあるし、家を空ける事だってあるから、記憶喪失で右も左もわからないサンを一人で留守番して貰うのは心配だった。
サンに自己紹介が出来るかと尋ねる。
私の心配をよそに、サンは大丈夫だと自分の胸を叩いた。
忙しい一日にしてしまった事を反省して謝罪と御礼を言うと、サンは御礼を言うなら僕の方だと不思議そうな顔をした。
聞き返すと今度は断言されて、私は思わず笑ってしまった。
サンは無邪気に私をすごい人だと言った。
だがそれはそう見えているだけで、実際の私はそんなに立派な人間ではない。
私はあの人のように振る舞っているだけだ。
感傷に浸りそうな自分に息をついて、私は本音を吐露した。
——才人であっても凡人であっても、人間の本当の価値は変わらないし、変えられない。
才人至上主義の人間が聞けば間違いなく異を唱えるだろう私の言葉を聞いても、サンは真剣に言葉の意味を考えているようだった。
答えは自分で見つけるものだと伝えたが、その言葉は余計にサンを混乱させてしまうものだったらしく、私は言った事を後悔した。
私といてもサンは気を遣って休めないだろう。
夕方まで自由にしていいよと言うと、サンは此処に一人は寂しくてと消えそうな声で呟いた。
私は気の利いた言葉一つ言えない自分に自己嫌悪した。
慰めの言葉をあれこれ考えていると、不意に大福がサンの膝に飛び乗った。
大福はサンを慰めようとしているのか、じゃれついている。
もう仲良くなったんだと声をかけると、サンは大福がきっと気を遣ってくれたのだと返事をして、膝の上にいる大福にありがとうと言った。
大福は何も考えていないように見えるが、案外人をよく見ている。
サンがよもぎを見ているのに気付くと、大福はひと鳴きして、抗議するように前足でサンの膝を叩いた。
よもぎに見惚れたら駄目だと翻訳すると、サンは静かに納得して、大福によもぎを見ていた理由を話した。
彼は彼で大福と自分が仲良くしてよもぎが嫉妬しないか心配だったらしい。
大福はサンの膝上でぐるぐる回ると、胸に飛び付いて顔を舐め出した。
私は大福の名前を呼んで注意をしたが、サンは仲良くなれて嬉しいと言うため、それ以上強く言えなかった。
大福は新たな友人にはしゃいで部屋を出ていくと、ボールを咥えて戻って来た。遊ぶ気満々である。
サンは大福が持ってきたボールを手に取ると、ソファから立ち上がって庭で遊んでもいいかと聞いてきた。
大福は体力があるからなかなか満足しないよと答えると、サンは望むところと返事をして大福と一緒に外へ出ていった。
ボールで遊んでいる姿は楽しそうだ。
私はホッとすると、よもぎの背中を撫でた。
約束の時間が近くなった頃に、私は庭で遊ぶサンと大福を呼んだ。
タオルを用意してサンに渡すと、サンは先に大福の足を拭いた。
玄関のインターホンが鳴って、マリアンネとルイスの声が聞こえる。
大福は足を拭き終わるとすぐに走って二人の所へ行ってしまった。
私はサンにもう一枚タオルを渡すと、使用済みのタオルを洗濯機に入れに行った。
戻って来るとマリアとサンが挨拶をしていた。
何故かマリアとルイスは仕事着の正装でいる。
今日は仕事だったかと疑問を口にすると、ルイスがマリアに着させられたと愚痴をこぼした。
マリアはきちんとしたいみたいだが、ルイスはそうは思っていないようで、格好は何でもいいだろうと話した。
私としても公序良俗に反しなければ、服は好きに着ればいいと思っている。
しかしマリアはこだわりがあるようで、弟であるルイスの意見を即座に却下した。
ルイスはもはや諦めた顔をしている。
マリアが恭しく自己紹介すると、サンは緊張した様子で名前を名乗った。
ルイスはマリアの丁寧な挨拶を茶化すと、軽い口調でサンに自己紹介をした。
ルイスと握手をしたサンは頑張りますと言っていたが、ルイスもマリアも優しい言葉をサンにかけた。
私はマリアの家族みたいなものと思ってくれればという言葉に頷く。
サンは顔を赤くしていたが、よろしくお願いしますと返事をした。
マリアはサンの緊張を解そうと、ルイスが初対面の人間が苦手である事を話した。
私が送ったサンの情報で、ルイスは色々思うところがあったらしい。
マリアの口をルイスが慌てて塞いでいたが、マリアはニコニコしていて楽しそうだった。
あまりルイスをいじらないようにとマリアに注意すると、ルイスは静かにマリアの口を塞いでいた手を外した。
サンにルイスとゲームをするよう促すと、夕食の支度を手伝うと言われたため、私はどうしてもクリア出来ないゲームがあるからとお願いした。
ルイスもサンと仲良くしたいみたいだから、上手くやってくれるだろう。
ゲーム機を指差すと、ルイスは早速やろうと乗り気だったが、サンはゲームが上手くないからと消極的だった。
ルイスとマリアに気にしないよう言われると、サンは少しホッとしていた。
私はマリアと夕食の献立を決めると、食材を用意して料理を始めた。
サンとルイスはゲームを楽しんでいるらしい。
はしゃぐような二人の声が聞こえる。
「マリア、今日はありがとう。助かったよ」
「いえいえ、そんな。シェルアさんにはお世話になっていますから……それに」
野菜を切るマリアの手が止まった。
続きの言葉を待つと、マリアは嬉しそうに笑みを浮かべた。
「ルイスに友達が増えそうで良かったです」
「ふふ。そうだね」
「だって休みの日も全然遊びに行かないんですよ? 姉としてはちょっと心配で……」
マリアは人との交流が仕事でしか見られないルイスを心配しているようだったが、ルイスが聞けば嫌がるだろうなと私は苦笑した。
相槌を打ちながらマリアの最近の弟情報を聞いて作業をしていると、しばらくして夕食が完成した。
私とマリアはサンとルイスの名前をそれぞれ呼んで、夕食が出来た事を知らせた。
サンは何もしないのは性に合わないようで、料理を運ぶのを手伝ってくれた。
ルイスがマリアに頼まれて、大福とよもぎの夕食を用意する。
食べない二匹をサンは気にしていたが、ルイスが皆が席に着くのを待っていると説明されると、サンは急いで椅子に座った。
マリアはサンにジュースが良いかと尋ねて、水で大丈夫と言われると、ミネラルウォーターをグラスに注いでサンに渡した。
召し上がれと言って食事を始める。
マリアに明日の予定を聞かれて、診察をして貰う予定だと答えると、ルイスはレネーさんの名前を口にした。
マリアは先月の検診に行ったかと尋ねると、忘れて行っていないという私の答えを聞いて、怒られますよと当然の事を言った。
怖いと思われると明日診察予定のサンに誤解を与えかねないため、普段は優しいからと訂正しておく。
パエリアを小皿に分けてサンの前に置くと、サンは早速食べて美味しいと目を輝かせた。
マリアがオムレツとコロッケをサンによそって美味しいですよと勧める。
サンは御礼を言うと次々と口に運んで、マリアと私の料理の腕を褒めた。
いっぱい食べるようサンに伝えると、ルイスがデザートもあるから食べすぎないようにと言った。
貰い物が多くて食べ切れない事を説明する。
お酒の贈り物があったのが話題になると、サンは私にお酒を飲まないのかと尋ねた。
無難に嗜む程度だと答えると、サンはマリアとルイスに同じ質問をした。
二人も私と一緒で普段はアルコールを摂取しない人間である。
マリアがお酒を飲みたいのかとサンに聞くと、興味はあるけど未成年だからとサンは首を横に振った。
流される性格かと思っていたが、意外としっかりしているらしい。
サンは自分が何歳くらいに見えるか私達に尋ねると、答えを聞いて多分十九歳だと口にした。
私は自分の年齢をおよそとはいえ覚えている事が気がかりだったが、子供っぽいのかと落ち込んでいたため、年を重ねたら相応に見えるとフォローを入れた。
しかし“可愛い”は余計だったようで、更に落ち込ませてしまった。
ルイスが見た目は気にするほどの事じゃないと言うと、明後日はどうするのだと問いかけた。
あまり気は進まないが、仕事内容によっては一緒に来て貰おうと思っている事を話すと、ルイスは人見知りにとったら地獄の一日だと発言した。
……言われてみれば、確かにそうだ。
私は思わず手が止まった。
今まで良かれと思って買い物したり、マリアとルイスを紹介したりとしていたが、肝心のサンの気持ちは置いてけぼりだ。
ただでさえ遠慮がちな子なのだから、家主の私に言われてしまえば拒否も出来ないだろう。
私は食事の手を止めてサンに謝罪した。
サンは謝らなくていいと言ってくれたが、これはどう考えても私が悪い。
ルイスは世間話の一環でブラッドの話を持ち出すと、サンに偏った情報を伝えた。
本来なら上司として咎めるべきだが、ルイスの言っている事は事実で否定出来ない。
マリアまでブラッドの暴走について言い出すものだから、私は苦笑するしかなかった。
それでも昔に比べればブラッドはマシになった方だと言うと、ルイスにそれは私が思っているだけと言い返されて何も言えなかった。
ルイスはサンとゲームをして仲良くなったようで、サンの取り皿にコロッケを載せて世話を焼いている。
マリアが笑うとルイスは突っかかっていたが、微笑んだだけだとマリアに言われると顔を歪めていた。
本来ルイスは面倒くさがりで、他人と積極的に関わるようなタイプではない。
しかし今回はルイスの方からコミュニケーションを積極的に取っていた。
ルイスもお兄ちゃんになったなと成長を感じていると、恥ずかしがったルイスからやめろと言われた。
サンにルイスはいい兄貴分か聞くと、サンはYESと即答した。
姉のマリアも鼻が高いだろう。
ルイスは照れを隠そうとサンの皿にコロッケを載せると、食べろとサンに言って食事を再開した。
マリアはルイスが照れている事をサンに教えたが、ルイスは居心地悪そうにそっぽを向いている。
私はルイスの耳が赤いのに気付かない振りをして、グラスのお茶に口を付けた。
夕食後は今日貰った果物とチーズアイスを食べた。
サンは昼食後のデザートにチーズケーキを食べていたが、夜に同じような味のアイスを食べても平気なようだった。若さ故だろうか。
後片付けをしようとすると、ルイスがサンとするからと言って半ば強制的にマリアと私をキッチンから追い出した。
私は無言でマリアと顔を見合わせると、自室へ向かった。
「いや~驚きましたね。まさかルイスがここまで仲良くなるなんて」
「今までEMANONでは弟ポジションだったから、慕われるのが純粋に嬉しいんじゃないかな。エッシは異性だし」
「そうですねぇ」
自室に着くと、マリアはドアを開けて私に先に入るよう促した。
ソファに座ると、マリアはニコニコと嬉しそうに口を開く。
前々からルイスに友達がいない事を心配していたらしく、今回ルイスがサンと仲良くしていたから弟の成長を感じられたと喜んでいた。
「写真撮れば良かったです……」
「……ルイスが口利かなくなるぞ」
忠告すると、マリアは苦笑を浮かべた。
しばらく話した後、玄関まで見送りに行くと、今日購入したスマホでサンはルイスとマリアと連絡先を交換していた。
スマホの操作も慣れたものだった。
二人が帰ると、私はお風呂を沸かして先にサンに入浴して貰った。
眼帯をしていないサンの右目は閉じられていて、何か処置が必要かと思ったが、本人が特にいらないと言うためそのままにした。
明日はレネーさんの所へ行くから、悪い所があれば見つけてくれるだろう。
最下層には怪我人、病人がごまんといる。
まともな医療従事者は己の安全のために治安が良い場所に集まる傾向があるから、治安が悪い場所には闇医者が跋扈するのだ。
昼に送ったメールにはレネーさんからの返信が来ていて、レネーさんは急な診察にもかかわらず了承してくれた。
検診に行かなかった事を謝罪しようと思ったが、謝るなら直接の方がいいだろうと途中まで打った文章を削除した。
サンがお風呂から上がってきた。
若干パジャマのサイズが大きいような気がしたが、成長期だから許容範囲だろう。
私はサンに寛いでいるよう言うと、着替えを持ってバスルームへ向かった。
リビングに一人でいさせるのも気が引けて、いつもより早めにお風呂から上がると、私は髪を乾かさないままサンのいるリビングへと急ぐ。
平然を装って何か面白い番組があったか尋ねると、サンは付けっぱなしのテレビをそのまま見ていたと言った。
今日はやはり緊張したらしい。
サンは皆が優しかったからと優しい言葉を口にした。
サンに会えて皆喜んでいたと伝えると、サンは“普通”だと謙遜した。
動物に好かれる人は純粋で優しいからという説があると言っても、大福に好かれたのは自分の匂いが珍しかっただけかもと返事をする。
仮に匂いが珍しかったとしても、大福がサンと仲良く遊んだのは事実だろう。
よもぎだって本当に嫌なら近付きもしないから、内心ではサンをどこかで認めているはずだ。
ソファに腰掛けて思い付く限りの慰めの言葉を伝えると、サンはどうしてそこまで優しくしてくれるのかと尋ねた。
——そんなの、全部自分のためだ。
私がしたいから自己満足だと言うと、サンは不思議そうな顔をした。
僕のためじゃないのかと言うサンに頷いて、あの日の見方を変えれば私が誘拐犯になる事を教える。
するとサンは驚いて大袈裟だと口にした。
しかしあれは結果として良かっただけで、私がやった事は利己主義であり決して正しくはない。
サンはそうだとしても私を優しい人だと言う。
私は本来そんな立派な人間ではないのに、騙しているような気分になった。
御礼を言ってサンの頭を撫でて自分の感情を誤魔化す。
眠れなかったら読み聞かせでもしてあげると冗談で言うと、脱兎の如く逃げられた。
後でセクハラだと気付いて後悔しかなかった。
すぐに謝罪しようと思ったが、サンの一人の時間を邪魔するのも苛まれたため、謝罪は一旦トークアプリのメッセージに送った。
リビングのテレビと部屋の電気を消して、洗面所へ戻る。
髪を乾かしていると、役所の人間からメールが届いた。
やはり“凡人”が地下に落ちたという事例はないらしく、地下の住人名簿にもサンの名前はあったが、名字の記載はなかったとの事だった。
通常なら彼の名字も名前と一緒に記載されているはずが名簿を管理している機械にシステムエラーが発生して、現在はその復旧作業に追われているらしい。
こんな事は初めてだ、猫の手も借りたいと最後に嘆きの声が書いてある。
私は少し考えた後、若いアルバイトのエンジニアなら紹介出来ると返信した。
返事はなかったが、明日中には返ってくるだろう。
結局サンに関しては名前だけしか有力な情報を得られなかった。
私は溜息をつくと、ドライヤーの電源を切って他の人間から情報を得ようと連絡帳を開いた。
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