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しおりを挟む周りが信じ込んでしまったあの噂を流したのが、ルピナスの義妹であるラモンダとその幼なじみであるミルトニアだとわかったのは、しばらく経ってからだった。
(あの二人が、そんなことをしていたなんて……)
ルピナスに求婚していた子息たちにラモンダとミルトニアは上手く取り入っていて、子息たちはすっかり彼女たちを気に入ってしまっていたのだ。
ラモンダとミルトニアと婚約することにしてしまった子息たちを見て、ルピナスはさらなるショックを受けることになった。
(私も、彼らのことを知らなかったけれど、あちらも求婚しておいて、私のことをよく知りもしないまま、こんな酷い間違われ方をし続けることになるなんて……。あんまりだわ)
そんなルピナスを見て、ラモンダとミルトニアたちは、ニヤニヤと意地の悪い笑みを向けていた。それに婚約者たちは全く気づいていなかったのだ。
ルピナスは父にだけは、最初からちゃんと話していたこともあり、ルピナスが相次いで求婚されて困っていることも理解してくれていた。
だが、義母は血の繋がった娘のラモンダの味方で、夫にあることないことを話していたようだ。それだけでなくて、ルピナスのことをを周りにも以前から悪く言っていたようで、みんなそのせいでルピナスに偏見を持っていたようでもあった。
それに気づいていなかったルピナスは、その土台が出来上がったところで、悪意のある嘘をばら撒かれてしまい、そのせいで、みんなは信じ込んでしまったようでもあった。どこにいても、ルピナスは陰口を囁かれるまでになってしまったのは、そういう経緯もあったようだ。
(いくら、実の娘と仲の良い娘の幼なじみのためとは言っても、あんまりだわ。酷すぎるわよ)
義母は、ラモンダの幼なじみのミルトニアの母親とも昔から仲が良かったようで、実の娘のように可愛がっていた。
ルピナスのことをあまり良く思っていないこともあり、学園でも味方がいない状況になってしまっていて、ルピナスは留学することにした。
(ここにいたって酷いことを言われるか。無視されるかだもの。留学して気分を新たにした方かわマシというものだわ)
義母たちは、ルピナスが留学すると聞いて厄介者がいなくなると喜んでいるのを見て、ルピナスの気分は最悪なものとなっていた。
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