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しおりを挟むルピナスは、父に王子のことを紹介したくなって帰国する時に王子をともだって戻ったのだが、義妹のラモンダがルピナスの婚約者が王子だと聞くや……。
「狡い! どうして、ルピナスが王子と婚約できるのよ!!」
「っ、」
ラモンダだけでなく、義母までもが……。
「そうね。王子と婚約するに相応しいのは、ルピナスなんかじゃなくて、ラモンダよね」
(この二人は、相変わらずのようね)
二人が騒ぎ出すのを見てルピナスは気分が悪くなってしまった。それだけならまだしも、ルピナスにあろうことか交換してと言い出したのには、ギョッとしてしまった。
(この子、王子の前で何を言い出すのよ!?)
「交換って、あなた何言ってるの?」
「いいでしょ? 王子の方がお金持ちなはずだもの」
(は? お金のあるなしで判断するの?!)
そんなことを言い出しただけでなく、義妹はあくびれもなく続けて、こう言ったのだ。悪い噂を流してまで婚約者になったけれど、全然好きな物を買って貰えないし、思っていたのと違いすぎるのよと平然と暴露したのにルピナスは、目を開いて驚くばかりだった。
(判断基準が、そこなのもどうかと思うけれど、そんな理由で私の悪い噂を流していたなんて、いい迷惑だわ)
「いい加減にしないか!!」
「「っ、」」
黙っていつも聞いている父が、義母と義妹を怒鳴りつけると少しだけ大人しくなった。父は王子に謝罪しつつ、ルピナスにもすまないと謝罪してくれ、
それこそ、王子は義母と義妹のことなど居ない者のようにして、父に挨拶をしてみせたのだ。
(この状況で、ラモンダたちを完全に無視なさるなんて、流石だわ)
ルピナスは、王子に苦笑してしまったが、それが気に入らなかったラモンダは更に色々と言い出したのだが、それらを話していたのを王子だけでなく、ラモンダの婚約者がたまたまやって来ていて全部を聞かれることになったのだ。どうやら、ルピナスとは色々あったが、王子と婚約したと聞いて挨拶に来たようなのだが……。
(それで、ラモンダの本心を聞くことになるなんてね)
ラモンダの婚約者は、王子へ挨拶するのも気もそそらのまま、ラモンダとは話さないといけないようだと言い出して、その後、ラモンダと婚約者は大喧嘩となってしまったようだ。
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