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しおりを挟むルピナスの元求婚者となった子息たちは、自分たちが元婚約者の言葉のみを鵜呑みにしてしまったことをルピナスに心から謝罪しに来てくれたのだ。
「本当に申し訳ないことをした」
「私も、すまなかった」
「もういいんです」
更には、王子との婚約を祝福までしてくれたことは、ルピナスは素直に嬉しかった。
誤解もとけたことと二人が、本当に悪いのは嘘の噂を流した義妹たちであり、それを鵜呑みにしてしまった自分たちだとちゃん理解してくれただけでなく、誤解しきっていた周りにも話してくれたことで、みんなもルピナスと王子の婚約を祝福をしてくれることになり、ルピナスは心からホッとすることが出来たのだ。
(でも、ラモンダとミルトニアがいなかったとしても、どちらも選ばなかった。なんて今更、言わなくてもいいことよね)
片方は子供嫌いで、片方は自分を立てない女性が許せない子息だとわかったのだ。ルピナスは、そこが引っかかってしまい、求婚を先延ばしにし続けてしまったのも悪かったのだ。
だが、そのおかげと言ってはおかしいが、王子と婚約できたと思うと複雑なものもあった。みんなと円満な和解も出来たので、それは王子のみに話して秘密にすることにした。
もっとも、王子はどちらも選ばなかったことを聞いて、喜んでいたようだが。
(王子って、わかりやすい方よね)
ルピナスは、そんなことを思いつつ、苦笑してしまったほどだ。
王子は、どちらも選ぶことはなかったと聞いてから、より一層、ルピナスを溺愛してくれるようになって、ルピナスの笑顔が曇ることはなくなった。
愛し愛される二人は、どこで見かけても仲睦まじくしていて、その姿を見てみんなが羨むほどだった。笑顔溢れる素敵な家庭を築くことになり、幸せいっぱいの人生を送ることが出来たのだった。
ちなみにラモンダとミルトニアたちはというと勘当されてからもルピナスのせいやお互いのせいだと罵り合いを繰り広げて、自分たちが悪いと思うことはなかったようだ。
それこそ、何か良くないことがあれば、相手のせいにし続けたようで、ルピナスとは真逆の人生を歩むことになったようだ。
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