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第2章
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しおりを挟む第二皇子であるレンは、ウィスタリアと一緒になって各地を忙しく飛び回っていた。最初は、長らく人との関わりを持たないようにしていたため、人との距離のつめ方がわからないようなところはあったが、彼は同じ病気で苦しんでいた経験がある。
そのため、経験したことを病気で苦しみ、治るはずがないと疑心暗鬼にかかっていて、ウィスタリアの薬湯を飲もうとしない者たちに寄り添い続けた。
(彼が居てくれて助かることばかりだわ)
レンが居なければ、ウィスタリアたちは何度となく偽善者だの。病気を逆に広めに来た者として、身の危険を感じることもよくあった。
そのたび、ウィスタリアはこの国でこの病気に苦しむ人たちのみならず、その病気のせいで心に傷を負った人たちも癒せたらと思うようになった。
それは天姫だとみんなに認めてほしいからしていることではなかった。
よく笑うようになったレンを見て、ウィスタリアは泣きたくなることも減った。
だが、ウィスタリアが煎じているから効果があると信じられない者も現れた。毒草が含まれているのを盗み出して、同じように煎じて配った連中がいた。彼らは、金になると思ってやったようだが、それによって病気がよくなるどころか。死者が出たのだ。
「あの女が煎じた薬で、私の子が死んだんだ!!」
金持ちの連中は、別け隔てなく薬湯を飲ませて、金をどんなに積んでも、積まなくとも、世話を平等にするウィスタリアたちがもとから気に入らなかったようだ。
(あちら方面の攻撃を想定しすぎて、お金儲けで動く人たちの浅ましさを侮っていたわ)
貴族の娘や息子、親たちは、庶民と同じものを嫌ったのだ。特別に自分のために煎じたものとして、大金を払って買い取って、それを飲んで死んだことでウィスタリアを責め立てたのだ。
「あの女は、天姫なんかじゃない!!」
「そうだ。騙されるな!」
ウィスタリアは、天姫ではないことに異論はなかった。ウィスタリアの周りが、そこにも激怒していたがウィスタリアだけはそこに怒りを覚えていなかった。
それにウィスタリアが煎じた薬湯でもないことは確かだ。それは、ウィスタリアでなくとも、それを見たことのある者はみんな一目瞭然なものでしかなかった。
(本当は、匂いととんでもない味になるのよね)
証拠として煎じた薬湯を持って来た貴族たちは、ウィスタリアが煎じたものとそれを飲んだ者たちみんなが、苦いとか。美味しくないなんて味は一切しなかったと言ったのだ。
毒草入りの薬湯は、ウィスタリアが煎じたもの以外は舌がピリピリしたらしいが、毒の量によって死なずに済んだ者も中にはいた。のたうち回るような苦しみをもたらしたようだ。
(大金を支払って、貴族として特別扱いを求めた結果、こんな目に合うとは思わないわよね)
見栄を張った親によって、ここに来て薬を貰うことすら恥だと言われ、やっと手に入った薬を飲んで更に苦しむことになったのだ。
それを知ってウィスタリアはいたたまれなくなってしまった。
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