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好きじゃない
4 オープニング④ 現在地
しおりを挟む(すみませんすみませんすみません……)
何度も心の中で謝りながら、足早に外廊下を抜け、マンションのエレベーターの下降ボタンを押す。
ほどなくして扉が開き、1階に到着するまでに、焦りでおぼつかない指で、なんとかワイシャツのボタンだけは掛け終えた。
エントランスを出たところで、ようやく人心地がついた。と同時に、どっと疲れが押し寄せる。
(――もう、帰って寝よう)
起きたばかりだというのに、数分の出来事で、すでに一日経った気分だ。
(とりあえず寝て、あとは起きてから、考えよう……)
幸いなことに、今日は土曜日だった。特に予定もない。
帰りがてらに栄養ドリンクでも買って行こうと思いつつ、現在地を把握するために辺りを見渡した。
朝の早い時間帯のせいもあってか、人の姿も車道を走る車も見えない。
「――ここって……」
左右の通りと向かいの建物に目をやり、それから出てきたばかりのエントランスへ視線を向ける。
「……ん?」
念のためにと鞄から携帯電話を取り出し、現在地を確認してみた。
「……」
再び振り返り、同じ動作を繰り返す。そして今度は、ゆっくりとマンションを仰ぎ見た――
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